診療報酬改定で初診料が5000円に!かかりつけ医の現状と課題
診療報酬改定で初診料5000円以上が義務付けられる
4月から病院や診療所など医療機関に支払う治療や薬代の値段が変わりました。厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)が2月10日、2年ごとに改定する新しい診療報酬(公定価格)を決めて厚生労働大臣に答申しました。
答申の柱となるのは2点。かかりつけ医である診療所などの紹介状を持たずに大病院を初めて受診すると、初診料とは別に5000円以上の負担を求める制度と、患者の近所の薬局にかかりつけ機能を持たせて病院前にある「門前薬局」から誘導する制度の導入です。
これまでも都心部を中心に一部の病院では、医師の紹介状がないと数千円の請求が行われていましたが、請求金額を5000円以上(歯科は3000円以上)と明確にして全国の病院に義務づけるというものです。
再診の際にも2500円(歯科は1500円)が請求されます。救急患者や難病患者らは除外されます。
診療報酬改定で初診料が義務付けられるのは240の大病院
対象は特定機能病院と呼ばれる大学病院や公立病院、赤十字病院など約240カ所。これらの大病院に軽症の患者が集中して高度医療が必要な重症患者への対応が手薄になることを防ぐ狙いがあります。
今後は具合が悪い時はまず近隣のかかりつけ医の診察を受け、医師が大病院を受診する必要があると判断すると紹介状を書き、そこで初めて患者は大病院に出向くということになるでしょう。
かかりつけ薬剤師・薬局という制度は、薬が過剰に処方されたり重複して処方されることを防ぐ狙いがあります。かかりつけ薬剤師として患者に関わることで、医師の処方に問題がある時は変更してもらうこともできるようになります。かかりつけ薬剤師・薬局に対する報酬を増やす一方で、かかりつけ機能を持たない薬局や門前薬局の報酬は引き下げます。
かかりつけ医やかかりつけ薬局の問題点
患者にはかかりつけ医が幅広い疾患を診察できる技量を備えているかを見極めたり、信頼できる薬剤師を見つけることができるかという課題が残ります。