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「特設注意市場銘柄」と「上場廃止」ってどんな関係?

2015/10/09

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東芝の不正な会計処理

当初は「不適切」と報道されていたものの、そのうち「不正」とトーンが強まったように、東芝<6502>の会計処理を巡る問題はかなり悪質で組織ぐるみで行われていたことが明るみになってきました。簡単に言えば、有価証券報告書に順調に儲かっているかのような虚偽の記載を続けてきたのです。

しかも、こうした不正は歴代のトップによって継承され、長期間にわたって行われていたようです。
東京証券取引所は東芝の一連の不正会計が株主・投資家の信頼を損ねたとして、9120万円の上場違約金を同社から徴収することを決めました。

そして、9月15日から東芝を「特設注意市場銘柄」に指定し、投資家に対して注意を喚起しています。売買にあたっては極めて慎重な判断が必要な投資対象として、通常の銘柄とは区別されるかたちで取り扱われているのです。

「特設注意銘柄」とは?

「特設注意市場銘柄」とは、東芝のように有価証券報告書に虚偽の記載を行ったり、監査報告書で不適切な会計処理であることが指摘されていたり、上場廃止基準に抵触するのをギリギリのところで免れたりした企業のことです。いずれもコーポレートガバナンス(企業内統治)の改善が急務であると取引所が判断し、それを促す意味でも通常の銘柄と区別します。

指定を受けた企業は、それから1年後に内部管理体制確認書を取引所に提出しなければなりません。この書類の内容を審査し、着実な改善がうかがえると判断されれば、「特設注意市場銘柄」の指定が解除され、通常の取引銘柄に戻されます。

しかし、依然として改善がなされておらず、今後もその見込みがないと取引所がみなした場合や、指定から1年6カ月以内に改善の兆候が見られなかった場合は、「上場廃止」という最も重い処分が下されます。過去には、損失を隠蔽していたオリンパス<7733>
が同様の指定を受けたものの、その約半年後に解除されました。

「監理銘柄」と「整理銘柄」

一方、「特設注意市場銘柄」ではなく、「監理銘柄」に指定されるケースもあります。上場廃止基準に抵触する恐れが出てきた企業や、自ら上場廃止を申請した企業を一定期間、「監理銘柄」に位置づけて、やはり投資家に注意を喚起するのです。

その後、上場廃止基準に該当しないとの結論が出れば指定が解除され、該当するとみなされれば上場廃止となります。実際に「監理銘柄→上場廃止」の運命を辿った例としては、大株主の保有比率に関して虚偽の記載を行った西武鉄道、債務超過の事実を偽ったカネボウなどが挙げられます(※西武鉄道は2014年4月に西武ホールディングス<9024>として再上場を果たしています)。

これに対し、大王製紙<3880>も創業家出身の会長(当時)が関連企業より巨額の不正融資を受けていた事実が発覚して「監理銘柄」に指定されましたが、会長の辞任および経営の刷新などを踏まえて指定が解除され、どうにか上場を維持できました。このように、「監理銘柄」のその後の運命については、大きく2つに分かれるわけです。

その点、「整理銘柄」に指定された場合は1つの選択肢しか残されていません。上場廃止基準に抵触したり、企業側からの申請が認められたりして、上場廃止が決定した銘柄がこれに指定されます。

とはいえすぐさま取引停止に踏み切ると、その銘柄を保有していた投資家が困り果ててしまいますから、原則として1カ月間、「整理銘柄」に指定したうえで取引が継続されます。売ることはもちろん、新規に買うこともできるため、投機的なトレードを好む投資家たちがマネーゲーム的に「整理銘柄」を物色する動きもよく観測されるものの、うかつに手を出さないほうが無難でしょう。

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