数ある金融商品の中で、人気が急上昇している上場投資信託(以下、ETF)。
日々の売買ランキングを掲載しているネット証券では、個人投資家を中心に、大手金融機関の銘柄やメーカーの銘柄と並んでランクインしています。

投資信託協会の調べによると、ETFの世界の運用残高はこの5年で倍以上、直近では約370兆円の規模まで膨らんでいるとのことです。

 なぜ、ここまで個人投資家に注目されているのでしょうか。今回は、基本的なETFの説明とともに、その理由を考えていきたいと思います。

そもそもETFとは何なのか?
 まず、ETFについて簡単に説明すると、証券取引所に上場し、株価指数などの指標との連動を目指す投資信託を指します。「Exchange Traded Funds」の頭文字からETFと呼ばれています。

一般的な投資信託の場合、1日1回算出される基準価額を基に取引され、それぞれの金融機関で販売している投資信託のラインナップが異なります。

 一方、ETFの場合、上場している投資信託のため、取引価格はリアルタイムで変動し、証券会社を通じて、指値や成行注文など、上場株式と同様の方法で取引することが可能です。銀行等では取り扱っていません。同じ投資信託でも取引方法は大きく異なり、上場株式に近い性質となっています。

直近の売買代金の動向をみると、日経平均株価などの指数の2倍の値動きをする「レバレッジ型」や、逆の値動きをする「インバース型」が人気のようです。

注目されている理由
 これほどまでに個人投資家にETFが浸透した理由は、大きく分けて2つあると考えられます。

ひとつめは、低コストで手軽に分散投資ができる点にあります。ETFは、株価指数などの指数との連動を目指しており、一般的なインデックス運用を行う投資信託よりも、信託報酬などが低い場合が多く、かつ、少額から分散投資が可能となるため、重宝されているといえるでしょう。

インデックス運用は、指数の値動きに連動する投資成果を目指す運用のことを指し、パッシブ運用とも言います。反対に、対象とするベンチマークを超えるリターンを目指し、機械的でなく、ファンドマネージャーなどが調査や分析により投資銘柄を選別する運用を、アクティブ運用と言います。

 もうひとつは、政府の政策です。2014年より、経済成長およびそれに伴う株価上昇や投資促進、家計の安定的な資産形成支援などを目的に少額投資非課税制度(以下、NISA)がスタートしました。

 NISAでは、上場株式や公募株式投資信託などの配当や譲渡益が非課税となるため、金融庁の調査によれば、2015年3月時点で879万口座が開設されています。NISA口座における買付額の比率では、上場株式が31%、投資信託が66%となっており、1%のETFは少なく感じますが、買付額では、562億円と、ETFの一般化に貢献したといえます。

 なにより、多くの証券会社では、金融商品仲介を除けば上場株式を取り扱わない銀行などの金融機関と差別化を図るため、NISA口座でのETFを含む株式の買付手数料を無料化しています。その結果、今まで、インデックス運用のノーロード投資信託を購入していた個人投資家がETFに流れたと考えられます。

 そして、2013年4月以降、日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を実現するために、量的・質的金融緩和を導入しました。その量的・質的金融緩和では、長期国債の買入れだけでなく、ETFについても買入れを行うことを決定しました。日銀は14年度にETFを1兆7032億円もの巨額の買い入れを行いました。日銀のETF買入れにより、日本株の下支え期待と株価上昇の恩恵を受けるべく、個人投資家も買っているという状況です。

このように、商品として魅力があるだけでなく、現行の政府等の政策とマッチしていることから、注目されていると考えられます。


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