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認知症は将来なくなるか?

2019/12/18

認知症の患者数は世界で4,400万人に達するといわれており、認知症について研究している機関は世界中に多数存在し、その総数は1,000を超えるといわれています。

日本で認知症を研究している機関として有名なのは、日本医療大学の「認知症研究所」、東北大学の「加齢医学研究所」、また大手製薬会社の「エーザイ」や「バイオジェン」です。多くの識者が研究を続けている認知症ですが、将来的には認知症予防や治療が行われるようになるのでしょうか。

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そもそも認知症とは

失語、失行、失認と認知症の症状については一般的に認識されつつありますが、認知症そのものがどういった病気であるか理解している方は少ないのではないでしょうか。

認知症は「アルツハイマー型」「血管性」「レビー小体型」に分類することが出来ます。これらは、なんらかの原因によって脳の神経細胞が減少することで脳の活動が低下し、物忘れなどが発生することが分かっています。

血管性認知症に限っては脳出血等により脳が傷つくことが原因と判明していますが、アルツハイマー型、レビー小体型では、いまだ脳の神経細胞が減少する原因を突き止めることができていません。まだ仮説が立てられているのみに留まっているのです。

認知症治療薬の失敗と成功への兆し

2019年3月、大手製薬会社である「エーザイ」や「バイオジェン」が開発を進めていたアルツハイマー型認知症の根本的治療薬の臨床試験が中止されました。

この研究は世界的に注目を集め、アルツハイマー病の原因と考えられている1つの物質を制御するというものでした。研究過程において、一定の効果の発現が期待された局面こそありましたが、最終的には十分な効果は見込めそうにはないと判断されたのです。

しかしこの研究は、脳神経細胞の減少をもたらす原因物質特定の重要性が再認識された研究として一石を投じるものとなりました。

このような研究は、日本のみならず世界各国の製薬会社で失敗を繰り返しながらも行われています。上記の実験において、認知症がある特定物質により誘因される可能性があるところまで明らかになったうえ、その特定物質を追究する段階にまで研究は進められています。現段階では根本的治療こそできませんが、対処療法として血液中の特定たんぱく質量の計測により軽度認知症を発見する技術が実用化されています。

このように世界的規模で問題視され研究が進んでいる認知症は、今後特定物質の究明が行われることで根治できる可能性があるといえるのではないでしょうか。

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