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海外で普及しているIFA(Independent Financial Advisor)の“チーム体制のサポート”とは

2018/02/23

海外で個人投資家の資産運用アドバイザーとして普及しているIFA
最近では投資家へのサポートが“チーム体制”に移行しているIFAが多いとのことでした。現地視察から見えたチーム体制の実態を解説します。

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1.IFAとは

IFAとは独立的な立場から資産運用のアドバイスを行う専門家です。日本では資産運用の相談や商品の購入先は銀行や証券会社の窓口や担当者に相談するのが一般的です。またFPなどの専門家に相談するケースもありますが、FPは実務家ではなく個別具体的な商品まで踏み込んだアドバイスをすることが出来ません。

IFAは日本では2004年からスタートした仕組みで、まだ認知度が低いのが現状です。IFAは資産運用のアドバイスから実行までをサポートすることが可能であり、個別具体的な商品のアドバイスから実務までを実行する事ができる点でFPとの違いがあります。

一方アメリカでは30年前から普及しIFAに相談する事が一般的になっています。アメリカではIFAに相談しながら、人生のライフプランの中での資産形成や資産運用について長期的な視点で相談をしながら大きな成果が出ています。日本の金融機関のように転勤などで担当者が数年おきに代わるような事がない為、長期でのアドバイスが可能になっています。

長期的な視点でIFAサービスが供給さている日本と海外において、金融資産の内訳には大きな差があります。日本は金融資産の約50%が現預金、株式や投資信託などの有価証券への投資の比率は15%であるのに対して、現預金比率が14%、有価証券比率が50%のアメリカと運用資産の比率に大きな差があります。何故こんなに資産の配分が違うのかは諸説いろいろと話はありますが、多くの日本人は資産運用に失敗していて、多くのアメリカ人は資産運用で成功しているのが大きな要因であると考えられます。

2.日本とアメリカ人の資産運用の違いとは

投資信託を購入の際に日本では誰に相談したかというアンケートで、「だれにも相談しなかった」「家族に相談した」が実に全体の80%を占め、「FPなどの専門家に相談した」は5%に過ぎません。
一方アメリカでは、相談できる独立系のIFAが数多く存在し(証券会社に所属をしている証券外務員の数よりも、IFAの数の方が多い)、日常的にアドバイスを受けながら運用をしています。

また運用の成果も日本とアメリカでは大きな差が出てきており、1995年の日本とアメリカの個人金融資産を1とすると、2015年までの20年間で、日本の個人金融資産は1.49倍、一方アメリカは3.3倍という結果になっています。

この差は何かというと、日本では勤労収入のみで資産を増やしており、アメリカは勤労収入と資産運用で金融資産を増やしたといわれています。一般的には、金融資産の内訳で有価証券比率の高いアメリカ人の方が、日本人よりも資産運用においてリスクを取っていると思われがちですが、実は独立系IFAと相談し、積立投資や目的に応じたポートフォリオの配分など長期で適切な顧客のライフプランに合わせた正しい運用をしている結果であるといえます。

一方で日本人は、金融資産に占める資産運用比率は小さいものの、長期で相談できる相手がいない為、短期的な視点で場当たり的な投資を行っている方が多く、資産運用で失敗をしている、もしくは失敗をしたという方が非常に多いのが現状です。

3.アメリカではIFAの分業が進んでいる

日本では資産形成や資産運用のアドバイスといえば、今後インドの経済発展はめまぐるしいものがあり、インド株に投資をする○○ファンドをお勧めしますといったように、具体的な相場の見通しと商品の提案を金融機関から受けることが多いのですが、アメリカ人はIFAからどのようなアドバイスを受けているのでしょうか?

アメリカではIFAの分業が進んでいます。基本的には数人のチームを組んでおり、RM(リレーションシップマネージャー)、ポートフォリオマネージャー、税理士などそれぞれの専門家がトータル的に顧客をサポートしています。

例えば、普段のちょっとした相談などはRMがヒアリングを行い、必要であれば税理士や弁護士などの専門家と共同でサポートをします。また、運用についてはポートフォリオマネージジャーと相談しながら資産配分を決めています。運用においては、マーケットを予測するのではなく、長期的に顧客の目標達成の為に有効な資産配分は何かなどを、ポートフォリオマネージャーと相談しながら資産の配分決めていくポートフォリオ運用が基本であり、日本の金融機関などで行われている提案内容とは大きくことなるといえます。

この分業制というものは、IFAだけでなく、運用会社においても徹底されています。日本では銀行や証券会社の子会社に運用会社があり、同系列の会社の商品を販売していることが多くありますが、アメリカでは商品の開発運用を行う運用会社と、販売を行う銀行や証券会社、IFAの部門とは分離されている、製販分離が明確なのも特徴です。

4.これからの日本でIFAは普及する

上記のとおり、2004年から日本でもスタートしたIFAですが、今後は大きく拡大することが見込まれています。

現在のマイナス金利の時代に、資産形成や資産運用は以前にもまして重要になっています。金融業界は、金融庁の森長官の号令のもと、大きな改革がなされNISAや積立NISA、iDeCoなどの新しい制度が整備され、一般の方にとっても投資が身近なものになっていきました。

そんな中、よりライフプランに沿った長期的な運用をすることが求められるこの時代において、IFA存在意義が大きくなることが予想されます。
海外がそうであったように、金融業界は大きく変革を求められており、その一役を担う存在として、IFAに注目してみてはいかがでしょうか。

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