新NISAは改悪って本当?初心者が注意したい5つの落とし穴を解説
いよいよ2024年から、新NISAがスタートします。
新NISAは、これまでのNISA制度とは大きな違いがあるため、「新NISAは改悪なのでは?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、新NISAは決して改悪ではありません。
新NISAを上手に活用すれば、これまで以上に効率良く資産を増やすことができるでしょう。
この記事では、新NISAを始める前に押さえておきたい注意点や、メリットを活かす運用方法について詳しく解説します。
新NISAとは
2022年12月23日に閣議決定された「令和5年度税制改正の大綱」において、2024年以降におけるNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。
これに基づき、新しく生まれ変わるNISAが、いわゆる新NISAです。
NISAとは、「家計の安定的な資産形成の支援」と「成長資金の供給」を目的として導入された少額投資非課税制度です。
株や投資信託などへの投資で得られる配当金・分配金・譲渡益が非課税になる制度で、これまでは一般NISAとつみたてNISA、ジュニアNISAの3種類がありました。
新NISAでは、ジュニアNISAがなくなり、これまでの一般NISAにあたる「成長投資枠」とつみたてNISAにあたる「つみたて投資枠」の併用が可能になります。
それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。
【旧一般NISAと新NISAの成長投資枠の違い】
【旧つみたてNISAと新NISAのつみたて投資枠の違い】
出典:金融庁 新しいNISAのポイントよりファイナンシャルスタンダード作成
新NISAの変更点、メリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
2024年から始まる「新NISA」とは?旧制度からの変更点、メリット・デメリットを解説
新NISAの始め方については、以下の記事をぜひ参考にしてください。
新NISAの始め方、手続きの流れを分かりやすく解説
新NISAは改悪?注意したい5つの落とし穴
新NISAでは、旧NISAといくつかの変更点があります。
決して改悪ではないものの、特に初心者が新NISAを始める際には、注意したいポイントがいくつかあります。
続いては、新NISAの落とし穴とも言える5つの注意点について説明します。
投資判断が必要
新NISAは旧NISAと比較して投資の自由度が高くなります。
そのため、自分で判断しなければならないことが増えるのが特徴です。
「これまでつみたてNISAしかしてこなかった」という方も、新NISAでは成長投資枠で個別銘柄の購入も可能となります。
新NISAで初めて一括投資を行うという場合には、事前にある程度の投資知識を持っていたほうが良いでしょう。
売却タイミングの見極めが難しい
新NISAでは、非課税保有期間が無期限化されるため、売却タイミングの見極めが難しくなります。
「値上がりしているから、一度売却するべきか」「含み損だけど、損切りすべきか」など、投資を続けていると売却タイミングに迷うケースが多々想定されます。
あらかじめ、売却のタイミングの見極め方について学んでおくべきでしょう。
現行NISAからのロールオーバーはできない
新NISA口座には、現行NISA口座からのロールオーバーはできません。
そのため、新NISAでの新規買付けから投資スタートとなりますが、旧NISAで運用中の商品については、非課税保有期間終了までそのまま運用し続けることも可能です。
一部除外商品がある
新NISAの成長投資枠には、一部除外品があります。
具体的に、以下のような投資商品は、新NISA口座で買い付けることはできません。
- 整理・監理銘柄(上場株式)
- 信託期間20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- デリバティブ取引を用いた一定の投資信託
従来の一般NISAでは、上記のような投資商品も購入できていたため、従来と同じ銘柄を購入することが難しくなるケースもあるでしょう。
18歳未満は利用できない
旧NISAでは、0歳〜18歳未満までが利用できるジュニアNISA(年間投資枠80万円、非課税保有期間18歳まで)がありました。
しかし、ジュニアNISAは2023年で制度が終了することが決定しており、新NISAには、ジュニアNISAに対応する口座はありません。
成長投資枠もつみたて投資枠も18歳以上しか利用できないため、18歳未満が利用できるNISA口座はなくなります。
新NISAは改悪ではない!メリットを活かす運用方法
新NISA制度にはさまざまな変更点があるものの、決して「改悪する」というわけではありません。
そこで続いては、新NISAならではのメリットを活かす運用方法について解説します。
長期投資のプランを立てる
新NISAでは、成長投資枠もつみたて投資枠も、非課税保有期間が無期限化されます。
旧NISAのつみたてNISA以上の長期投資が可能となるので、「月にいくら積み立てるか」「どんな商品をいくら購入するか」を決めて、長期的な運用プランを立てましょう。
一般的に、短期投資よりも長期投資のほうが利益は出やすい傾向にあります。
また、長期投資であれば複利効果も得られます。
相場への理解を深める
相場にはサイクルがあり、価格が上昇しやすい「金融相場」「業績相場」と、価格が下降しやすい「逆金融相場」「逆業績相場」の4つを繰り返すと言われています。
つまり、ずっと価格が上がり続けるということもなければ、下がり続けるということもないのです。
投資をするなら、相場への理解を深めることが大切です。
評価額が下がったからといって、焦って売る必要はありません。
特に、非課税保有期間が無期限化される新NISAでは、評価額が大きく下がっても、利益が出るまで保有し続けることが可能です。
仮に価格が大きくが下がり、含み損が大きくなったとしても、焦らずに相場の回復を待つことができるでしょう。
目標を立ててシミュレーションする
新NISAは、投資枠が大幅に拡大されるため、「どのくらい投資すべきか迷っている」という方も多いでしょう。
具体的な投資額を検討する際は、「住宅資金を用意したい」「老後資金を準備したい」など、投資の目的や目標を明確にすることが大切です。
そのうえで、毎月いくら投資できるのか、目標まで何年間運用できるのか、投資額と運用期間によるシミュレーションをしてみることをおすすめします。
新NISAの改善点を活かすにはIFAに相談しよう
2024年にスタートする新NISAに、「改悪」と言われる変更点は見当たりません。
非課税保有期間が無期限化されたり、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能になったりと、さまざまな点が改善されて、旧NISA制度よりも効率良く資産形成ができるようになるでしょう。
しかし、旧NISAよりも自由度が高くなった分、ある程度の投資知識がないと迷うことも多くなるかもしれません。
新NISAの強みを活かして資産形成に役立てるなら、投資のプロに相談しながら始めるのも一つの方法です。
ファイナンシャルスタンダードに所属するIFAは、NISAに関する豊富な知識と経験を有しており、お客様の希望に沿った提案をさせていただきます。
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