大人気「毎月分配型ファンド」。「分配金」ではなく「元本の払い戻し」になっていませんか?

2015/10/07

国内における公募型投資信託(ファンド)の純資産総額は今年5月末の時点で102兆4574億円に達し、過去最高を更新し続けています。そして、その中でも群を抜く人気を誇っているのは、毎月分配型と呼ばれるカテゴリーに属するファンドです。

ファンドで期待できる収益には、基準価額(ファンドの時価)の値上がりに伴うキャピタルゲイン(売却益)と、運用によって得られた収益が定期的に受益者(ファンドの購入者)に支払われるインカムゲイン(分配金)があります。その名の通り、毎月分配型ファンドは後者(分配金)が毎月受け取れる仕組みになっています。

つまり、コンスタントに収益が入ってくるわけで、その点に魅力を感じる投資家たちから高く支持されているのです。しかし、一見すると堅実であるかのように思われる毎月分配型ファンドですが、いくつかの“落とし穴”が潜んでいることには注意すべきでしょう。

そもそも、ファンドの分配金を預貯金の利息と同じような感覚で捉えることは大きな間違いです。利息ならたくさんもらえるのに越したことがありませんが、ファンドの場合は受益者(投資家)に支払った分配金の分だけ基準価額(投資信託の価格)が下がります。

ファンドに組み入れている資産の一部を売却して分配金に充てているのですから、それに応じて純資産総額が減るのは当然のこと。1口当たりの純資産総額である基準価額もおのずと下がります。

もっと分配の回数を少なくしたり、分配金額を意図的に抑えたりしているファンドの場合、純資産総額に含まれている運用益の大半は次なる投資へと充てられます。その結果、運用益が新たな運用益を生み出すという“複利効果”が期待できるのです。

しかし、分配を頻繁に繰り返すファンドの場合ですと、いわば収益の先取りを行っているのでそれを望むのは無理なこと。前述したように分配の度には基準価額も低下することから、キャピタルゲインを追求するのには適していません。
しかも、必ずしも「分配金=運用益」ではないことにも要注意です。

投資信託の分配金には、「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があります。
普通分配金とは、投資信託の分配落ち後の基準価額が、受益者(投資家)の個別元本と比べて、同額かまたは上回っている場合に支払われる分配金のことを指し、課税対象となります。

一方、元本払戻金(特別分配金)とは、分配金落ち後の基準価額が個別元本を下回る部分の分配金を指し、これが元本の払い戻しとみなされ非課税扱いとなります。元本払戻金は、運用の成否にかかわらず純資産を取り崩して捻出されています。

実際、運用成果以上の分配金を支払っているファンドが少なくなく、そういった場合には「特別分配金(元本払戻金)」となります。

利益の還元であるはずの配当を赤字続きの企業がずっと支払い続けていると、“タコ足配当”と揶揄されることがあります。あたかも、エサが得られないタコが自分の足を食べるような行為だからです。ファンドにおいても「特別分配金(元本払戻金)」の支払いが長く継続しているものは、運用低迷によってジリ貧に陥っていると捉えたほうが無難でしょう。

そのうえ、毎月分配型ファンドはNISA(少額投資非課税制度)にあまり適していないのも難点です。にもかかわらず、現実には同制度における利用でも際立った人気を誇っているので、まだまだ勉強不足の個人投資家が少なくないと言わざるをえません。

どれだけ利益が膨らんでも、投じた資金が1人当たり年間100万円の枠内にとどまっていれば、利益に一切税金がかからないのがNISAの最大のメリットです。しかし、分配金を受け取るとその分だけ前述の非課税枠が消費されます。

自分の意思で受け取った分配金を再投資に回したとすれば、さらに枠が消費されることになります。その結果、もしも合計で100万円を突破してしまったら、超過分はNISA口座以外(一般口座もしくは特定口座)で管理され、その中で発生した収益は課税対象となるのです。

NISAは5年をメドとした長期保有を前提としたものであり、前述した“複利効果”は時間を費やせば費やすほど軽視できない大きな差を生む可能性が高まります。その意味においても、運用益が新たな運用益を生まない毎月分配型ファンドは、特にNISAにおけるベストチョイスとは言いがたいわけです。

>>購入者の7割が不満?なぜあなたの投資信託選びは失敗するのか?

損をする落とし穴をわかりやすく解説 無料 投資信託セミナー

10,000人が参加した投資信託セミナー 受付中

CLOSE