2016年の春、クルーグマンが自身の公式ツイッターにて、安倍首相との極秘会談の議事録を暴露したことが一時話題となりました。『私が東京で言ったこと(What I said in Tokyo)』と書かれた言葉の先にリンクされるかたちで、アップされたその議事録は、ネットニュースなどにも取り上げられ、多くの方の目に留まることとなりました。


ポール・クルーグマンとは?
ポール・クルーグマン(Paul Robin Krugman)とは、アメリカの経済学者です。国際経済学に精通しており、マサチューセッツ工科大学をはじめ、さまざまな大学にて教授に就任した経歴を持っています。2000年からはニューヨーク・タイムズのコラムを担当しています。国際貿易理論における分析や考察が評価され、2008年にノーベル経済学賞も受賞しているほどです。

余談ですが、大のSFファンであることも知られており、非常に気さくに話される方でもあります。


かつては日本経済向上の取り組みに対して否定的だった
クルーグマンは2000年当時、日本のデフレ脱却のためには金融政策以外の方法が必要であるとの提言を行っています。しかし、当時の日銀はそれを受け入れない形となり、近年まで彼はそれを「間違った判断であった」と指摘しつづけていました。

クルーグマンは、かねてより日本経済の立て直しに不足しているのは、需要であると指摘しています。しかしながら、アメリカ経済がなかなか上向きにならない現状などを目の当たりにし、正しい政策判断をする事がいかに難しいかという事を実感し、当時日本の判断を批判したことを詫びる旨の発言もしています。


アベノミクスに対しては一定の評価も示しています
日本の経済政策に対しては、このように厳しい見方をしている一方で、アベノミクスの政策に対しては、一定の評価と支持を示しています。そして、軌道修正をした日銀に対しても、高く評価を示しているのです。クルーグマンは、そんな日本から世界が学ぶことは決して少なくないと考えているようです。


安倍首相へ行った提言とは?
クルーグマンは、安倍首相に対し2014年の対談において、ある提言を行っていました。その一つが、消費税率の引き上げを先送りにするということでした。政治政策として消費税率を今さらに引き上げることは、消費の妨げになると見通していたからです。クルーグマンは、安倍政権が提言に従って、引き上げを先送りにしたことに「ほっとした」とコラムで述べつつ、その行動を評価したのです。


オフレコのはずの議事録を公開して注目され・・・
さて、このようにポール・クルーグマンは、経済学者という立場から、日本へさまざまな意見を述べてきています。今回、オフレコでといわれたはずの議事録をツイッターにて公開したことで、それまで彼の名前を知らなかった方も、彼がどんな人物か気になったという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、変に注目を集める形になってしまったことは、彼にとって不本意なことであったに違いありません。

これまでの日本が、ローモデルになる可能性と期待を込めて書かれた「そして日本経済が世界の希望になる」という著書も2013年に発刊されています。ポール・クルーグマン氏に興味のある方は読んでみるのも良いかもしれませんね。



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