宅配だけではない暮らしに根付いたサービス
このサービス、配達員が多機能タブレット端末を持ち、コンビニ商品を届けたり新しい注文を受け付けたりするだけではなく、電気や水道などのトラブル解決やクリーニングなど暮らし関連のサービスを計画しています。さらにこれに伴い、ローソンは新たにシニア層や主婦層を宅配スタッフとして採用し、地域の人材活用に取り組むことも検討しています。
まずは東京都世田谷区を中心とした約20店舗でサービスを開始し、2015年度中に都内約100店舗、2017年度までには全国1000店舗へサービスを拡大する予定です。ローソンの玉塚元一社長は4月7日の発表記者会見で、「ローソンと佐川急便を掛け合わせれば、変化が激しい消費者に利便性の高い新しいサービスを提供できる。御用聞きサービスで高齢者や共働き世帯の生活支援につなげたい」と語っています。
業界では、すでにセブン&アイ・ホールディングス 〈3382〉が2000年から宅配サービス「セブンミール」を始めています。セブンミールは1カ月ごとに更新されるカタログから、日替わり弁当や食料品を注文することができます。配達日の前日までに欲しい商品をネットや電話などで申し込めば、近隣のセブンイレブンの店員が自宅まで届けてくれるのです。ファミリーマート 〈8028〉も2012年から子会社のシニアライフクリエイトが展開する宅配クック123の配送網を活用した宅配サービスを展開しています。
ついに介護サービスへ進出
コンビニ業界が力を入れようとしているのは宅配だけではありません。ついには介護サービスに本格進出しました。2014年の65歳以上の人口は3,300万人に達しています。いまや4人に1人が高齢者の時代です。20年後には3人に1人が高齢者の時代がくるとも予測されています。介護を必要とする人はますます増えます。
こうしたニーズに対応するため、ローソンは埼玉県を中心に、地域密着型の幅広い介護サービスを展開しているウイズネットと提携し、4月3日に、介護拠点併設型店舗の1号店「ローソン川口末広三丁目店」(埼玉県川口市)をオープン。店舗には、ウイズネットが運営する居宅介護支援事業所が併設され、介護に関する相談を受け付ける相談室やカウンター、介護予防運動情報や自治体、地域のサークル・イベント情報などを提供するサロンスペースが設置されています。
扱う商品も従来の店舗とは異なり、シニア世代が好む菓子、日用品、雑誌・書籍や介護関連商品を、コンビニの標準的な商品に加えて販売。さらに、配食などのウイズネットの在宅サービスと連携した形で宅配サービスを提供しています。今夏には2号店をさいたま市内にオープンする予定で、2017年度末までに都市部を中心に30店舗の介護拠点併設型店舗を出す予定です。
介護サービスへの進出は、ローソンだけではなくコンビニ各社が準備中です。いま、コンビニ業界の進化が急速に進もうとしています。
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