干支で占う来年の相場
2016年は申年(さるどし)
株式相場の格言によりますと、
〜辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまずき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる〜
”騒ぐ”言葉の響きだと、変動の激しい1年となりそうですが、過去60年の5回あった申年の株式市場の実績は、
【4勝1敗】
・1956年(+28%の上昇)
・1968年(+35%の上昇)
・1980年(+8%の上昇)
・1992年(▲28%の下落)
・2004年(+6%の上昇)
と、実際は期待できる年のようです。
しかし本来の十二支は、十干十二支(じっかんじゅうにし)といって、単に12種類の動物だけを意識したものではありません。
10種類の干(かん)、12種類の支(と)の組み合わせによる60通りの暦の捉え方でより詳しく見てみましょう。
2016年は、丙申【ひのえ・さる】
古代中国の陰陽五行思想において、相互に影響を及ぼし合う【木・火・土・金・水】の5つの要素のうち、『火』に属する丙と『金』に属する申の組み合わせは、実はあまり相性が良くないと考えられています。火は金を溶かしてしまうとの意味です。
ただ「文字の意味」に注目すると、このような見方もできます。
樹木の成長のサイクルをあらわす十干の10種類の文字
【甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)】の丙(へい)のもう一つの意味は、
“樹木の芽が地上に出て葉が出始める成長の始まり”
だと考えられています。では、過去120年の2回の丙申の年を見てみましょう。
1956年:当時の日本は“神武景気”と言われ、戦後復興の真っ只中。明確に戦前の水準にまで経済が回復した年でした。また国際連合に加盟し、「もはや戦後ではない」と言われたその言葉は当時の流行語になりました。
1896年:当時の米国の証券アナリストのチャールズ・ダウが、「株価はすべての事象を織り込む」というダウ理論を発表。ジョーンズらとともに会社を設立し、当時は手書きの経済レターを交付。これが後に発展。【ウォールストリート・ジャーナル】になります。また同紙に掲載されたのが、今日まで活用される「ダウ・ジョーンズ工業30種平均株価」でした。
まとめ
2016年を「良い年」か「悪い年」か、と極端に捉えるには難しい年かもしれませんが、「混沌としていた物事が固まって成長してゆく始まりの年」という1年になるかもしれません。2016年11月には、今後の世界情勢を見る上で最も重要なイベントである米国大統領選挙があります。また米国の利上げを睨み、数年間売られ続けてきた新興国株式市場にもやや明るい兆しが見え始めたことも何か転換のサインかもしれません。