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ラマダンで株価が動く?2017年のラマダン時期と株式投資への影響

2017/05/30

外国人投資家の売買の時期や傾向を考慮する上では、それぞれの文化圏で強い影響力を持つ季節要素を加味する必要があります。

たとえば欧米では、クリスマス休暇やサマーバケーションのシーズンは、投資家の動きが鈍ると言われています。そしてイスラム社会では「ラマダン(断食月)にあたる時期はオイルマネーや政府系ファンドの動きが鈍り、市場が低調となる」と市場関係者の間で考えられているのです。

今回は、この「ラマダン(断食月)」をはじめとするイスラム独自の文化と株式の関連についてご紹介します。

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ラマダン(断食月)期間中は市場が低調になると言われる理由

ラマダン期間中は、妊婦、病人や10歳以下の子どもを除き、世界中のムスリム(イスラム教徒)が一斉に、日の出から日没までの間に断食(サウム)を行います。

もちろん、1ヶ月ずっと何も口にしないわけではありませんが、期間中、ムスリムは日没から1日分の食事を取ることになります。そのため投資姿勢が鈍るとの見方が多く、ラマダン中は中東資本のオイルマネーや政府系ファンドの流入が減少し、株価は横ばいから下降傾向になる傾向にあると考えられているのです。

しかし、近年の中東資本は欧米金融機関を介して間接的に投資活動を行うケースが目立つようになり、以前と比べてラマダンが株価全体に及ぼす影響は少なくなっているとも指摘されています。

2017年以降のラマダンの期間

こうした独自の習慣から「断食月」とも呼ばれるラマダンですが、正確にはイスラム社会で使われているヒジュラ暦で、「第9月」を表す言葉です。

ヒジュラ暦は月の満ち欠けを基準とした太陰暦で、太陽暦を採用している西暦からみると、毎年11日ずつ、ラマダンにあたる期間は早まります。

新月を目視で観測してからラマダンの始まりを決定する地域もあり、各国で期間は異なりますが、今後のラマダンの期間は以下が予定されています。

    • 2017年5月27日~6月25日
    • 2018年の5月16日~6月14日
    • 2019年の5月5日~6月3日
    • 2020年の4月24日~5月23日

イスラム圏の資本の動きに関わる「シャリア指数」「ハラル認証」

それでは、ラマダンの影響が強いと考えられるマーケットはあるのでしょうか。
イスラム圏の資本の動向を考慮する上で抑えておきたいキーワードが、「シャリア指数」と「ハラル認証」です。

シャリア指数
イスラム社会は、「シャリア(イスラム法)」によって厳格に日常の行動を規定しています。投資に関しても例外ではなく、ムスリムの投資家は豚肉、アルコール、ギャンブル、タバコ、ポルノ、金融などイスラム法で忌避、禁止される分野の銘柄は厳格に避け、イスラム法の規範に適合した投資先企業が選ばれます。

こうしたイスラム社会からの主な投資先となる企業を対象とした株価指数が、「シャリア指数」です。

日本のS&P/TOPIX150シャリア指数で現在公表されている範囲では、医療機器や医薬品、電化製品やハイテク産業に関連する分野の銘柄が多くを占めています。中東諸国のオイルマネーや政府系ファンドの動向を見る上では、まず抑えておきたいキーワードです。

ハラル認証
そしてもうひとつのキーワード「ハラル認証」とは、戒律で禁じられている豚肉やアルコール類などを使用していないイスラムの基準に対応した商品やサービスに付与されるマークです。

日本でも、ヤクルト<2267>、資生堂<4911>、日清食品<2897>、ゼンショーホールディングス<7550>、大正製薬ホールディングス<4581>、日本通運<9062>など多分野の企業がハラル認証を取得してイスラム圏のマーケットに参入し、拡販を目指しています。

また、2020年の東京オリンピックに向け、訪日観光客をターゲットにハラル認証を取得するホテルや外食、お土産関連の企業も増えています。

ラマダンの準備期間は買いだめ需要で消費が伸びます。また、ラマダンが明けたことを祝うレバランという習慣は暦の上では2日間ですが、長期休暇を取って旅行に行ったり、着飾ってお祭り騒ぎをしたりする人も多く、ラマダン前後はイスラム教圏の経済が活発化する傾向があります。

厳しい戒律を持つイスラム圏で、ムスリムが安心して購入できる「ハラル認証」を積極的に取得している銘柄は、ラマダン期間中前後の動向も注目です。

巨大マーケットへと進化するイスラム圏に注目

近年のイスラム教徒の人口増加はめざましく、近い将来、2020年には、世界人口の1/4を占めることになるとも試算されています。

また、中東諸国のイメージが強いムスリム人口ですが、人口2億5千万人のうち、9割近くがムスリム人口にあたるインドネシアをはじめ、およそ7割がアジア圏に集中しています。

増加する人口を背景に、さらに巨大なマーケットへと成長が見込まれるイスラム圏。ラマダンをはじめとするイスラム独自の文化は、今後の市場の動きを読み取る上でますます重要性を増すトピックとなるでしょう。

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