オプジーボはがん保険に加入していれば使えるのでしょうか?
がんに対する治療法として注目されている、オプジーボ。
がんの治癒が期待できることから手術療法、薬物療法に次ぐ第三の標準治療法になるのではないか、と考えられていますが、非常に高額な治療費がかかるケースもあります。では、この治療費をがん保険でカバーすることは可能なのでしょうか。
オプジーボとは?その特徴と保険適用の可否について
オプジーボは、がんに対する免疫療法に用いられる薬剤です。私たちの体には「免疫」機能が備わっており体内で発生するがんを排除していますが、様々な理由によりこれを排除しきれず、がん細胞が増殖してしまう場合があります。
免疫療法ではこの免疫機能を強めることにより、がん細胞の排除を目指すのです。
オプジーボを使った治療は点滴により行われ、1回の投与と13日の間隔を1クールとし、これを何度か繰り返します。
オプジーボは保険適用可能なのか?
オプジーボは、1瓶(100ml)あたり27万8000円と、非常に高価な薬剤です(2018年時点)。
上述のようにオプジーボは繰り返し投与する必要がありますので、その治療費は年間1000万円以上にもなります。
2019年現在、下記7種類のがんについては健康保険適用でのオプジーボ治療が可能です。
・悪性黒色腫
・非小細胞肺がん
・腎細胞がん
・ホジキンリンパ腫
・頭頸部がん
・胃がん
・悪性胸膜中皮腫
これ以外は保険適用外となり、治療費を全額自己負担しなければなりません。
またこれら7種類のがんに関しても、非小細胞肺がんは二次治療からのみ、胃がんは切除不能なもののみ、というように健康保険適用で治療を受けるにはいくつかの条件を満たす必要があります。
オプジーボは先進医療なのか?
先進医療とは、厚生労働大臣によって定められる評価療養のひとつで、保険診療との併用が認められています。
先進医療を受けた場合、保険診療部分については一部負担金のみを、先進医療に係る費用についてはその全額を、患者が負担することになるのです。
オプジーボに関しては2019年現在、進行・再発した非常細胞肺がんに対する「ニボルマブ静脈内投与及びドタキセル静脈内投与の併用療法」という治療法のみ、先進医療に指定されています。
オプジーボの治療費はがん保険でカバーできるのか
がんになった場合に様々な保障を受けられるがん保険。では、がんを発症しオプジーボ治療を受ける場合、その費用をがん保険でカバーすることは可能なのでしょうか。
■がん保険により受けられる様々な保障
一般に、がん保険では、以下のような保障を受けられます。
・入院給付金……入院1日につき一定の保険金が給付される
・通院給付金……通院1日につき一定の保険金が給付される
・入院一時金……1入院につき一定の保険金が給付される
・がん診断給付金……がんと診断された場合に一定の保険金が給付される
・先進医療給付金……先進医療に係る費用の実費が給付される
がん保険だけではオプジーボの治療費をカバーしきれない!?
上述のようにオプジーボ治療は、健康保険適用となるものや先進医療に指定されているものもある反面、これに該当しない場合はその治療費の全額を自己負担しなければなりません。そしてその額は、年間で1000万円以上にもなります。
健康保険が使える場合は高額療養費制度が適用されるため、がん保険の入院給付金や通院保障などで十分対応できるでしょう。また先進医療に指定されている治療を受ける場合も、がん保険に付帯している先進医療特約で対応できます。
しかし、それ以外の治療に関しては、がん保険による保障だけでは心もとないと言わざるを得ません。がん診断給付金特約を付帯している場合もその金額は数百万円程度であることが多いため、オプジーボの治療費の全てをカバーすることは難しいのではないでしょうか。
特定疾病定期保険でがんに手厚く備えるという選択
金銭的な問題を理由に治療の選択肢を狭めたくない、という方は、「特定疾病保険」を検討してみてはいかがでしょうか。この保険では、死亡時はもちろん、がんと診断されたとき、心筋梗塞や脳梗塞になったとき、というように特定の状態になった場合に、一時金が給付されます。
例えば保険金額2000万円で特定疾病保険に加入した場合、がんと診断された時点で2000万円が給付されるのです。こういった保険に加入していれば、高額な治療にもしっかり備えられるでしょう。
今やがんは、2人に1人がかかる病気です。がんのリスクにしっかり備えたい方は、がん保険と特定疾病保険の2段構成による備えを行うのも一つの選択肢と言えるでしょう。