なぜあなたの割安株(低PER 低PBR)投資は損をするのか
ネットで調べた割安株で損をした。長期間に渡り株価が上がらない、という経験はありませんか?それはあなたの銘柄選びがバリュートラップに陥っているからです。本稿では株式投資の初心者が陥りがちなバリュートラップについて解説し、本当の割安株投資について考えたいと思います。
1.バリュートラップとは
弊社はお客様から様々な投資に関するご相談をいただきます。その中に「割安株に投資したのに株価が上がらないんだ」というご相談がありました。どうも投資サイトなどのスクリーニングを利用し、自分で調べて投資をされたらしいのです。お客様が選んだ銘柄を見て、弊社のコンサルタントがお客様に伝えた言葉は……
「お客様、それは割安株投資ではないですよ。お客様はバリュートラップに陥っています」
投資家なら誰でも高値の銘柄より安値の銘柄に投資をしたいですが、俗に言われる「割安株投資」でうまくいっていない投資家は意外なほど多いのです。割安株投資には特に注意していただきたい2つの罠があります。本稿では注意すべき点を詳しく解説します。
2.PER PBR ROEとは
割安株投資で使われる代表的な指標にPER/PBR/ROEがあります。まず先に教科書的な説明をします。
・PERとは株価収益率と言われ、「株価÷1株あたりの利益」で求められます。低いほど割安となります。
・PBRとは株価純資産倍率と言われ、「株価÷1株あたり株主資本」。こちらも低いほど割安になります。
・ROEとは自己資本利益率と言われ、「1株当たりの利益÷1株あたりの株主資本」。高いほど効率的な経営をしていると言えます。
そして重要な点はPER/PBR/ROEの関係です。
つまり PBR=PER×ROEとなります。
このことからPBRが高くても割高でないケースもあれば、PBRが低くても割安でないケースもあるという事が分かると思います。一般的にはPBRは低ければ割安ですが、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
(※本稿のグラフで使用しているPBR/PER/ROEの数値は、図①②③⑤がブルームバーグの数値を使用し、図④は東京証券取引所の数値を使用しています)