2017年・アジア圏の大きな政治イベント
2017年のアジアで注目される政治イベントでは、香港行政長官選挙、第19期中国共産党大会、韓国大統領選挙、タイ下院選挙が予定されています。
【香港行政長官選挙】3月26日
香港特別行政区の首長にあたる行政長官の任期は5年で、1回まで再選が可能。現在1期目となる現職の梁振英氏の再選が、今回の選挙の焦点となっています。
香港の行政長官は、1200人の限られた選挙委員が投票する間接選挙で選ばれます。2014年、これに反発する市民による民主化デモで要求された、普通選挙を求める改革案の導入は今回見送られており、資本主義に基づく経済体制、司法の独立など香港の「1国2制度」の行方を占う上でも重要な局面を迎えることになります。
【第19期中国共産党大会】秋頃予定
2017年、アジア圏の政治イベントで大きなトピックとなるのが、5年に一度開かれる中国共産党大会です。最高権力機関である現執行部メンバー7人中、習近平総書記(国家主席)と李克強首相を除く5名が年齢制限で退任すると予測され、最高指導部のポストを巡る権力争いが激しさを増しています。
2016年は幕開けから波乱の展開となった中国株式市場。GDPの減速、人民元安、国内の不動産バブルなど経済対策で大きな山場を迎える中国。今後の政策方針など最重要事項の審議が行われる中国共産党大会は、十分な注視が必要です。
【タイ総選挙】11月〜12月予定
新憲法草案の是非を問う国民投票が、賛成過半数をもって承認され、軍政から民政復帰へ大きく前進したタイ。2016年10月13日、国民の敬愛を集めてきたプミポン・アドゥンヤデート国王が崩御されたことを受け、総選挙の日程が遅れることも予測されましたが、予定通り2017年末に行われることが現地メディアにより発表されました。
人口6億人を有する巨大マーケット、ASEAN経済共同体(AEC)の中でも重要な位置を占めるタイ経済を左右する政治的安定を巡る注目の選挙となります。
【韓国大統領選挙】12月頃
韓国では、2017年末に5年に一度の大統領選挙が実施されます。「ポスト・朴槿恵(パク・クネ)大統領」を占う重要な選挙として注目された2016年4月13日の国会議員総選挙では、現与党である保守政党のセヌリ党が過半数を大きく割り込む一方、最大野党の「共に民主党」、第2野党「国民の党」が共に躍進。
現政権の掲げる「創造経済」で目立った成果の見えない中、次期政権の提示する新たな成長モデルが大きな課題となるでしょう。
まとめ
政治リスクは無くなることはありません。波乱は常に起こり得ます。しかしそれは今までも同じです。波乱に対応する柔軟性を持って世界経済・資本主義は発展してきました。
経済が停滞し続けると改革の機運が生まれ、海外から資本が流入し、その資本を活性化することで経済も株式市場も発展を遂げてきました。現在世界は低成長やマイナス金利などこれまでに直面した事の無い事態に向き合っています。しかし全ての人・国・企業が苦戦をしているわけではありません。状況の変化にうまく対応出来る人・国が新たな時代を開拓していく、という歴史はこれからも繰り返されることでしょう。関連記事:
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出所) 全てブルームバーグ
チャートの期間
NYダウ工業平均 2016/10/1~2016/11/22
それ以外 2015/1月~2016/11/22
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