———最初に、キャピタル・グループの創業についてお話しいただけますか?

 創業は、1930年代の世界恐慌の時代にさかのぼります。「暗黒の木曜日」と呼ばれた1929年の株式市場の大暴落後まもなくの頃です。当時、創業者のジョナサン・ベル・ラブレスは、暴落する株価を前に、策もなく資産を失っていく個人投資家を目の当たりにし、プロによる運用の必要性を痛感し、自ら創業を決意しました。1931年の創業当初掲げた3つの原則は、今もなおキャピタルの運用担当者やアナリストの行動規範として受け継がれています。
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創業者ジョナサン・ベル・ラブレスは、1920年代に投資におけるファンダメンタルズ(経済や企業の基礎的条件)分析の基礎を築き、証券アナリストの草分けと位置づけられています。


———キャピタル・グループは、「グローバル投資の先駆者」と呼ばれますが、その背景を教えてください。

 日本株を含むグローバル市場への投資を本格的に開始したのが、1950年代です。その後間もなく、自分たちの運用成績を評価するための指標として、グローバル株式のインデックス開発に取り組み、「MSCI」の前身となる株価インデックスの算出を開始しました。「MSCI」の「CI」は、キャピタル・グループの商号のひとつ「キャピタル・インターナショナル」を表しています。今もなお、米国の投資信託市場において、国際株式型カテゴリーの会社別運用残高ランキングで第1位を維持しており、こうしたことがグローバル投資において一定の評価をいただいている背景にあります。

———資産規模は、グローバルに約157兆円にものぼるとのことですが、米国におけるファンドビジネスについてお話しください。

 米国籍ファンドの運用資産残高は、約136兆円(2016年3月末)、口座数は約5,400万口座(2014年12月末)と、多くの投資家に支持されています。運用資産残高は大きいですが、ファンド数は実質的に30数本と極めて少なく、一本あたりの資産規模が大きいのが特徴です。キャピタル・グループは、お客様に長期的に質の高い運用成果をお届けするという使命を果たすため、新しいファンドを作るよりも、既存のファンドをより良くすることに注力してきました。ファンドの規模が大きくなった場合には、信託報酬を引き下げることで、報酬控除後のリターンを向上させることができます。そのような長期的な取り組みが支持され、米国籍のアクティブ型ファンドの純資産残高ランキングで、上位10ファンド中7本をキャピタル・グループのファンドが占めています。
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———長期投資を掲げる運用会社が数多く存在するなかで、なぜ、キャピタル・グループが優れた実績をあげられているのでしょうか?

 長期にわたり良好な実績をあげるには、運用担当者個人だけに頼らず、運用会社として組織的な対応が必要と考えます。キャピタル・グループは、経営体制から、実際の運用、運用担当者の評価・報酬体系に至るまで徹頭徹尾、長期投資を実践するために作られた組織といえます。

■ 独立専業、株式非公開の経営体制
キャピタル・グループは、1931年の創業以来、資産運用ビジネスを唯一の事業とし、お客様に優れた長期運用実績を提供することだけに経営資源を集中させてきました。また、株式を非公開とすることにより、長期的視点に立った経営の意思決定がよりやりやすくなる体制としています。

■ 継続を支える「キャピタル・システム」
再現性ある実績を長期に続けるためには、組織としての「システム」の有効性と、それを着実に継続する「規律」が必要と考えています。それを実践する仕組みを私どもは「キャピタル・システム」と呼んでいます。「キャピタル・システム」は、複数のファンド・マネジャーが担当する複数のポートフォリオと、アナリストが担当するポートフォリオによって、ひとつのファンドないし運用戦略が構成されることを基本とします。それぞれの担当部分は、合議制ではなく自らの責任により運用が行われます。この「キャピタル・システム」により、合議制による責任の不明確化や、単独ファンド・マネジャー制に見られる運用成績の大きな振れと世代交代リスクなどを大幅に軽減することができます。キャピタル・グループの長期的に優れた運用実績は、天才ファンド・マネジャーの個人的なスキルによるものではなく、「システム」と「規律」によって作り上げられたものです。

■ 長期成果を重視した報酬体系
長期投資の実践には、実際に担当する運用担当者の報酬体系もそれに適したものでなければなりません。運用担当者の報酬は、1年、3年、5年、8年の運用成果を重視して決定され、長期投資を奨励する観点から、長い期間の実績に比重が置かれています。

———最近、積立投資で注目されている「キャピタル世界株式ファンド」をご紹介ください。

■ 40年を超える長期の運用実績
「キャピタル世界株式ファンド」は、40年を超える長期の実績を積み上げてきた米国籍ファンド「ニューパースペクティブ・ファンド」と同一の運用手法で運用されています。運用実績について簡単に振り返ると、このニューパースペクティブ運用に1973年3月末に100万円を投資したと仮定した場合、2016年3月末現在で約38倍の3,767万円となり、参考とする株価指数(図表2の注釈を参照)の約13倍を大きく上回っています。米国の個人投資家の老後資金や教育資金の積み立てに長く貢献してきた運用戦略の一つです。
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■ マルチナショナル企業に注目
経済のグローバル化のメリットを享受すると考える「マルチナショナル企業」に投資します。マルチナショナル企業とは、本国以外でも一定以上のビジネス基盤を持つ企業で、通貨や法規制はもちろん、会計や物流事情、文化・言語などの違いにも優れた適用力を有しています。成長段階のマルチナショナル企業、成熟段階のマルチナショナル企業の双方に投資機会を求めることにより、長期投資に適した運用を目指しています。

———米国籍の「ニューパースペクティブ・ファンド」は、約6兆円(2016年3月末)の規模に達しているようですが、これほど大きな資産規模で、効率的な運用を維持できるのでしょうか?

 主に2つの理由から効率的な運用が維持できると考えています。
1つ目の理由は、長期投資をアクティブ運用により行なうという運用のやり方そのものです。例えば、短期売買からリターンを追求する運用では、ファンド規模が大きいと、銘柄の売買時に市場インパクトとなって不用意に株価を変動させてしまう場合があります。

また、インデックス運用では運用資産が大きいと、小型株の組み入れが難しくなる場合も想定されます。キャピタル・グループでは、長期投資を志向し、ニューパースペクティブ運用を含む多くの運用戦略で、個別銘柄などへの平均的な投資期間が3年~4年となっており、売買を頻繁に行う運用とは一線を画しています。また、アクティブ運用のため、市場インデックスに追随する目的で中小型株を組み入れるといった投資は行いません。

2つ目の理由は、前述の「キャピタル・システム」です。複数の運用担当者で一つのファンドを運用するため投資アイデアの分散化が図られ、ファンド規模の影響を受けにくくなります。例えば「キャピタル世界株式ファンド」を担当する7名の運用担当者の場合、エマージング市場に造詣が深い、ヘルスケアに強い、中小型を良く知っているなど、それぞれが自分の得意分野を活かして市場平均を上回るリターンを目指しています。これら運用担当者のスキルの結集により投資機会を多くとらえ、その分散効果からファンド全体のリターンを安定させると同時に、大きな運用資産であっても運用効率の維持を容易にしています。
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———キャピタル・グループと他社との違いは、やや極端な言い方ですが、運用のみに専念してきた組織と、長期に持続可能なやり方を頑なに維持してきたということですね。直販をやらないとか、安易に新ファンドを立てないという方針も、われわれアドバイザー業務を行う事業者との折り合いもいいですね。つまり、お客様のためというベクトルで、運用者と紹介者の目線が一致します。

 まさに「すべてはお客様のために」がキャピタル・グループの社是です。
運用報酬を得る運用会社であれば利益の追求は当然のことですが、運用会社の大株主が系列の販売会社であったり、大株主は不在でも株式を上場しているため短期的な利益を追求したりする場合が少なくありません。

キャピタル・グループでは、独立した経営と資産運用専業で株式非公開という体制を維持しており、会社の運営が顧客利益と相反する可能性を小さくしています。つまり、運用会社や関連会社が売りたいものを売り込むという発想が入り込まず、「お客様のために」最良のサービスを提供することを企業努力の中心に据えることができます。ご指摘のように、IFA(金融商品仲介業)など、顧客目線で投資の助言を行う事業者の方々とはビジネス協業がやりやすいと感じています。

実は、米国では、IFAとのビジネス協働において、キャピタル・グループは圧倒的な存在となっています。キャピタル・グループが米国でIFAから高い支持をいただいている理由のひとつは、やはり直販をやらないという経営方針です。ファンドの直販機能を併せ持てば、お客様のニーズに合わないファンドを販促するリスクを排除することができません。運用会社は「システム」として長期投資を実践することに集中し、資産運用アドバイスは専門的なアドバイザーが担うことが、最終投資家の利益に適うと考えています。
キャピタル・グループの日本法人でもこうした考え方を踏襲し、長期投資にご賛同いただける販売会社やIFAの方たちと戦略的なパートナーとして長期的な関係を築いていきたいと考えています。

———最後に日本での今後の活動について教えてください。

 従来の公募投信などリテール向けビジネスについてお話しすると、積み立て投資などによる長期投資の有効性を訴え、個人の資産形成ニーズにお応えしていきたいと考えています。最近の新たな取り組みとして、ラップ口座を通じたファンドの提供やDC(確定拠出年金)向けにニューパースペクティブ運用と同じ運用を行うファンドの提供を始めています。こうした取り組みを通じて、個人の資産形成ニーズやDCなどの年金制度に向けて、質の高い運用サービスを提供していくことで、日本全体の貯蓄から投資への流れを後押しし、また、グローバル企業に対して効率的にリスクマネーを供給する主体として、日本経済、世界経済の長期的な発展にも貢献していきたいと考えています。

~IFAとして考えるアクティブ運用とパッシブ運用~
ファイナンシャルスタンダード株式会社 福田猛

私がキャピタルを知ったきっかけは、書店で「キャピタル 驚異の資産運用会社」(日経ビジネス人文庫)という一冊の書籍を見つけた事でした。
私にとって衝撃的だったことは、その書籍の著者がチャールズ・エリスだったということです。
チャールズ・エリスはベストセラー「敗者のゲーム」の作者であり、「ウォール街のランダムウォーカー」の作者であるバートン・マルキールと並ぶパッシブ運用推進論の大家として有名です。
なぜパッシブ運用を薦める投資指南書を書いているチャールズ・エリスが、アクティブファンドの運用会社の紹介をしているのか、この書籍を読む前には全く理解が出来ませんでした。

ジョージ・ソロスやウォーレン・バフェットのように個人で驚異的な運用パフォーマンスをあげる投資家の存在は理解できます。
しかし、この本を読み終えて、一人のスタープレイヤーに頼ることなく、組織として長期に渡って圧倒的なパフォーマンスを出せる運用会社が存在し得るという事を知りました。

お客様の資産を長期に渡ってお預かりするIFAにとって、一人のスタープレイヤーに依存しないキャピタル・システムは心強いものでした。
パッシブ運用にはない魅力をキャピタルの商品を通じて投資家の皆様にご案内することも、私達IFAの重要な役割だと考えております。

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【キャピタル・インターナショナル株式会社】
キャピタル・グループは、1931年の創業以来、資産運用専業を貫いてきた独立系資産運用会社です。
現在、世界各国で資産運用サービスを提供し、米国では最大級の資産規模を有する会社のひとつです。
日本法人は、1986年に設立。個人や年金などのお客様に長期的視点に立った資産運用サービスを提供しています。
http://www.capitalinternational.co.jp/
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