中国春節と株価
そもそも春節とは
春節とは中華圏の国々の旧正月のことを言い、2016年は2月8日〜2月10日の期間が該当します。
この期間になると、中華圏内の人々が世界中で動き、中国本土においても交通機関が麻痺してしまうほどの影響があります。報道等により、中国国内で電車から人が溢れかえっている様子はまさにこの春節の時期によく見られます。
中国景気が不透明な状況にあっても、中国本土の大手旅行会社の訪日ツアーの予約状況はほぼ埋まっているという状況であり、例年通り活発な動きが見られることが確実視されています。
そんな中、昨年の春節期間から注目を集めるようになった「爆買い」ですが、日本経済にとってはどの程度の影響があるのでしょうか?
観光庁の調査によると、中国人訪日客数の1人当たりの観光支出は約16万円と言われています。また訪日客数については、国別では1位となっており、円安を追い風に訪日客数が伸びている日本においても大きな恩恵をもたらしていると言えます。
一部懸念材料として、中国人旅行客が一般的に支払いに用いるカードについて、2016年1月より上限を設ける措置を行っているが、影響は軽微なものにとどまると考えます。
実際に日本の大手百貨店では、春節期間での売上げ見通しを前年同期比で見ており、2016年度も「爆買い」は継続すると思われます。
春節と株価の関係性
ここまでは、春節と日本経済の関連性についてを中心に述べてきましたが、ここからは実際に春節期間中の株価の動きや春節をきっかけに株価上昇が期待される企業を見ていきましょう。
下記チャートは2014年度と2015年度の春節期間中の1〜3月期における「日経平均株価」と春節の恩恵と受けると言われる「TOPIX業種別指数(小売り)」を比較したものです。
上記の様に春節が株価に与える影響は市場全体の側面で見ると、それほど大きいとは言えないのが現状です。しかしながら、個別企業の株価で大きく影響を受けるものがあるのは言うまでもありません。
また今後も訪日観光客数が伸びる事で、日本の消費市場における中国の存在がさらに拡大することが見込まれ、その影響は来年度以降も大きくなるのではなっていくものと予想されます。
では、次は個別銘柄でみていきましょう。
以下は代表的な爆買い関連銘柄と言われる「ラオックス」と「日経平均株価」の直近1年間のチャートです。
相場全体の影響はあるものの、中国景気の不透明感を理由に大きく値下がりしていることが分かります。
本コラムでは個別銘柄の相場観を伝えることはしませんが、春節をきっかけに株価上昇を期待する投資家も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
まとめ
前述した通り、春節期間中の日本における経済効果は高まる一方です。
その中で春節をきっかけに売上げ増を狙う企業も多く、上記のようなアノマリーを参考にすることで、新たな「春節銘柄」の発掘の一助になれば幸いです。