「AIが仕事を奪う時代が訪れる」、このような懸念をされる方もいらっしゃることでしょう。
その一方AIの導入で生産性向上や人手不足解消ができる可能性もあります。

では、AIに何ができて、何ができないのでしょうか。

今回の記事では、AIが私達の生活や仕事にどのような影響を与えるのかを、注目のAIスタートアップ企業から紐解いていきたいと思います。


世界的なAIブーム
Google DeepMind社が開発したアルファ碁が2015年に人間のプロ碁棋士を破ったことはまだ記憶に新しいと思います。
コンピュータが人間に勝つことが難しいとされる囲碁で、AIが勝利を収めたことは世界に衝撃をもたらしました。

また日本ではAIが東京大学の入試合格にチャレンジする東ロボ君が開発されました。東京大学合格は叶いませんでしたが、現在では8割の大学に合格することが可能と言われています。

このように世界中でAIが人間を上回るような能力を発揮できる時代になってきました。
こうしたAIを活用し、自動運転、医療診断、マーケティングなどの分野に活用するため、世界のAI開発企業は力を入れ続けています。


AIは具体的にどのようなことができるのか
AI活用事例は数多くありますが、今回は下記の2つを取り上げます。

1.自動車の自動運転
自動車の自動運転分野では、Googleやトヨタ自動車などが先行して取組んでいます。

自動車の自動運転にはレベル1からレベル5までの5段階に分類されており、その条件は以下の通りです。

レベル1:運転支援 自動ブレーキ、前の車について走る、車線からはみ出さない
レベル2:高速道路で遅い車がいれば自動で追い越す、合流を自分で行う
レベル3:条件付自動運転 システムの介入要求等に対しドライバーが適切に対応する
レベル4:特定の条件下で完全自動運転 
レベル5:完全自動運転

AIによる自動運転技術は、ディープラーニングという深層学習の技術を用います。カメラなどを用いたセンシング技術を活用し、AIがそれらから得た情報を元に判断し、加減速、方向転換などを行います。

Googleの姉妹企業であるWaymoは、GPSを用いながら、ハンドル操作や加減速を全てAIに任せる自動車を開発しました。
最近では砂嵐の中など悪条件下で車を走らせる実験も行っています。

自動運転技術が広まれば、バス、タクシーの運転手、宅配配達員など人手不足を解消する可能性があります。


2.ビッグデータ解析
ビッグデータとは、様々な種類の異質な大量のデータを指し、顧客の購買履歴などが該当します。
近年、IoTというモノとネットワークの繋がりにより、ネット上に多くのデータが氾濫するようになりました。

そこでAIを活用し、大量のビッグデータを解析する技術が開発されました。
AIによるビッグデータ解析により、これまで人が行っていた大量のデータ分析をAIに任せることができるようになりました。

特にメーカーなどは、このような購買履歴などのマーケティング情報を元に商品開発を行うことが多くあります。ビッグデータ解析をAIに任せることにより、マーケティング担当者の作業負荷を大幅に減らすことができます。

Web広告配信ネットワークのCANDYは、Aiの活用により、ユーザーの今の興味に寄り添う広告表示を実現できるようにしています。
Web広告は、ユーザーの検索履歴などを元に関連性の高い商品などを表示することが求められます。

CANDYでは、今閲覧しているページ内容をAIが理解し、関連性の高い広告を打ち出すことを実現しました。
CANDYのAIを用いた広告表示により、大手WEBポータルサイトの実験では3倍ものクリックレートを実現できました。


注目のAIスタートアップ企業
今注目の日本のAIスタートアップ3社を紹介します。
今後以下のようなAIスタートアップ企業の活躍により、私達の生活がどのように変わるのかも見ていきます。

1.ABEJA
ABEJAは2012年設立の会社で、ディープラーニングを軸にAIプラットフォームABEJA Platformの開発に取組んでいます。
様々な業界や顧客に応じたソリューションを提供し、これまで150社以上が活用しています。

ABEJA Platformを導入することで、来店者数や店内の滞在動態、顧客属性などの従来獲得することが難しかった店舗内データを活用でき、売上向上やコスト削減が期待できます。
小売店などでは店内に入った顧客が商品購入を見送った理由を分析することが困難でしたが、ABEJA Platformの導入でそのような課題を解決することが可能になっています。

このようにABEJAの技術を用いて、マーケティング業界が大きく変わる可能性があります。

株式会社ABEJA https://abejainc.com/ja/


2.レトリバ
レトリバは2016年設立で、プリファードインフラストラクチャーから分社化したAI開発スタートアップで、自然言語処理や機械学習を用いたAI技術が得意な企業です。
2019年7月にベンチャーキャピタルなどから、総額7.5億円の資金調達を実現しています。

コールセンターでの問い合わせに対し、同社のAnswer Finderを導入することで、オペレーターに回答候補を提示。また、Talk Summarizerを導入することで、テキスト化した通話内容をリアルタイムで要約し、作業履歴まで作成することが可能です。

コールセンターの人手不足に大きく貢献する可能性があります。

株式会社レトリバ https://retrieva.jp/


3.VAAK
VAAK(バーク)は2017年設立で、防犯カメラ映像により人の行動の分析をディープラーニングの活用で、防犯対策に活かす技術を開発しています。

特に万引き防止システムVAAKEYEは、店舗内の不審行動や万引き防止行動を自動的に検知し、知らせてくれます。
VAAKEYEは防犯カメラの映像からAIで分析し、人間の詳細行動の検知を可能とする技術を強みとしています。

2018年3月に導入されたVAAKEYEは実証実験で、77%以上の万引き被害の削減と、96%以上の万引き対策を実現しました。
なんと同年12月にはVAAKEYEにより検知した万引き犯が逮捕されました。

このようなAIによる防犯対策の実現により、すでに無人コンビニの実現に向けた実験も行われています。
特にコンビニ業界は人手不足が深刻で、営業時間を短縮するなどオーナーを悩ませているため、VAAKEYEの導入に影響は大きいといえるでしょう。

株式会社VAAK https://vaak.co/


まとめ
AIスタートアップ企業の人とAIの結末についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?
今回の記事のポイントは以下の通りです。

●自動車の運転、マーケティング、防犯対策などが人に変わりAIが主役になる時代は近い
●日本社会の課題である人手不足や生産性向上は、AIの導入で大きな課題解決策となりうる


AIが人の仕事を奪うことは確かではあるものの、人にしかできない仕事ももちろんあります。
AIはこれまでにないモノを作ることはできず、新たなアイデアや革新的な発想もありません。

そのようなAIの弱点を補うのが人間の役目ではないでしょうか?
それぞれの弱点を補いながら、日本経済のさらなる発展を実現していく必要があるといえるでしょう。



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