ファイナンシャルスタンダードが運営する金融・投資信託・相続・不動産など
「資産運用」にまつわる最新情報・ノウハウ満載のコラムメディアサイト

ファイナンシャルスタンダードが運営する
「資産運用」にまつわる最新情報・ノウハウ満載のコラムメディアサイト

5分でわかる2016年イタリア国民投票~争点と株価への影響を解説

2016/10/27

「資産運用」にご興味がある方は
お気軽にお問い合わせください

今後の欧州の政治日程

今後の政治日程を整理しましょう。ポピュリスト政党が台頭することにより複数の国々で国民投票が行われる可能性があります。
・2016年12月4日  イタリア国民投票 (結果次第で解散総選挙 反EU政党が政権につく可能性も)
・2016年12月  オーストリア大統領選
・2017年3月15日  オランダ議会選挙(ポピュリスト政党が台頭した場合国民投票も?)
・2017年6月  フランス議会選挙(国民戦線躍進の場合、国民投票も?)
・2017年9月  ドイツ議会選挙(反移民 ポピュリスト政党躍進の可能性も)
・2018年春  イタリア総選挙
・2018年秋  スウェーデン総選挙 (反移民の極右政党台頭の可能性も)
・2019年春  フィンランド総選挙(EU加盟継続の是非をめぐる国民投票の可能性)
・2019年半ば  デンマーク総選挙

経済の停滞が排他主義を生み、排他主義が経済停滞を招く

リーマンショックや欧州債務危機以降、世界の景気は停滞しています。またシリアの情勢不安から難民が多く生まれ各国で民族間の軋轢も増えています。“自分に職が無いのは安価な賃金で働く移民が多いから”と主張し、移民を排斥しようとする動きが強まっています。

しかし自由な貿易活動や海外との交流を制限することが経済発展につながるかといえば、違うのではないでしょうか。分かっていても止められない 情勢にジレンマがあるのではないでしょうか。

イタリア国民投票の株価への影響

国民投票それ自体に市場が身構える傾向
“国民投票”というだけで市場が身構える様な状況になりつつあります。ポピュリスト政党が躍進する事で経済成長を阻害したり、構造改革が進まなくなったりする ことを懸念しているからです。
前述したとおり、排他主義は経済発展には寄与しない可能性が高く、他国からの投資が減少します。そのためさらに経済が停滞するという悪循環を生みかねません。

イギリスのEU離脱の時には、即座にイギリス経済に悪影響があるわけではない、という観測から株価はポンド安などを背景に上昇しました。しかしイタリアは通貨ユーロを採用しており、市場は国民投票の結果が憲法改正にNOだった場合の政局の流動化やEUの分裂懸念からリスクオフの状態になるのではないでしょうか。

株式市場は不確定要素を嫌う、と言われます。悪いことが起きても底が見えていれば買い向かえるが、どうなるか分からない場合にはいくら安値でも買えない、という事です。イタリアの株式指数を見ると、その言葉の通りと捉えることが出来るかもしれません。リーマンショック時の安値水準から大きく上がっていないにも関わらず、買いが入らない状況です。

また、今回の国民投票を無事乗り切ったとしてもイタリアの置かれている苦境は変わりません。イタリア政府は2016年9月27日に2016年・2017年の経済成長率見通しを引き下げました。首相は経済成長のために予算を拡大したいのですが、欧州委員会からは財政規律を求められており、難しい局面であることに変わりはないのです。

国民投票を乗り切った場合、株価は上昇傾向に

しかし、国民投票を乗り切った場合には、株価はポジティブな反応をするのではないでしょうか。問題を抱えていることは事実ですが、ユーロ圏での排他主義の拡大にブレーキがかかることや、今後のイタリアの構造改革が進みやすくなる期待から海外の資本流入が期待できるからです。

日本でも小泉元首相の構造改革や、安倍首相のアベノミクスなど政治の変化が株式市場に大きな影響を与えました。

2016年5月にブラジルではルセフ前大統領が罷免され、新大統領の元での構造改革への期待が高まり大幅に株価が上昇しています。構造改革への期待が高まる国の株価は上昇しやすい傾向にあり、イタリアでも同様の期待が持てるのではないでしょうか。最良のシナリオとして考えられるのは国民投票を乗り切り、その後12月13日に発表が予定されているイタリア最大手行ウニクレディトの新たな事業戦略が市場から好感された場合には、イタリア経済に対して見直し買いが増える可能性が高まりそうです。

もちろん2016年6月の英国のEU離脱時のような波乱が起こる可能性もあり、投資家の方は悪いシナリオも想定して投資を行う必要があります。悪いシナリオにも対応するには、事前に戦略を組む必要があります。

関連コラム:5分でわかる2017年に波乱をもたらす世界の政治イベント7個

>>購入者の7割が不満?なぜあなたの投資信託選びは失敗するのか?

▽ファイナンシャルスタンダードのアドバイザーにお気軽にご相談ください 資産運用をお考えなら 個別無料相談
▽ファイナンシャルスタンダードのセミナーに参加してみませんか
損をする落とし穴をわかりやすく解説 無料 投資信託セミナー
20,000人が参加した投資信託セミナー 受付中

まずは無料個別相談を受けてみませんか?

CLOSE