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富裕層への「徴税強化」?マイナンバー制度で変わる確定申告

2015/12/22

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マイナンバー制度が始まり、個人の資産を把握される可能性が

既に10月から通知が始まり、来年1月から本格運用が始まるマイナンバー
この制度は個人情報が一元化されることで行政の様々な手続きが簡素化され、その事務コストの大幅な削減が見込まれたり、国民の利便性の向上が期待されています。

例えば年金受給の際もマイナンバーを提示すれば、年金番号や雇用保険番号などが分からなくても手続きが可能になります。また、所得の過少申告や扶養控除・生活保護の適正化などが図られ、公平・公正な社会が実現すると考えられています。こういったところがマイナンバー制度の大きなメリットです。

しかしながら、個人情報が一元化されることはその漏洩やプライバシーについての問題が懸念されることでもあり、国に個人の資産を把握される可能性もあるということです。
実際、マイナンバーの適用範囲を拡大して、預金口座にも適用する「マイナンバー法改正案」が9月に国会で成立しています。つまりマイナンバーと預金口座が紐付けされるのです。この紐付けは2018年から始まり、新規口座を開く場合の申請用紙にマイナンバー記入欄を設けるとのことです。当面は任意ですが、麻生太郎財務相は2021年を目途に義務化を検討する考えを示しています。

富裕層に与える影響は小さくない

まず、前述したようにすべての人の資産はガラス張りになる可能性が高いということを意識しなくてはいけません。マイナンバーは国税局にとって税金の徴収を完璧にするための最強のツールです。導入初期はともかく、最終的に国税局は国民の資産のフローとストックの両方の情報を全て押さえるだろうとする声もあります。

富裕層は一般の人以上に税金対策に長けているので、その影響は小さくはないでしょう。それを避けるために法人税の高い日本を脱出して、シンガポールなど法人税の安い国に移住する富裕層も出てくるかもしれません。これは極端な話だとしても、自分自身の資産がどの程度正確に把握されているのかは、富裕層には特に気になるところでしょう。

そこでチェックすべきなのは、マイナポータルです。これは、行政機関が自分のマイナンバーの情報を「いつ」「どこと」やりとりしたのかを確認したり、行政機関が保有する個人に関する情報や行政機関から自分に対しての連絡等をパソコン等から確認できるように整備されています。

ただし、このマイナポータルの閲覧が可能になるのは、マイナンバー開始の1年後、2017年からとなっています。ちょっと先になりますが資産額の大きい富裕層こそ、このマイナポータルにアクセスし、自分の情報がどうなっているかを確認すべきでしょう。

確定申告の方法が変わるのは、2016年分から

マイナンバーの本格運用は2016年1月1日から始まりますので、2016年分の確定申告から。つまり2017年3月の申告分からとなります。申告書や源泉徴収票、支払調書などの税務関係書類にマイナンバーが記載され、申告書との照合がより正確に効率的に行えるようになって、税務署からすると所得の把握が容易となります。

申告者からみたマイナンバー記載による変更点は、添付書類の大幅な削減が見込まれることです。医療費控除、国民健康保険と国民年金保険の証明、そして源泉徴収票の書類添付が不要となります。事務手続きが簡略化されるので、これは歓迎したい事柄です。

マイナンバー制度が始まると、今まで各公共機関が別々に管理していたものが共通化されます。これにより、確定申告はスマート化されると言われています。一人一人がマイナンバー制度について正しく理解し、新しい確定申告の準備を進めていくことが大切です。

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