世界が政治リスクに揺れ動き続けた2016年。英国民投票による欧州連合(EU)離脱で、一時的に混乱していた世界の株式・為替市場も落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ、欧州ではEU離脱・懐疑派の増加、ギリシャ支援協議の遅滞、難民問題の深刻化など政治的な不透明性は依然高く、投資判断の先送りによる実体経済や企業業績へのインパクトも懸念されます。


波乱をもたらした2016年の政治イベント
アジア地域でも、台湾の総統・議会選挙、韓国の議会選挙、フィリピンの大統領選など、世界の貿易に大きな影響を与える南シナ海の安全保障に関する重要な選挙が相次ぐ年となりました。

こうした世界の国政選挙で、ひとつのハイライトとなったのが、2016年11月8日から本投票の始まったアメリカ大統領選挙です。

アメリカ初の女性大統領を目指す民主党代表候補のクリントン氏と、過激な発言で話題を集めた共和党代表候補のトランプ氏。オバマ大統領の後任となる、第45代アメリカ大統領が誕生する2017年も、投資家にとって注視すべき政治的イベントは、まだまだ続くことになります。
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今回は、2017年に予定されている世界の国政選挙から着目すべき、ユーロ圏、アジア圏で大きな波乱を起こす可能性のある7つの政治イベントをピックアップし、それぞれの日程と焦点となるポイントをあわせてご紹介いたします。


2017年・ユーロ圏の大きな政治イベント
2016年6月23日の国民投票による英国の欧州連合(EU)離脱以降、ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭、難民問題の加速など先行きの不透明な状況が続いているユーロ圏の政治情勢。

反EUや反移民を掲げる政党の躍進が続けば景気の下押し要因となる恐れもあり、2017年に予定されているオランダの議会選挙、フランスの大統領選、そしてドイツの連邦議会選挙には、市場から大きな注目が集まっています。

【オランダ総選挙】3月15日まで
2017年に欧州主要国で行われる国政選挙で先鞭を切るのが、オランダ議会選挙です。
市場ではEU離脱国の候補として語られることも多いオランダ。反EUを掲げ、国民投票実施を求めているヘルト・ウィルダース党首率いる右派政党・自由党が、どこまで勢力を伸ばすか注目されます。
選挙の結果次第では、その後に控えるEUを支えるフランス・ドイツの二大国で政権交代の可能性をはらんだ選挙にも、大きな影響を与えることになるでしょう。
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【フランス大統領選挙】4月・5月
長引く景気の低迷、そして相次いだテロにより国民の間に不安感が広がるフランス。
左派のオランド政権の支持率が低迷する中、移民・難民排斥、反イスラム、そしてEU離脱を問う国民投票の実施を訴え、支持率を伸ばしてきた極右政党・国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首が台風の目。中道右派の共和党からは前大統領のニコラ・サルコジ氏も出馬を表明し、混迷する三つ巴の戦いが予測されています。
また、6月に控える国民議会選挙で、EU・反移民を唱える国民戦線が議席を伸ばせば、社会党と共和党によるフランスの二大政党制を揺るがすことにもなりかねません。
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【ドイツ連邦議会選挙】9月
政治の安定が国力の源泉となっていたドイツですが、盤石と思われていたメルケル現首相の支持率は、移民政策に対する不満から急速に低迷。2016年の議会選では、メルケル首相の率いる「キリスト教民主同盟(CDU)」の得票が伸び悩む中、難民支援の削減を訴える「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進する結果となりました。

2017年の議会選挙では、EU離脱の国民投票を公約に掲げるAfDが国政への進出を果たす可能性もあり、フランス、ドイツという欧州統合を推進してきた2つの大国の相次ぐ国政選挙は、EUまたはユーロ圏の政治的不透明感を加速する大きな政治的リスクとなっています。
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