日本財政が破綻する?「令和24年問題」とは
融庁が公表した報告書の「老後2,000万円問題」をご存知の方も多いかと思います。ではこの問題の背景となっている「令和24年問題」をご存知でしょうか?
実はこの令和24年問題こそ「老後2,000万円問題」の根源で、しっかりと現実を受け止める必要があるのです。そこで今回の記事では、
●令和24年問題とは?
●今からでも遅くない令和24年問題への備え
以上について解説していきます。
令和24年問題とは?
■日本の人口推計の現状
今年4月に総務省が公表した2018年10月1日現在の人口推計は、総人口は前年に比べ26万3千人の減少で、8年連続の減少という結果を発表しました。
その中でも、15歳~64歳の割合は59.7%で、1950年以降で過去最低となり、70歳以上の人口は97万9千人で全体の2割を占める結果となりました。
参考:総務省 人口推計 https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/index.html
そして人口減少と高齢化が最も顕在化した年とされるのが、令和24年(2042年)です。
年金受給が充分に受けられない可能性がある
日本の年金制度は、賦課方式と言われ、現役世代が年金受給世代を支える構造になっています。
この方式がとられている以上、現役世代が減少し年金受給世代の比率が上がると、保険料負担の増加や年金の削減が必要となります。
令和24年の少子高齢化が最も顕在化する年において、年金を受給する世代の方は、年金受給額を削減され、自分自身の金融資産を取り崩す必要が出てきました。
人口減少は経済にも様々な問題をもたらす
人口減少は年金問題だけでなく、人手不足による経済が低迷する可能性が挙げられます。
都内のコンビニや飲食店などは外国人労働者を受け入れて何とか対応していますが、今後は人手不足に対応できなくなる企業が増えてくると言われています。
また企業も日本の人口減少を見据え、国内での投資を控え内部留保を積み上げています。
財務省の2017年度の法人企業統計によると、企業の内部留保は446兆円で前年度比9.9%増えて過去最高となりました。
参考:財務省 法人企業統計 https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/h29.pdf
ちなみに金融・保険業を加えると507兆円で前年度比10.2%増え、はじめて500兆円を突破しました。
日本のGDPが約5,000兆円であるため、企業はGDPの1割を貯めこんでいる状態です。
日本の特徴である終身雇用の崩壊がささやかれ、企業も投資に消極的となるなかで、給与の上昇も期待しにくいといえるでしょう。
今からでも遅くない令和24年問題への備え
■人生100年を前提の老後の資産形成が必要
厚生労働省の平成29年の簡易生命表によると、男性は81.09歳、女性は87.26歳で、男性は0.11年、女性は0.13年前年を上回っています。
参考:厚生労働省 簡易生命表https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-02.pdf
平均寿命は男女ともに年々伸びており、このペースで伸びると2060年には男性が84.19歳、女性は90.93歳になるといわれています。
特に女性は平均で90歳を超えることから、100歳まで生きる人が珍しくなくなってきました。
このような結果を踏まえ、老後の資金が年金以外に2,000万円必要であるといわれるようになったのです。
■老後資金2,000万円を貯蓄するのは可能なのか?
それでは実際に老後資金2,000万円を貯蓄できるのか、以下の例でシミュレーションをしてみましょう。
●40歳男性(妻と子供1人の3人暮らし)
●世帯年収:500万円(夫:400万、妻:100万)
●年間貯蓄額:72万円
●運用期間:20年(40歳から60歳)
●目標貯蓄額:60歳までに2,000万円貯蓄
①貯金のみで対応(金利は無視)
⇒72万円(月6万円)×20年 = 1,440万円
貯金のみでは、目標より600万円不足してしまいます。
②つみたてNISAやiDeCoの活用でインデックス投資信託で資産運用
⇒投資信託で毎月6万円を積立て、運用利回りを4%と仮定とすると、最終積立金額は約2,200万円
参考:金融庁 資産運用シミュレーションhttps://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html
投資の力を活用することで、毎月少額の貯蓄額であっても目標金額に達することが期待できます。非課税制度を活用し、少しずつ貯蓄を始めて老後資金を準備しましょう。
まとめ
令和24年問題についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回の記事のポイントは、
●令和24年は人口減少と高齢化が最も顕在化する年
●日本の年金制度は、少子高齢化が進むにつれ老後の生活費を確保することが難しくなる
●資産運用で投資の力を活用し、資産形成を行う
でした。
現実はしっかりと受け止め、私達も今できることは何か、真剣に考える時が来ているといえるでしょう。
特に最近は投資を始めやすい環境になりつつあるので、投資の力を活用し老後の資産形成を行いましょう。