なぜ銀行だけは公的資金を使って救済するの?一般企業と銀行の違い
公的資金注入で経済は安定したのか
2000年代前半はITバブルの崩壊やイラク戦争など世界的に株式市場は低迷していました。日本も例外ではなく日経平均株価は10000円を割り込み低迷していました。このころ日本の銀行は大量の不良債権の処理を迫られ、大手行が統合して何とか難局を乗り切ろうとしていた時期です。
結果的にりそな銀行に公的資金が投入された時期を底値に日経平均株価は上昇に転じ、その後の小泉郵政解散・不動産ミニバブルへと繋がっていきました。
出所)ブルームバーグ
公的資金投入を好意的に解釈するなら、①りそな銀行への公的資金投入で日本の大手銀行への資金投入は一段落し、②日本経済は最悪期を越えたという雰囲気を生み出し、③外国資本の流入を促し景気拡大へと繋がったと言えます。(この時期は外資系のハゲタカファンドが安値で日本企業を傘下に収めていく事に反発が多かった時期でした。)
逆に批判的に解釈するなら、この時期は新興国経済の飛躍的発展や米国の低金利政策により住宅バブルが生まれつつあった時期であり、世界的に経済が底打ち⇒回復期になっていた。だからりそな銀行への公的資金の投入をきっかけに日本経済や株価が反転し始めたとは言えない・・・と考えることも出来そうです。
2000年1月を100として各資産を指数化
出所)ブルームバーグ
公的資金注入をばねに企業努力を重ねたりそな
日本経済を守るためと言われれば仕方がないようにも感じますが、一般市民にとってはやはり気分的には面白くないこの公的資金注入。
2003年にりそなホールディングスに対して公的資金注入が実施されましたが、2018年の返済期限を前に完済予定が前倒しされました。
大規模なリストラや生保との資本関係強化を行った他、営業時間の延長や土曜にもローン・資金運用の相談を受付し、傘下銀行間で振り込みが24時間即着金できるサービスなどさまざまな新サービスを始めています。
りそなホールディングスは危機的状況からの公的資金注入をばねに企業の体力をUPし新規顧客の獲得にも意欲的なのです。これは公的資金注入の良い効果と言えますから、今後に注目してみたいですね。