ファンドラップの「プロに任せる」とは

2015/11/13

金融機関が販売に力を入れるファンドラップ

私たちは日々多くのお客様から資産運用のご相談をお受けしています。ご相談内容は様々ですが、最近「ファンドラップ」に関するご相談が急増しています。

ファンドラップは銀行や証券会社が積極的に販売をしていて、契約すれば定期預金の金利を上乗せするキャンペーンを行っている銀行も多いです。ファンドラップの良し悪しは別にして、内容をよく理解されていないお客様がいらっしゃいます。
その中でも特にファンドラップの特徴である「プロに任せる」「一任取引」に関して勘違いをされている人が多いと実感しています。その点に関して解説したいと思います。

ファンドラップとはどんな商品?

そもそも、ファンドラップとはどのような商品なのでしょうか。
ファンドラップとは、お客様の投資方針に基づいて、金融機関と「投資一任契約」を結びます。そして金融機関が様々なファンド(投資信託)への分散投資を、お客様に代わってしてくれるものです。
具体的には次のようなプロセスをふみます。

①投資方針の確認・・・金融機関の担当者が簡易なヒアリングシートを用い、お客様のリスクに対する考え等をヒアリングします。「5年後にもし下落していたとしたら、何%くらいの下落なら許容できますか?」といった質問に回答していきます。

②運用スタイルの提案・・・お客様が回答した許容リスクに対して、金融機関が最適だと考える資産配分比率の運用スタイルを提案されます。日本株が16%、日本債券が49%、外国株式が15%・・・・といったような提案を受けます。

③投資一任契約の締結・・・提案を受けた内容で良ければ、次に金融機関と投資一任契約を締結します。

④運用スタート・・・投資一任契約に基づいて様々な投資信託に分散して運用してくれます。

⑤リバランス・・・最初に決めた配分比率(例えば日本株16%、日本債券49%、外国株式15%など)はそれぞれの資産が上昇や下落することで、ズレが生じます。例えば日本株が上昇し、外国株式が下落した場合、配分比率が日本株18%%、外国株式13%といったように当初の比率とズレることになります。それを定期的に修正して当初の配分比率になるようファンドラップ内の投資信託の売買をお客様に代わって金融機関が行います。その後もこのリバランスによる売買が定期的に行われます。

ファンドラップを契約する投資家の理由とは?

ファンドラップに投資した理由をお客様に伺うと、多くの方が以下のような内容のことを仰います。

「(プロである)金融機関に運用を任せられる」
「忙しくて普段マーケットを見ていないが、一任契約で任せられるから」
「相場のことはよく分からないけど、金融機関に売買を任せられるから」

要するに、「プロである金融機関に任せられる」ということが、購入の動機になっているようです。

反対意見も多いファンドラップ

確かに一見良さそうに見えるファンドラップですが、ファイナンシャルプランナーや評論家など資産運用のプロの中には否定的な人が多いです。
マネー雑誌などではよくファンドラップの注意点が指摘されています。よく指摘されているのは、コストが高いことです。

通常、投資信託を保有すると信託報酬という運用管理費用がかかります。ファンドラップは文字通りファンド(投資信託)を組み込んで運用しているため、同じようにこの費用がかかります。さらに、「投資一任契約」に関するフィーが、発生します。金融機関や申し込み金額によってもことなりますが、1.5%前後かかるようです。仮に信託報酬が1%だとすると、合わせて年間に2.5%費用がずっとかかることになります。それだったら、分散投資をしたバランス型の投資信託を購入した方が良いのではといった意見もあります。

ここで重要なことは、「コストが高いから良くない」「コストが安いから良い」と考えることは危険だということです。多少高いコストを払っても、それ以上の価値を提供してくれるのであれば、払う価値があるかもしれません。

「コストが高いから悪い」とは言えない。

では、ファンドラップの「価値」を考えてみましょう。多くの投資家がファンドラップを購入する動機に「(プロである)金融機関に運用を任せられる」という思いがあります。

ここでいう「任せる」とはどのようなイメージでしょうか。「金融機関が自分に代わって、売買をしてくれる」わけですから、例えば次のようなイメージを持つのではないでしょうか。

「相場が下落する時には、変動が激しい株式資産を売却して、債券投資を中心に運用してくれる」

「相場が下落する時には、現金ポジションを増やして安定運用してくれる。『休むのも投資』だからより安定した資産配分に切り替えてくれる」

もしこのようなことをしてくれるなら、相場が下落する時に自分のファンドラップの価格は下落しにくく、安心して運用を「任せられる」。多少高い手数料を払っても、価値を感じ、満足できるのではないでしょうか。

ファンドラップの価値である「任せる」とは

しかし、ファンドラップの「投資一任契約」による売買はこのようなものではありません。
「リバランス」による売買です。
リバランスとは、さきほどの説明のとおり、一定期間の間に当初定めた資産配分比率のズレをただ元に戻すために行う売買です。これは多くの投資家が連想する「売買を任せる」イメージとは大分違うのではないでしょうか。

グローバルにマネーが動く現在、配分比率を考え、分散投資するだけでは相場の大きな変動には対応できません。実際、ファンドラップで運用しても「リーマンショック」時には、他の商品と同様に下落しています。普段は分散効果があっても、相場が大きく変動する時は、各資産の相関性が高まる(同じ方向に動く)からです。

「運用を任せる」という意味を今一度考えていただき、「自分にあった運用とは何か」を理解することが重要です。

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