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アクティブ運用とパッシブ運用、結局どっちが有利なのだろうか。

2016/07/14

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パッシブ運用の伝道者 バートン・マルキール/チャールズ・エリス

パッシブ運用の歴史はあまり長くありません。世界で初めて個人投資家向けに設定されたインデックス・ファンド(バンガード500インデックス・ファンド)は1976年8月31日に設定されましたし、世界で初めて上場したといわれるETFは1990年にカナダのトロント証券取引所に上場したTIPS35です。
インデックス投信の歴史で40年、ETFは26年程で、意外に短いのです。しかし短期間の間にパッシブ運用は急速に残高を拡大していきました。

パッシブ運用の有効性を世に広く伝えたのは次の二人の功績が大きいのではないでしょうか。バートン・マルキールは金融業界に従事する者であれば、誰もが読んだことのある「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者、チャールズ・エリスはベストセラー「敗者のゲーム」の著者です。二人とも数多くの実証研究を行い、パッシブ運用の有効性を訴えてきた研究者です。
彼らの主張を本当に簡単に言ってしまえば、

・銘柄選択を有効にできる投資家はほとんどいない
・いたとしても継続してインデックスを上回ることが出来る投資家はゼロに近い
・無駄な売買手数料を払うくらいなら、コストの安いパッシブ運用をし、バイアンドホールド(持ちっ放し)したら良い

といったところだと思います。

ウォール街のアナリストが考え抜いて選んだ銘柄を買った時の運用成績と、新聞の株式欄に向けて猿にダーツを投げさせ、ダーツが当たった銘柄を選んだ場合とでは、運用成績に大差がないという考え方です。

伝説的投資家であるウォーレン・バフェットも個人投資家に対して度々パッシブ運用を推奨しています。バフェットの投資スタイルは割安株投資であり、パッシブ運用ではありません。

個別の成長性のある銘柄を選定により、バフェットはこれまで長期に渡って驚異的なリターンを上げ続けてきました。そのような投資家が個人投資家にパッシブ運用を薦める理由は何でしょうか?筆者が思うに、バフェットは素人が個別銘柄の選定をしても大差は無く、労力の無駄である、と考えているのではないでしょうか。

バフェットは投資家にS&P500という最もメジャーなインデックスと連動するETFを薦めています。これはバフェットが米国経済を信じているからです。これまで何度も米国の企業は危機を乗り越え、対応力や柔軟性が高いと考えているからです。個別銘柄ではなく、米国経済の腰の強さに投資をした方が良い、ということなのでしょう。

ところで、筆者はバートン・マルキールの「ウォール街のランダム・ウォーカー」には欠点があると考えています。ほとんどのアクティブファンドがパッシブ運用に負けるというのは事実ですが、この本にはパッシブ運用に大きく勝つ(しかも長期的に勝ち続ける)少数のファンドへの言及はほとんどありません。ごく簡単にピーター・リンチが運用していた時代の「マゼランファンド」について触れている程度です。ですからこの本を読み終えたころには「アクティブ運用=悪」と思えてきます。

チャールズ・エリスは同様にパッシブ運用を推奨した「敗者のゲーム」で有名です。それだけ聞くとアクティブ運用を否定している研究者のように思えますが、実はエリスは次章で取り上げる「キャピタル 驚異の資産運用会社」という本を執筆しています。
キャピタル社は長期に渡り優れた運用実績を上げ続ける運用会社として有名ですが、なぜそのようなことが可能なのかを、キャピタルの歴史や基本理念から始まり、現在までに試行錯誤を繰り返してきたキャピタルの運用システムから読み解こうとしています。

チャールズ・エリスはパッシブ運用の専門家ですが、そうした研究者からも高い評価を受けるアクティブ投資家は(本当に少ないですが)存在するのです。日本にも同様に、素晴らしい実績・能力・経験を持ったアクティブファンドの運用マネージャーは何人も存在します。そうした人が運用するファンドに巡り合えるならば、パッシブ運用を行う投資家には得られないリターンを実現してくれるかもしれません。

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