5分で分かる!行動ファイナンス~なぜあなたの運用戦略は損をするのか~
正しい判断に迷ったときにこそ役立つ、行動ファイナンスの知識
行動ファイナンス理論は、多くの投資家の失敗しやすい心理を教えてくれます。
それでは、こうした無意識のうちに大切な投資の判断を曇らせる心理を克服して、より有益な選択するには、どうしたらいいのでしょうか?
1つめの方法は、事前にルールを設定しておくこと。
例えばFXや株式なら、損切り、利確のラインを最初から決めて、機械的に実行することを徹底すれば、その場の感情に流されて判断に迷うこともありません。
2つめの方法は、信頼できるアドバイサーに相談すること。
たいていの人は、他人の保有銘柄を見て「これはダメですね」と厳しい評価が出来ます。しかし自分の保有銘柄には、ついつい甘めの評価をしてしまうものです。
行動ファイナンス理論が指摘するように、自分自身の損得には、どうしても冷静な判断を歪める認知バイアスが働きます。保険や投資など損得の大きく関わる判断では、ファイナンシャルプランナーなどプロに相談して、第三者の目線からアドバイスを受けることも大切です。
お金の判断に迷ったときは、いくら得した、いくら損したというほう目先の感覚に囚われて、本当に大切な、最終的な金額を考える余裕はなかなか生まれません。
こうした人間の陥りがちな感情的・心理的な傾向を探る行動ファイナンスは、今、どんな感情に流されて投資判断を誤る可能性があるか、自分の投資行動を振り返る上でも役立つ学問なのです。
長期投資は難しい・・
一般的に、長期・分散・積立で資産形成を図ることが重要といわれます。その理屈は100%正しいと言えます。長期・分散・積立投資を10年・20年単位で行えば、リターンを享受できる可能性は相当高まります。
しかし、長期投資は“言うは易く行うは難し”なのです。投資の経験があまりない方は、「なぜ損で売却するのか?我慢すればいいではないか?」と考える方も多いのですが、それがなかなか出来ないのです。
その理由は人間の感情にあるのです。
長期投資と短期投資。ほとんどの方が“長期投資をするべき”と考えています。しかし実際に長期投資を実践できている投資家は驚くほど少ないものです。
しかし資産運用大国アメリカでは多くの個人投資家が長期投資を実践できています。なぜ日本人は長期投資が苦手で、米国人は長期投資が出来るのでしょうか?米国は若いころから金融教育を受けているからでしょうか、それとも株価がずっと上昇しているからでしょうか。
米国視察で実際に現地のIFAや運用会社と話し合い感じたことは、一般の米国人は金融知識が特別にあるわけではないのです。しかし自分が運用する目的(ゴール)をしっかり設定しているため、日々の価格変動を意識していないのです。
金融の知識があっても損をする投資家がたくさんいます。一方、金融知識が無いからといって損をするわけではないのです。
また、米国のファイナンシャル・アドバイザーは顧客ごとの長期のファイナンシャルゴールに則した運用を提案します。日本のように相場動向を予測して運用の提案をする、というのは少数派です。
そして顧客が運用を短期でやめてしまわないための工夫が日々の提案の中で多く存在するのです。その工夫は行動ファイナンスの考え方をもとに作られていきます。
投資の理論を学ぶことは大切ですが、まずはご自身が運用を行う目的(ゴール)をしっかり定めることが大切です。また“神経をすり減らす高リターンの運用”よりも“長期間続けられる運用”を行うことが必要になるのです。
心理的な罠にとらわれずに長期投資を行うことが、出来そうでなかなか出来ないのです。
(ファイナンシャルスタンダード株式会社の資産コンサルタントは運用アドバイスのプロとして、お客様へのご提案に行動ファイナンスの考え方を取り入れることで、投資家が安心して投資を行える工夫を行っています。日本の個人投資家に長期投資が浸透するように日々研究を重ねております。)