中国で理財商品の残高は2013年には10兆元ほどでしたが、2015年には倍以上の23.5兆元にもなっています。このようなシャドーバンキングは中国国内のみならず、世界経済にまで悪影響を与える恐れがあります。

理財商品とは
理財商品とは、中国国内で販売される元本保証がない高利回りの資産運用商品のことで、金融機関自らが設計しています。主に、募集した資金を使って投資収益を得ることが目的です。

ローリスクだと思われている銀行発行の理財商品に問題あり
中国において、銀行で販売されている理財商品の残高が急増しています。理財商品の中でも、特に問題になっているのは銀行が発行するものです。証券会社が出しているものは投資家がリスクを承知して買うことが多く、残高にも異常な変動は少ないです。

しかし、銀行が発行するものは一般的にローリスクだというイメージが強く、より多くの方が買うことからより高い危険性が示唆されています。先入観に騙されて買うことで、多額の損失を被るリスクが出てきます。

元本や利払いを受取れないデフォルトが急増
高利回りを期待して取引されていた理財商品ですが、2016年からデフォルトが増えてきました。これは債務不履行とも呼び、元本や利払いの支払いを遅延もしくは停止し、償還が不能となりうる事態のことを指します。

海通証券の分析によると、500本近い債券にデフォルトのリスクがあるそうです。これは総額にして7000億元にもなります。

専門家の間では以前から危険だと指摘されていたことです。しかし、中国の金融システムではモラルハザードが蔓延しており、結局食い止めることが出来ていないのが現状です。

理財商品の出回る原因は銀行業の苦戦
大きな問題を引き起こし続けている理財商品。そもそもは銀行の収益が伸び悩んでいることが原因です。主な収益は手数料収入ですが、2015年の伸び率が平均で5%を切りました。5年前は30%前後あったことを考えると、大きな落ち込みです。

このような事態から、銀行側は別の手段で資金調達する必要が出てきました。その結果として使われるようになったものが、今問題を引き起こしている理財商品です。

近年残高が急増している理財商品。元々は銀行経営を維持するためのものでしたが、デフォルトなどの問題が発生しています。

中国政府は取引を規制していますが、それでも状況はまだ落ち着いていません。投資家の間では、このまま事態がさらに悪化し、世界経済に大きな影響を与えるのではないかと懸念されています。
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