高度成長期のように税収が大きく伸びない社会にあって、税務当局が少しでも税収を高めるために国外所得や相続財産の申告漏れの把握に一段と力を入れるといった動きを強めています。

マイナンバー制度の導入で以前よりも格段に名寄せが進んでいる一方で、申告義務があるにもかかわらず無断で国外所得や財産を隠している人が非常に増加していると言われています。さらに親が子供の銀行口座を借用する形で預金を行うことにより、相続財産を減らしていくといった、いわゆる名義預金の摘発にも力が入れられています。

国外財産調書の提出を求められる人も
一定の国外財産を保有している納税者は、税務署に対して国外財産調書の提出を義務付けられています。海外に5000万円を超える国外財産を持つ人が対象で、年末にこの条件に該当する人は翌年3月15日の確定申告提出締切日までに当該税務署に提出が求められることになります。これには罰則規定があります。正当な理由がなく提出しなかったり、偽りの内容を記載して提出したりした場合には、1年以下の懲役か50万円以下の罰金が言い渡されます。

通常こうした資金で足がつくのは、国内から自分の海外口座などに送金した場合です。まず、一回100万円を超える海外送金は、全て銀行から所轄の税務署に対して報告されており、そこから判明することがほとんどです。また海外から自分の口座に入金する場合でも100万円以上の金額はすべて税務署に報告されます。

なにより、マイナンバー制度が実施されてからはほとんどの金融機関が送金金額の受け取りにマイナンバーを要求するようになってきています。2017年以降はこうしたマイナンバー提出が完全実施されることから海外からの入金はより精密な調査の対象となることが予想されます。「わからないだろう」と思って行っていると突然税務署からのお尋ねがやってくることになります。

名義預金の調査も厳しさを増す状況
上述の名義預金も、本来であれば相続財産として申告すべきものです。ただ多くの場合、親が子供に知らせることなく子供名義の銀行口座を使って預金するケースが多く、税務署は子供に直接アプローチすることによって、自分名義の預金口座について認識していないということを証言させるケースも増えているようです。

ここまでくるとちょっとした査察のような世界にも思えますが、それぐらい税収確保のための税金逃れに対する国税当局の対応が厳しくなっています。下手な隠し事がバレれば加算税の対象になり、かえって増税の憂き目を見ることになりかねず、決して甘く見てはいけません。

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