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ブラックマンデーに学ぶ金融危機~過去の金融危機を振り返る②

2017/05/25

ブラックマンデーは史上最大規模の世界的株価大暴落と呼ばれています。
時は1987年10月19日の月曜日の出来事でした。ニューヨーク証券取引所では未曾有の株価大暴落が起こり、暗黒の月曜日と呼ばれる様になりました。2017年はブラックマンデーから30年が経過します。しかし当時の課題は今もなお解決できていないようです。

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ブラックマンデーの影響で世界恐慌となり失業者が増えた

ブラックマンデーには様々な要因が重なり大暴落となってしまった経緯があり、かなり複雑な状態だったようです。米国だけでなく日本も経済的な影響を受けるなど、史上最大規模の世界的株価の大暴落は、いまだかつて無いくらいの金融ショックを与える事になりました。

ブラックマンデーの影響を受けた具体的な数字については過去最大規模の暴落で508ドル(22.6%)という下げ幅となり、これが原因となり世界恐慌となり失業者の数が増えたのです。以前に同じように発生した世界的な金融ショックでブラックサーズデイ(暗黒の木曜日)がありますが、このときの下落率12.8%を大きく上回ることになり、ブラックマンデーは株式史上最大の暴落となりました。

世界の金融マーケット史に残る大暴落でブラックマンデーの予兆は専門家ですらわからなかったと言われています。そのため、専門家の間では第2の「ブラックマンデー」も突然やってくる と考えられているのです。約30年前に起きた米株価大暴落 は今も多くの投資家が関心を寄せ語り継がれているのです。

日経平均株価も今までにない歴史的な大暴落

初めて世界的な規模で発生した大恐慌は1929年10月24日(木)に起きた急落で、これを期に世界は経済不振となり、銀行や企業への信頼は失われ、各国が対応に追われることになりました。ブラックマンデーの原因もこの世界大恐慌と同様の規模でニューヨーク証券から始まりました。

アメリカ以外の海外投資家ほど対応に遅れ、不信感が高まることとなり米国の経済の赤字が拡大。信頼されてきた会社の破綻が相次いだことが引き金となり、日経平均株価にも大いに影響を及ぼし、アメリカに次いで大暴落しました。

このときの日経平均株価もこれまでにない歴史的な大暴落を記録し、1987年10月20日の日経平均株価の終値は21,910円にまでストップ下げとなりました。これは前日比で3,837円も安くなり、下落率は-14.9%となります。このようなインパクトからブラックマンデーは世界中に過去最大の金融不信を招くことになったのです。

ブラックマンデーはヨーロッパやアジアにもダメージを与えた

ブラックマンデーは米国、日本のみではなくヨーロッパ、アジアにも同じようにダメージを与えます。世界中の投資家は撤退した金融市場は信頼を失い、各国でも企業破綻や証券会社の破綻が相次ぎます。負の連鎖は金融市場にとどまらず、あらゆる経済の先行きが不安定になっていきました。為替や株の大幅な下落は経済に多大な影響を与えることを改めて世界中の人が目の当たりにしたのです。

金融ショックが起き、金融市場の投資家がいちど撤退をはじめたら様々な経済に影響し、深刻化する傾向があります。ブラックマンデーはその代表例と言えるでしょう。

暴落後は2年で完全復活した

世界の金融市場や経済に多大なダメージを与えブラックマンデーですが、ニューヨークダウ市場は2年後の1989年8月には完全復活します。しかし多く専門家はブラックマンデーのような事態は今も起こりうるとの見解を示しています。さらに世界的株価暴落は投資家には予測が難しく、再びのブラックマンデーのような金融ショックが起こらないことを祈るばかりです。

ブラックマンデー当時のNYダウ

アルゴリズム取引による第2のブラックマンデーの可能性

アルゴリズム取引とはコンピューターが株価や出来高などに応じて、自動的に売買などを繰り返す仕組みのことを指します。アルゴリズム取引は株式のみでは無く、為替やあらゆる市場に導入されていますが、これが中央銀行による金融市場安定化の制御を困難にしていると言われています。

例えば価格変動が活発化すれば中央銀行が為替介入やETFなどの買い入れをすることにより、価格変動を一時的に制御させられる可能性がありますが、流動性の急激な低下を引き起こしてしまった場合、アルゴリズム取引占有率50パーセントの現在の市場においては、大暴落の原因になりかねません。

もしそうなればファンドや投資銀行に次々とダメージを与えるでしょう。現在の洗練されたアルゴリズムではブラックマンデーの様なことは起こり得ないとも言われていますが、2010年5月6日に流動性の急激な低下により、ニューヨークのダウ取引市場が数分間で1,000ドル近く暴落したこともありました。アルゴリズム取引には人間が制御できないリスクがはらんでいると言えるでしょう。

元FRB議長 アラン・グリーンスパンのメッセージ

当時のFRB議長であるアラン・グリーンスパン氏の回顧録 「波乱の時代―世界と経済のゆくえー」の第25章 未来を占う に以下の記述があります。

 


- 過去に例のない暴落(ブラック・マンデー)をどう理解すればいいのだろうか。わたしは新任のFRB議長として、市場の動きを注視していた。直前の取引日の終了時点から、10月19日の取引終了時までに、どのような新しい情報が浮上したのだろう。わたしは、何ひとつとして知らない。この日、株価は一日中、下りつづけたので、根拠のない不安の形で人間の本性があらわれ、投資家は、経済的に意味があるかどうかにもかかわらず、ポジションを解消して苦痛から逃れようとした。株価を動かすような財務情報はなかった。資産が減り続けるという不安に、耐えられなくなっただけである -


フラッシュ・ボーイズ

アルゴリズム取引が市場に及ぼす影響は拡大していると言われています。2010年5月6日にダウ工業株30種平均が数分間のうちに約9%(約1000ドル)下落する事件が起こりました。「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれるアルゴリズム取引がもたらした株価変動と言われています。米国の運用会社が出した株価指数先物への大口の売り注文をきっかけにアルゴリズム取引が反応し、下げ幅を拡大したとされています。

フラッシュ・クラッシュについてはマイケル・ルイス著「フラッシュ・ボーイズ -10億分の一秒の男たち-」が詳しく調査しています。詐欺にしか思えないような取引が合法で、泣きを見るのは個人投資家。ヘッジファンド・大手金融機関だけならまだしも取引所まで一緒になっていたなんて・・・とてもショッキングな内容でした。手法もさることながらアルゴリズム取引が相場を支配していると言っても過言ではないと思い知らされます。

アルゴリズム取引が市場で猛威を振るう時、わたしたちはグリーンスパン氏の言う「資産が減り続けるという不安」に耐えられるのでしょうか?

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※金融危機シリーズ※
パリバショックに学ぶ金融危機 ~過去の金融危機を振り返る①
アジア通貨危機に学ぶ金融危機~過去の金融危機を振り返る③
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