アフリカ最大の産油国 ナイジェリア経済の実態と将来性
アフリカ最大の経済国であるナイジェリアは、原油の輸出、埋蔵量で世界のトップ10入りを果たしており、経済の発展が期待されている国です。人口も多いことから、今後の有望国として世界の国々から注目を集めており、各国の企業から直接的な投資を受けています。
原油産出量、埋蔵量ともに最大規模を有するナイジェリアの現状
ナイジェリアは、アフリカ大陸最大の産油国であり、経済大国でもあります。原油の産出量、埋蔵量ともに世界のトップ10に食い込んでいます。人口はアフリカ最大で1億8000万人、国土面積は日本の約2.5倍です。
しかし、社会情勢は不安定で政治的な腐敗が蔓延しており、国民の7割が貧困に苦しんでいるという状況です。
近年では、原油相場の急落が国を弱らせ、街中でもその影響が表れ始めています。数か月にも及ぶ原油収入減の影響で、政府がドルをため込んだため、国内のドル不足が加速。裕福層から貧困層までさまざまな人たちが打撃を受け、2014年原油価格が下落基調になってからは国内の株式相場は2016年3月までに約40%近く下落しています。
ナイジェリアの問題と課題
原油価格依存の構造からの脱却が最大の課題
世界銀行は、ナイジェリアの2015年の経済成長率が、前年の6.3%から2.8%に大幅に低下したことを発表しています。2015年から勢い付いた原油価格の下落は、輸出の95%、歳入の80%を原油収入に依存しているナイジェリアの経済事情を悪化させています。今後も原油価格の動向が、彼らの運命を左右するでしょう。
政府の統治体制の確立も課題
ナイジェリアをはじめ、エチオピアやアンゴラなど2000年代に入り資源価格が上昇したことをきっかけに自立的な経済成長が始まった国では、行政や立法、司法が未成熟であり、個人の財産権が充分に保障されていません。
国民は、外国人誘拐など非合法な手段で生活の向上を図るなど、腐敗が横行しています。これらが国の成長を阻害する要因となっています。原油価格依存からの脱却とともに、政府の統治体制を確立することが、ナイジェリア政府が行う最優先課題だと言えるでしょう。
ナイジェリア経済の牽引役として都市部の若者に投資が集まる
さまざまな課題を抱えているナイジェリアですが、明るいニュースもあります。それは、国内の多くの若年層が都市部に流入し始めていることです。今後彼らが仕事と収入を得て、消費を生み出していく可能性がある上、携帯電話が普及するなど、市場も育ち始めています。
そして、そんな若い人達に目を付けた世界各国の企業は、次々と直接投資を始めています。こういった動きを受けて、国内産業が発展していくことが期待されます。雇用を創り出す製造業や、近代農業などが発展することが、今後の経済成長のポイントになるでしょう。
現在では、原油価格の影響を受け、経済成長率が低迷しているナイジェリアですが、一方で世界の企業が今後の成長に目を付け直接投資を始めています。政府機能がいかに向上し、原油価格依存の構造から脱却できるかどうかが、今後の発展を左右すると言えるでしょう。
少数の企業が大きく指数に影響するナイジェリア全株指数
ナイジェリア全株指数は1984年に算出開始されたナイジェリアの総合株価指数です。普通株のみを対象にしており、1984年1月を100として取引日ごとに計算されています。
2016年9月30日現在 構成銘柄は171銘柄 ブルームバーグではPERは14.37倍 配当利回りは4.23%と表記されています。
構成ウェート1位はダンゴート・セメント。構成比率を1社で31.96%占めています。ウェート2位はナイジェリアン・ビリュワリーズという会社でウェートは12.01%です。
少数の企業の株価動向が大きく指数に左右する状態です。
値動きも大きいため注意が必要です。米国市場であればグローバルX MSCIナイジェリアETFという米国籍のETFも存在します。