教えて投信先生!! J-REIT編

2019/06/03

J-REITの過去リターンは株式を凌駕!

投信先生:
図表3の通り、過去15年間のJ-REITとTOPIXの累積リターンを計算すると、J-REITは株式を上回るリターンを投資家に提供してきたことが分かる(配当込みベース)。J-REITは課税利益の9割以上を配当すれば法人税が免除される仕組みになっているから、稼いだ利益の大半は配当で株主還元されるんだ。図表4の通り、最近は上場企業の株主還元も拡大する傾向にあり、TOPIXの配当利回りも上昇する傾向にはあるけど、それでもTOPIXとJ-REITの配当利回りには依然として大きな差が残っているね。

(図表3)J-REITと株式の長期リターン推移(過去15年)

(Bloombergデータよりファイナンシャルスタンダード作成)

(図表4)J-REITと株式の配当利回りの推移
~J-REITと株式の配当利回り格差は概ね2%前後(過去平均)で推移~

(Bloombergデータよりファイナンシャルスタンダード作成)

横田くん:
図表3は説得力がありますね!チャート上の緑の部分(上に行くほどJ-REITがTOPIXを超過)は変動が大きいものの、傾向としては上を向いていますので、J-REITの好調ぶりが伝わってきます!
ところで、この好調な過去パフォーマンスの背景は配当利回りが理由ですか?これだけの配当利回りがあれば、投資家リターンの過半は配当利回りで確保できますからね!

投信先生:
もちろん、それもあると思うけど、やはり一番の理由は配当原資となる利益をしっかりと伸ばせていることだと思うよ(=配当自体も増加)。データが取れる2003年9月以降でJ-REITとTOPIXの利益の伸び方を比較すると、両者に大きな差は出ていない(図表5)。TOPIXとの比較では利益の変動が小さくなっており、この面からも魅力的だね。

余談だけど、TOPIXの利益成長が若干物足らないという見方も可能だね。前述した通り、J-REITは制度上利益の9割以上を配当として還元中だけど、TOPIXは4割程度に留まっている(配当+自社株買い)。利益成長がJ-REITと変わらないのなら、もっと配当を増やしてほしいという株主からの圧力が高まっても不思議ではない。実際、米国上場企業は9割近くを株主へ還元している。

余談はこれくらいにして、横田くんはなぜJ-REITの収益変動(個別REITが計上する会計利益の変動)が小さく見えるのか、その理由が分かるかな?

(図表5)J-REITとTOPIXの構成銘柄の収益状況
EBITDAは金利・税・減価償却を控除する前の利益(企業等の現金獲得力を簡便的に把握できる指標)

(Bloombergデータよりファイナンシャルスタンダード作成)

横田くん:
うーん・・・さっぱり思いつきません・・

投信先生:
これには不動産の契約の仕方が関係しているよ。
例えば、J-REITは60銘柄以上の個別REITで構成されているけど、各個別REITが保有する不動産物件を種類別に集計すると、4割程度をオフィスが占めており、J-REITの主力物件と言える。

例えば、大家さんであるJ-REITとテナントがオフィスの賃貸契約を結ぶ場合、日本では契約期間は2年で設定されることが多い(普通借家契約)。契約期間は不動産の種類によって大きく異なり、物流施設等では10年を超える契約期間が設定されるものもある。いずれにしても賃貸契約はある程度の期間で契約されるため、賃料収入も1年以下の短期間で乱高下するリスクは小さくなる。これが対株式で収益の振れ幅が小さく見える理由だよ。

横田くん:
なるほど、良く分かりました!でも大きなオフィス等でも契約期間2年というのは意外ですね。案外短いというか・・賃貸住宅などと同じですもんね。

投信先生:
非常に良い視点だね。実は日本のオフィスの契約期間2年というのは、世界比較では相当短い部類に入るんだ。例えば、欧米諸国では10年程度の契約期間となるケースが多い。でも日本の特殊事情はもっと他の部分にある。例えば、日本のオフィス賃貸契約は6か月前に大家さんに解約予告を出せば、大抵の場合ペナルティーなく解約できるけど、米国等では原則として契約期間内の解約はできないケースが多い(可能な場合でも多額のペナルティーが課される)。したがって、米国REIT等では短期的な収益の変動は更に小さくなる。この辺りの知識はREITを国際比較するときなどに参考になるかも知れないね。

≪ここまでのまとめ≫
・J-REITは投資家に株式を凌駕するリターンを提供。
・J-REITとTOPIXの各構成銘柄が稼ぐ収益の成長度合いはあまり変わらない。
・J-REITの短期的な収益変動は小さく見えるが、それは不動産の契約形態が影響している。

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