中国リスクから考える3つの分散投資 〜想定外のリスクを回避するには〜

2015/10/09

「中国リスク」で揺れる世界金融市場

8~9月にかけて起きた世界同時株安の原因といえば、中国株の株価暴落による「中国リスク」の顕在化と言っていいでしょう。8月に入ってからの中国上海市場の株価指数は、連日5%前後の下落となり、世界の株式市場に大きな懸念を与えました。

とりわけ、8月の景況感を示す民間の「財新PMI(中国購買担当者指数)」が47.3と6年5か月ぶりの低水準となり、中国国家統計局が算出した「中国製造業PMI」も3年ぶりの低水準になったことから、中国経済に対して先行き警戒感が一気に広まってしまいました。

9月に入って以降、世界の株式市場は今年最大の下げを記録する市場が増え、日本でも1日には日経平均株価が一時前日比で900円を超す下げとなり、終値ベースでも724円安と年初来最安値を付けました。

ニューヨーク市場でも、ダウ平均が一時的に1000ドルを超す下げを記録するなど、リーマンショックを超す下落幅を記録。
まさに、チャイナショックと呼ばれる世界同時株安となりましたが、周知のように株式市場の暴落というのはそう珍しいものではありません。

1980年代に空前のバブルを経験した日本の株式、不動産市場は、「バブル崩壊」によって、いまだに当時の株価を回復できずにいます。1997年には「アジア通貨危機」、1998年にはヘッジファンドの「LTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)破綻」、2000年前後には「ITバブル崩壊」……、という具合に、予期しない経済危機、金融市場の波乱が訪れています。

2008年には米国の不動産市場を舞台したクレジット・デリバティブ市場での破綻が相次ぎ、最終的には100年に一度と言われる「リーマンショック」が起こりました。その翌年には、ギリシャのソブリンリスクが顕在化して「ギリシャショック」が起こります。

こうした金融市場の大きな下落や景気の急激な減速といったものは、大半の人は予想ができません。金融の専門家にとっても「想定外」とか「ブラックスワン」といった「ありえない話」として処理されます。

しかしながら、金融市場にはこうした想定外のことはよくある話で、統計学的にも「テールリスク」と呼ばれる万が一のリスクがあるとされています。

そこで、重要になってくるのが「分散投資」です。中国だけに投資していた人は、今回のチャイナショックで、ひょっとしたら取り返しのつかないダメージを負っていたかもしれません。さらに、いままでの金融危機を見ても分かるように、その舞台は世界中に散らばっています。そういう意味では「国際分散投資」が必要と言っていいでしょう。

分散投資することでリスクを回避する?

現実問題として「分散投資」するということは、どういうことなのでしょうか。そしてそのメリットとは何でしょうか。

一口に分散投資と言っても、実は大きく分けて3つあります。
たとえば「投資対象」を分散して投資する方法。金融商品というのは、どんな種類であっても何らかのリスクが必ずあります。日本人が最も安全だと考えている銀行預金も、過去に何行か経営破綻しており、預金保険では一人当たり1000万円までの元本と利息しか保証されません。

株式投資には、チャイナショックでも分かるように価格変動というリスクがあります。債券投資も、金利が上昇して価格が下落する、すぐに換金できないといった金利リスクや流動性リスクがあります。こうした様々な金融商品のリスクを分散するという意味でも、金融商品の分散が必要になります。

第2の分散投資は「投資地域」の分散です。日本国内だけに資産を集中させるのではなく、海外にも分散投資させることが求められます。海外に投資するということは、通貨の分散にもつながります。日本円だけでポートフォリオ(資産構成)を作成するのではなく、米ドルやユーロといった通貨にも分散投資しておくことが大切です。

そして、第3は「時間分散」です。時間を分散させるということは、投資期間を長くしてリスクを最小限に抑えようというものです。長期間の運用になればなるほど、時間が分散されて安定した収益が得られることになります。

メリット、デメリットを見極めて分散投資を

分散投資は、いわば資産運用の基礎中の基礎ともいえるものです。分散投資に向いている金融商品も数多くつくられており、例えばあらかじめ国内外の株式や債券、商品(貴金属)、不動産など投資対象が分散されている「投資信託」もあります。

投資信託と言ってもいろいろですが、資産の分散を意図したものには「バランス型ファンド」などがあります。さらに、最近では資産運用を投資目的やリスク許容度などに応じて設定したうえで、実際の運用は金融機関に任せる「ファンドラップ」などもあります。

こうした分散投資商品が普及して行く背景には、数年に一度の割合で金融危機が訪れる金融マーケットに、個人投資家では対応できなくなっているという現実があります。分散投資することで、リスクを抑え、さらに資金を有効活用することも可能になります。本来ならリスクを取れない資金であっても、分散投資することで一定の割合で資金を効率的に運用できるということです。

もっとも、その一方で「分散投資」だけを過大評価してしまうのも考えものです。これまで資産運用で成功する唯一の方法と言われてきた分散投資ですが、実は期待通りの運用成績を上げることができていないのも事実です。

たとえばリスクを限定するということは、リターンも限定されてしまうことになります。使い道のない資金を使って思い切ってリターンを狙いたいときは、集中投資したほうがいいかもしれません。

さらに、分散投資は非効率すぎるという考え方もあります。日本では、株価が20年間以上に渡って低迷していますが、その間、ずっと日本株に分散投資していたとしたら、結果は悲惨なものになります。世界で財を成した大富豪も大半は集中投資による成功事例です。分散投資はある一定の範囲内での資産形成には有効な方法と言えますが、その上をいく方法としては必ずしも有効とは言えず、注意が必要です。

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