タワーマンションで節税!? 相続税対策の終焉と国税庁の動き
タワーマンションで相続税を節税できる理由
相続税対策の目的で高層のタワーマンションの高層階の部屋を購入する富裕層が目立っています。なぜタワーマンションの低層階でなく、価格が高い高層階の部屋なのでしょう。また、なぜ低層マンションではないのでしょうか。
理由①:「一戸あたりの土地の持ち分」が少ないため相続税評価額が小さくなる
マンションは当たり前ですが土地の上に建物が建っています。同じ敷地面積・価格の土地に建つタワーマンションと低層マンションの同じ広さ(専有面積)の部屋を比較すると、タワーマンションは総戸数が多くなるため一戸あたりの土地の持ち分が小さくなり、土地分の相続税評価額は小さくなります。
理由②:高層階は高値で売れる、貸し出せる
次に同じタワーマンションの同じ専有面積の部屋同士を比較すると、販売価格は高層階ほど高くなります。一方で部屋の相続税評価額は専有面積が同じなら低層階も高層階も同じです。でも売却する時や賃貸に出す時は、高層階のほうが高い値段を付けられます。
①タワーマンションは低層マンションに比べて一戸あたりの土地の持ち分が少ない。
②タワーマンションの低層階も高層階も専有面積が同じなら相続税評価額も同じだが、売る時は高層階のほうが高く売れる。
この二つの理由による資産圧縮効果(=高い節税効果)により、タワーマンションの高層階の人気が高いのです。
タワーマンションの節税が追徴課税の対象となる可能性も
国税庁は、富裕層ほど節税がしやすいという点が税負担の公平性の上で問題があると見ています。
具体的な事例は公表されていませんが、相続人が短期間に売却した場合など、売買価格と相続税評価額との間に著しい差が生じると追徴課税の対象にすると言われています。
この国税庁の姿勢は今後、さらに強化されそうです。総務省と国税庁が検討しているのは、相続税の評価額を高層階に行くほど引き上げるというもの。2018年には導入されて相続税対策術が封じられるかも知れません。