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富裕層の節税スキームは今後どうなる?不動産や海外節税への規制について解説

2023/06/12

諸外国に比べて税金が高いと言われる日本では、特に富裕層への負担が大きくなっています。
現に、「日本の富裕層は世界で一番多く税金を支払っている」と主張する専門家は少なくありません。
さらに、富裕層向けの節税スキームには次々と規制がかかり、厳しくなっているのが現状です。

この記事では、日本の税制度が富裕層に厳しいと言われている理由を解説したうえで、今後注目され得る富裕層の節税スキームについて解説します。

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日本の税制度が富裕層に厳しいと言われる理由

現行の日本の税制度は、富裕層に厳しいと言われています。
まずは、その理由から解説しましょう。

日本の税金はそもそも高い

そもそも日本の税金は諸外国に比べて高く、重税国家だと言われています。

日本の税金が高い理由の一つに、「天然資源を持たないこと」が挙げられます。
ガスや石油などの天然資源を持たない日本では輸入に頼る必要があり、自国に資源をもつ国と比べると、税金は高くなります。

さらに、日本は地震や津波といった「自然災害の多い国」でもあるため、インフラ整備に力を入れています。
道路や鉄道、ダムなどのインフラ整備には高額の費用がかかり、それらを賄うためには多額の税金が必要となるのです。

累進課税制度が導入されている

日本では累進課税制度が導入されているため、所得が増えれば増えるほど、所得税の税率は高くなります。
また、贈与税や相続税についても、対象となる財産が多いほど、高い税率で課せられます。

高額所得者ほどたくさん税金を払う仕組みになっている点も、日本の税制度が富裕層に厳しいと言われる理由です。

節税対策に対する規制が強化

富裕層への税負担が大きい日本ですが、さらに節税対策への規制も強化されてきています。

近年、富裕層向けの節税スキームを封じるべく規制が強化されたのは、以下の3つです。

 

■ タワマン節税への規制

タワマン節税は、主に相続税対策として用いられている方法です。
生前にタワーマンションを購入しておくことで、現金をそのまま相続するよりも、相続税を安くすることができます。
マンションの場合、土地の評価額は各部屋の占有面積に応じて「割り算」されます。
そのため、土地面積あたりの総戸数が多いタワーマンションは、節税対策として人気があるのです。

現行では、タワマン節税を規制する法律はありません。
しかし、国税庁では税負担の公平性の観点から、「時価が高い高層階ほど、評価額が高くなるような算出方法の導入」も検討しているようです。
一部報道によると、2024年以降の制度改正を目指し、すでに検討課題として盛り込まれていることが示唆されています。

 

■ ドローン節税への規制

2021年の夏以降に人気が高まった節税対策が、ドローン節税です。

ドローン節税とは、1機あたり10万円未満のドローンを購入した場合、購入金額を全額経費処理できるというものです。年間金額の制約はなく、例えば1機9万円のドローンを20機買えば、180万円を経費として計上できることになります。
購入したドローンは、ドローンスクールの運営会社などに一括して貸し出すことで、利益を得ることも可能です。

ただし、このドローン節税は、2022年の税制改正により使えなくなりました。
貸付用の資産(この場合はドローン)については、耐用年数に応じた期間によって減価償却することが求められるようになったのです。

 

■ 海外不動産投資への規制

かつては、海外不動産投資によって節税対策をしている富裕層も多くいました。海外不動産投資による節税の仕組みも、減価償却を利用したものです。

減価償却とは、固定資産である不動産の購入費用を耐用年数で割って経費計上する方法です。海外不動産は耐用年数が長めに設定されているので、これを日本の税制度に当てはめて計算することで、減価償却費を大きくすることが可能となっていました。
例えば、本来は数十年かけて計上しなければならない費用を4年で計上できるというようなケースもあり、大幅な節税効果を見込むことができたのです。

しかし、2020年の税制改正により、海外不動産の減価償却は認められなくなったため、この節税スキームは現在利用できません。

富裕層の節税スキームは今後どうなる?

日本では、富裕層向けの節税スキームに対する規制が次々と強化されています。何もしなければ重い税負担がのしかかってくるでしょう。

続いては、富裕層の節税スキームの今後について、考えられる対策方法をいくつか紹介します。

海外移住という選択肢

近年、富裕層に注目されているのが、海外移住という選択肢です。
日本よりも税金が安い国や地域は「タックスヘイブン(租税回避地)」と呼ばれ、個人や法人の拠点を海外に移そうと考える富裕層も少なくありません。

タックスヘイブンとして有名な国の一つが、シンガポールです。
シンガポールには、そもそも住民税や相続税がありません。また、所得税率も最大23%と日本の半分ほどの税率です。

ただし、海外移住をする場合、現地のビザを取得しなければいけません。
また、日本には外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)という制度もあるため、注意する必要があるでしょう。

節税を兼ねた資産運用を行う

富裕層向けの節税スキームが次々に潰されていくなか、新たな資産運用商品に注目する人もいます。

例えば、2024年度からスタートする新NISA制度は、保有する金融資産が多い富裕層こそ恩恵を受けやすい仕組みとなっています。

NISAといえば少額投資非課税制度としてのイメージが強く、「たいして税金対策にならない」と考えている富裕層も多いでしょう。
確かに、従来のNISA・つみたてNISAは年間の投資可能枠が少額であり、富裕層にとって魅力のある制度ではなかったと言えます。

しかし、注目すべきは2024年から始まる新NISAです。
新NISAでは、年間の投資枠が360万円に大幅に拡大され、売却時には投資枠が復活する仕組みが導入されることが決定しています。

従来以上に節税効果の高い制度として運営されるため、富裕層からの注目が高まっているのです。

新NISAについては、以下の記事で詳しく解説しています。

2024年から始まる「新NISA」とは?旧制度からの変更点、メリット・デメリットを解説

新しいNISAとつみたてNISAはどっちも併用できる!仕組みや運用のポイントを解説

富裕層の節税スキームはIFAに相談しよう

日本では、富裕層の税率が非常に高く、節税スキームに対する規制の強化も行われているため、税負担を減らすことは簡単ではありません。
富裕層の節税スキームや税金対策を兼ねた資産運用については、専門知識を有するIFAに相談し、二人三脚で取り組むことをおすすめします。

ファイナンシャルスタンダードには、富裕層向けの節税スキームや、税金対策に有効な新NISA制度について、豊富な知識を有するIFAが多数在籍しています。
無料の個別相談会は、オンライン・WEBでも受付しております。

お客様のご希望に合わせた節税対策、資産運用についてのアドバイスをさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

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