私たちは80歳まで仕事を続けなくてはならない時代が到来するかもしれません。人生100年の時代を生き抜くためには綿密な準備が必要になりそうです。


私たちは何歳まで生きるのでしょうか
LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略 (リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット 著)という本が話題になっています。今後は長寿化が進み私達が100歳まで生きることが当たり前の時代になるとのことです。長寿はおめでたいとことです。しかし同時に“長生きリスク”という言葉があるように、ご自身の将来に漠然とした不安をお持ちの方が多いことも事実です。
“人生100年時代には人生設計と時間の使い方を根本から見直す必要がある”と述べられています。それ次第で長寿は恩恵にもなるし厄災にもなるのでしょう。

LIFE SHIFTによると過去200年間、平均寿命は10年毎に2年以上のペースで延びてきたとのことです。いま先進国で生まれる子供は50%を上回る確率で105歳以上生きるとの予測です(1世紀以上前に生まれた子供が105歳まで生きる確率は1%に満たなかった)。
現在20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上あるとのことです。そして長寿大国日本では、2007年に日本で生まれた子供の半数は107歳まで生きるという予測だそうです。
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さらに人生100年のうちで、健康な期間も伸びています。アメリカで2万人を調べたデータによると、1984~2004年の20年で、85~89歳のアメリカ人のうち、体が不自由とされている人の割合は22%から12%に低下しました。95歳以上の人の場合もこの割合は52%から31%に減っているとのことです。そうすると人生における余暇の時間が急増しますが、私たちはどのように時間を過ごせばいいのでしょうか。


これまでの常識が変化していく
本書では“あなたが何歳だろうと、今すぐ新しい行動に踏み出し、長寿化の時代へ適応を始める必要がある”と述べられています。過去のロールモデル(生き方のお手本となる人物)があまり役に立たない時代になっているのです。これまで当たり前と考えられていたことがそうでないという事実に直面する事となるのでしょう。

例えば「仕事が変わる」。農業は1869年にはアメリカのGDPの40%近くを占めていたが、この割合は2013年には1%まで落ち込んだとのことです。同じように今ある職が存命のうちに消滅状態にもなり得るということですね。

「企業が変わる」。産業の興亡が活発になり、昔の大企業がとって変わられやすくなっています。1984年イギリスの主要株価指数FT100を構成していた100社のうち、今も構成企業にとどまっているのは30社に過ぎないとのことです。1社に何十年も安住するという考えは通用しなくなるかもしれませんね。

「労働時間が変わる」。産業革命時代には大人も子供も1日に10~16時間、週に6日働くのが標準的だったとのことです。イギリスで1日の労働時間を最大10時間に制限する法律が制定されたのは1847年のことですが、その対象になったのは女性と子供だけ。
AIやロボット化などの技術の進化に伴い、労働時間は今後も減少していくのでしょうか。仮にそうだとすると「余暇が変わる」ということになります。余暇の時間はこれまで娯楽に充てられることが多かったわけですが、今後は違った時間の過ごし方が必要になるとのことです。

余暇の時間の増加に伴い「人間関係」も変わっていくとのことです。共に過ごす時間が長くなるためパートナーとの関係は変わってきますし、友人との関わり方も変えていく必要があると述べられています。また先進国では少なくなった多世代同居の家庭が増えることも予想されます。プライバシーや世代間の衝突を避けるために核家族化が進みましたが今後は多世代が支え合うことが重要な時代になるかもしれません。

この他にも多くの課題が100年ライフの時代に向けて存在します。


長寿をリスクにしないために
冒頭で私たちは80歳まで仕事を続けなくてはならない時代が到来するかもしれないと述べました。それは60歳でリタイアし、その後40年を過ごすためには多くの資産が必要となるからです。しかし税金や物価は上昇しており、資産が貯めにくい時代になっています。そして現在は低成長・低金利の時代ですから殖やすことも難しくなっています。必要な資産額を貯められない人は「所得を増やす」「生活水準を下げる」「労働期間を延ばす」ことが求められます。

所得はすぐに増やすことは難しいでしょう。出来るとすれば副業をして所得を得る手段を増やすか、資産を運用することでしょう。生活水準を下げるのは実行するのが難しいものです。ですからどうしても労働の期間を長くする人が増えていきそうです。
長寿化に伴い国家や企業の財政負担が増加することが予想されますが、おそらく現在のシステムでは持続可能とは言えないでしょう。

本書では“100年ライフではお金の問題に適切に対処する事が不可欠だが、お金が最も重要な資源だと誤解してはならない。家族、友人関係、精神の健康、幸福などもきわめて重要な要素とされる”、 “良い人生を送りたければ、よく考えて計画を立て、金銭的要素と非金銭的要素、経済的要素と心理的要素、理性的要素と感情的要素のバランスを取ることが必要とされる” と述べられています。

では金銭的要素でファイナンシャル・アドバイザーに求められることは何でしょうか。私たちは「継続性 再現性」のある安定的な運用を行うことであると考えています。引退後の余暇の時間が長くなりますので資産運用をする期間も長期化します。しかし運用は10年程度に1度は大きな下落を経験する傾向があります。例えば1987年ブラックマンデー 1997年アジア通貨危機 2008年リーマンショックなどです。高齢になってからこのような経済危機に一喜一憂する運用を望まれる方は少ないでしょう。
そのような“相場に左右される運用手法”ではなく、安定的なリターンが継続性・再現性を持った形で実現できないかということを私たちは日々運用会社などと協業で研究しています。

100年ライフを豊かに過ごすためには人生設計の見直しが必要になります。資産運用の方法も同時に見直しをしてみてはいかがでしょうか。


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