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教えて投信先生!! グローバル・ロボティクス株式ファンド 今後の見通し・評価

2018/10/12

2017年から個人投資家に人気のロボット・AI・自動運転に関連した投資信託が人気になっています。
本コラムではこれらの人気テーマ型ファンドを分析・評価してみます。グローバル・ロボティクス株式ファンドの購入を検討している人、現在保有していているがこれから売却するべきか継続保有するべきか迷う人…何を基準にすればいいのでしょうか。

≪本稿のまとめ≫
・例えば「鉄腕アトム」のような画期的に夢のあるものを作っているわけではない
・実際には設備投資関連の仕事をしている企業への投資が多い
・そうした企業は世界の景気動向に業績が左右される
・今後も世界の景気拡大が続くと考えるなら保有。そうでない・分からないと思うなら売却したほうが良い

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はじめに ネット・口コミで人気化

こんな将来有望な投資分野なんて他にはない!

最近のテーマ型ファンドは、ロボットやAI(人工知能)に投資対象を絞ったファンドが人気を集めています。少子高齢化による労働力不足が先進国中心に目立っており、その有力な補完手段としてロボットへの注目度が上がっているからです。

またAI技術の進歩も著しく、多くの企業が実際のビジネスにどうやって活用するかの検討を始めています。うまく活用できれば、オフィス内における単純作業を効率化したり、工場の生産効率を改善したりできるでしょう。
またAIは人間の意思決定をサポートする可能性もあります。AIが大量のデータを分析し(ビックデータ解析)、将来予測の精度向上に活かせるかもしれません。

こんな将来有望な投資分野なんて他にはない!ということで多額の資金が流入しているわけですが、本当に大丈夫なのでしょうか。
今回は注目のロボティクスファンドの動向や注意点などについて、金融機関新入社員の「横田くん」と、ファンドマネージャーの「投信先生」の会話を聞いてみましょう。

ロボット/AIに広がる将来 明るいストーリー

横田くん:
「投信先生、最近はロボティクスやAIに関連する企業に投資する投資信託が人気で、お客様から色々とご質問をいただくのですが、ロボティクスファンドの今後について投信先生はどう思いますか?」

投信先生:
「横田くんはどう思うんですか?」

横田くん:
「私は上がっていくと思います。人口動態から考えても今後ロボットの需要が落ち込むなんて考えにくいし、誰もが期待する投資対象だからです」

投信先生:
「そうだね、今後もロボットの需要は増えていくだろうね。でも注意点としては投資対象の企業の株価が、既に高くなっている可能性はないのかな?誰もが注目するなら既に多くの投資家が投資をして株価が高くなっているかもしれないよ」

横田くん:
「う~ん、そうですね…その可能性はありますね。でもそうした企業って画期的な商品を開発してどんどん業績を伸ばしていくんじゃないですか?アップルだってそうじゃないですか、2007年のiPhone販売後から株価はうなぎのぼりじゃないですか!」

投信先生:
「それはそうだね、これまでの生活を一変させるような革新的な商品を開発できれば株価は今の100倍になってもおかしくないよね。例えば完全自動運転の自動車とか、人間型のアンドロイドとかSF映画に出てくるみたいなものだよね」

横田くん:
「そうです!そうした夢のある企業に投資をするのがロボットとかAIファンドの魅力なわけじゃないですか!だからやっぱり上がると思うんですよね!」

投信先生:
「そうしたイノベーションは重要だね。確かに夢がいっぱいだ。ところで横田くんはロボティクス株式ファンドにはどのような企業が入っているか知っているかい?」

横田くん:
「そうですね、色々なファンドがありますけど、例えば、日興アセットマネジメントで設定されているグローバルロボティクス株式ファンドの目論見書を見てみると、組み入れ上位銘柄は…
キーエンス、ロックウェル、ファナック、ABB、ハネウェル、安川電機、東京エレクトロン、アマダ、日立製作所、ディア…これ以外にはアルファベット(グーグルの親会社)、SAP等に代表されるIT企業(情報技術関連)にも投資しているようです…

んー、思っていたより昔からある大企業が多いですね…もっとベンチャー企業みたいなのが多いのかと思っていました」

投信先生:
「そうだね、これはロボットやAI関連ファンドで投資家が誤解しやすい点だね。現在、産業用ロボットの活躍分野は半導体や自動車産業に偏っているんだよ。横田くんはテレビでロボットがベルトコンベアに乗った自動車を組み立てていく映像を見たことがあるだろう、あんな感じだよ」

横田くん:
「なるほど、そしたらロボティクスって昔からあるんですね。もっと画期的な…例えば鉄腕アトムみたいなのを作っていきたいみたいな企業だけじゃないんですね」

投信先生:
「もちろん大企業はそうした革新的な技術に関する研究は行っているよ。でもそれが売り上げになるのっていつだろうね。いつまでも企業の利益に貢献しない可能性も結構あると思うよ」

横田くん:
「なんか当初思っていたロボティクスファンドのイメージとは違っているなぁ。もっと爆発的な発展が期待できる感じだと思っていました」

投信先生:
「そうだね、お客様とお話ししていても横田くんと同じようなイメージを持っている方が多いね。このケースだと本来は『資本財セクターファンド』と言えるかもしれないね」

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