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今話題のSKYDUCK 水陸両用の仕組みって?

2020/01/08

水陸両用の観光バス「SKY DUCK」は、東京の銀座やお台場、さらに横浜でも運行が開始されて話題になっています。一般道をバスのように走り、川へと繋がるスロープを降りてからはボートとして水上を運航するSKYDUCKの姿は、乗客として楽しめることはもちろん、周りから見ているだけでもワクワクします。

それにしても水陸両用の仕組みとは一体どのようなものなのでしょうか。技術的なポイントをチェックしながら、SKYDUCKの水陸両用の仕組みを解説します。

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水陸両用のため2台のエンジンを搭載

SKYDUCKには外側からは確認することができませんが2台のエンジンが搭載されていて、陸上を走行するためにタイヤを回転させるエンジンと、水上を航行するためにスクリューを回転させるエンジンが、それぞれ稼働する仕組みになっています。

陸上用のエンジンは路線バスなどにも搭載されている日野自動車製のJ07Eというモデル、また水上用のエンジンはいすゞマリン製造製のUM4BG1TCXという一般のボートなどにも搭載されているモデルです。

この水陸それぞれで別のエンジンを搭載している理由は、日本の道路交通法に違反しないための苦肉の策です。

日本の法律では、自動車に搭載するエンジンに対して厳しい規制が行われています。また自動車用のエンジンで船やボートを動かすことにも同じく厳しい制限があります。このため、水陸のどちらでも使用可能なエンジンを新たに開発するのではなく、2台のエンジンを搭載することによって法律面をクリアしているのです。

また、エンジンだけの問題ではなく水陸両用車両を運転するドライバーも、バス(陸上)とボート(水上)の両方を運転することができる免許が必要であるため、陸上用に大型二種免許、水上用に一級小型船舶免許を保有しています。

車体の下部に空洞を作って浮力を出している

SKYDUCKの外観を見てみると、車体の前の部分はボートと同じように先端が尖がった形状をしています。また、車体の後ろ側に周ってみると、やはりボートと同じようにスクリューが付いていることが分かります。さらにボディに覆われて見えない部分にもボートと同じ装備が付いています。

鉄の塊である船が転覆しないのは、浮力を上手く使っているからです。ボディを薄い鉄で覆い、内部を空洞にすることによって水に沈むことなく浮かべることができます。ですから、SKYDUCKのボディの下半分程度も、やはり空洞になっており水が入らない構造になっています。

車体の重量が浮力を超えてしまうとSKYDUCKが転覆してしまいますので、あの陸上で走行していたら目立つくらいの大きさのバスが浮かぶために、しっかりとした浮力の計算が行われているのです。

SKYDUCKの客室部分を覆っているのがビニールシートであるのも、安全性への配慮やメンテナンスのしやすさに加えて、車体重量を軽くする効果があります。

川から陸へと上がるため四輪駆動になっている

SKYDUCKが陸上を走るために付いているタイヤは、水の上を航行中であっても格納されずに陸上と同じ状態になっています。川から陸へと上がるスロープでは、前のタイヤが先にスロープに乗り上げ、後ろのタイヤはまだ浮かんでいる状態になるため、四輪駆動になっています。

一般的に街を走っている路線バスは後輪駆動で、さらにエンジンが後部に付いているタイプですので「RR(後方エンジン、後輪駆動)」のタイプです。一方、SKYDUCKの場合には、2台のエンジンを積んでおり、さらに四輪駆動であるため、一般の路線バスとは内部の構造が大きく異なります。

また、水に浸かった状態でもタイヤを回すためのシャフトやエンジン部分に水が入らないようにするためのパーツが組み込まれています。

SKYDUCKの水陸両用の仕組みまとめ

水陸両用のSKYDUCKは、外観を見るとバスが水の上を航行しているように見えますが、さまざまな装備や仕組みを見てみると、ボートが陸上を走っているという方が正しい表現のようです。

車両そのものはアメリカのCAMI社が製造している20年以上の歴史があるものですが、日本の道路交通法などの規制をクリアするためにエンジンを2台搭載するなどの改良が加えられています。

陸上と水上を走るためにさまざまな技術が搭載されていることは凄いですが、SKYDUCKを運転するために大型二種免許と一級小型船舶免許を取得されている運転手さんたちも凄いですね。しっかりと仕組みを理解していても、はじめてSKYDUCKを運転して川のなかへと入っていくときは怖かったでしょう。

東京や横浜の街や川を走るSKYDUCKの仕組みを解説しました。仕組みを知ってからSKYDUCKに乗ると、一層楽しめること間違いなしです。

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