2016年の訪日客数は2400万人超え
日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2016年に日本を訪れた外国人観光客は2403万9000人と、過去最高を記録しました。

ただ、訪日観光客数が増加する中で、訪日観光客の旅行消費(インバウンド消費)は減少傾向にあると言われています。インバウンド消費は、いまや日本経済を支える一助。とくに、少子高齢化で衰退の進む地方にとっては死活問題です。今回は、意外と知らない訪日外国人観光客によるインバウンド消費についてみていきましょう。

インバウンド消費で圧倒的な存在感を見せる中国人
観光庁のデータによると、2016年7~9月の訪日外国人旅行消費額は9717億円。前年同期(1兆9億円)に比べ2.9%減少しています。前年同期比での減少は、実に19四半期ぶりのことです。項目別に旅行消費額をみると、買物代が最大の34.5%、次いで宿泊料金28.7%、飲食費21.1%となっています。国籍・地域別に見ると、中国人の買い物代は1969億円と突出しています。中国人観光客全体の消費額は全体の約45%にあたる4398億円に達しています。

訪日外国人1人当たりの旅行支出は15万5133円で、前年同期比17.1%減。国・地域別では中国が22万8000円でトップですが、18.9%減少しています。ただし、現地通貨ベースでみると前年同期比で増加しているので、減少の背景には為替の円高傾向が影響しているとみられます。

カジノ解禁で訪日外国人の消費はどのくらい増える?
今後のインバウンド消費を喚起する上で、注目されているのが「統合型リゾート施設(IR)整備推進法案」、通称カジノ法案です。菅義偉・内閣官房長官は、観光先進国を目指し、「(中長期施策を)できることはすべてやる」と述べており、観光誘致に向けた国内のカジノ整備に意欲的です。

インバウンド消費といえば中国人の「爆買い」が注目されてきましたが、円安の一服と中国国内の規制強化などで、買い物一辺倒から食や観光などの体験型消費にシフトしつつあります。産経新聞によると、カジノを国内3カ所に整備することで、年間約9500億円の旅行消費が見込めるというアナリストの試算もあります。

ただ、政府がカジノの解禁をインバウンド消費活性化の切り札と期待する一方で、カジノ誘致に積極的な地方自治体は大阪や横浜などの都市部が多く、急務となっている地方の活性化につながらないという指摘もあります。カジノ解禁を日本全体の観光消費につなげていくには、カジノ単体だけでの消費喚起だけでなく、クルーズ船の寄港誘致と組み合わせるなど、新たな観光戦略が求められるでしょう。


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