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CTA(Commodity Trading Advisor)とは?ロボットが拓く投資の未来

2016/08/14

CTAは、収益主義として知られるヘッジファンドです。
投資家のタイプと資金力を数値化し、最適な銘柄をはじき出すプログラムを駆使した運用を得意とします。1日2兆ドルを運用しているともいわれる巨大組織で、世界経済にとっても決して軽視できない存在です。

CTAは機関投資家だけの運用手法ではなく、日本にも複数存在します。例えばMHAM社の運用するCTAファンドが、リーマンショック時にプラス運用を維持し話題になりました。不況期に強く、従来の株式や債券の運用とは別の値動きをするため、資産の一部をCTAに振り向けるプロの投資家は増える一方です。

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CTA(Commodity Trading Advisor)とは

日本語で「商品投資顧問」「商品取引アドバイザー」と訳されるCTAは、ヘッジファンドの一種です。投資家や富裕層を中心とした顧客を持ちますので、運用額と収益の大きさが特徴です。

「商品」という言葉が付きますが、CTAは、現物株式・為替・指数先物・債券など全ジャンルの銘柄を扱います。数日から2~3ヶ月の短期間での収益を見込むため、時にレバレッジをかけた大胆な運用に出ることもあります。

むかしはCTAといえば運用担当者が将来の商品需給を予測して投資する「裁量型」という手法が主流でしたが、その後はプログラムを事前にシステム化し、相場の流れに乗って利益を出す「システム型」が主流となりました。いわゆるトレンドフォロー戦略です。

現在ではAI(人工知能)を利用し、A銘柄(またはA市場)とB銘柄(またはB市場)の関連性などを自ら学んでいき投資に活かすことまで可能となっています。従来のシステム型は決められた事以上の事には対応できませんでしたが、AIは自ら失敗から学ぶことが出来るようになっています。

CTAは買いだけでなく売り手法も取る

取引手法の特徴として、売りと買いを両方行うのもCTAの特徴です。ボラディリティに影響を与え自らチャンスメイクするような運用も得意で、リターンを第1とする点も多くの投資家に支持される理由の1つです。

ここ数10年のCTAは、国際的な通貨危機などの緊急事態の影で収益を爆発的に増やしてきたことから“暗躍”のイメージが定着しています。実際、90年代後半のアジア通貨危機では、事態を悪化させ世界へと波及させたとして名を馳せました。現在、1日の運用額は1~2兆ドルにものぼり、世界経済にとって軽視できない存在にまで成長しています。

英国調査会社プレキンによると2015年初~2016年3月までに383億ドルの資金がCTAに流れ込みました。昨今ヘッジファンドが資金集めに苦労しているのとは随分状況が違うようです。

数値のみで判断する投資プログラムがCTAの最大の特徴

元大学の数学教授ジェームズ・シモンズ氏が創立したCTA、「ルネサンステクノロジー」は金融関係者を一切雇わないことで知られています。数学者や統計学者、プログラマーで構成された集団で、顧客の年齢・収入・リスク指向性などをすべて数値で管理するプログラムを作成しました。

1992年のポンド危機に、ジョージ・ソロス率いる「クォンタム・ファンド」の次にポンドを売ったとも言われる「ルネサンステクノロジー」。一連の事件を通し、経済のファンダメンタルズを考慮せずとも高い運用益が出せることを世界に示しました。株価の長期の動向は企業業績で決まりますが、5分後の株価に業績は関係ない、という考え方です。

2016年7月29日後場の寄り付き前に日経平均先物の価格が数分間急落しました。真意は定かではありませんが、一部では発表された無関係なニュースにCTAが反応して日経先物に大量の売り注文を出した誤発注だったと言われており、CTAの負の影響にも目を配らなくてはいけません。

ロボットが市場介入する新時代へ

CTAが金融界で成功をおさめるほど、市場のロボットへの信頼は増すばかりです。膨大なデータを記憶し、解析することにおいて、人間に歩はありません。ロジック上最善の選択が、最高の収益につながる投資の世界において、ロボット化は当然の流れと言えます。

日本の投資家にとっては、「人間でないからこそ、すすめられた銘柄を素直に買おうと思える」といった心理も働いています。やり手の投資アドバイザーへ相談したとしても、相手が人間であれば「自社にメリットがあるからこの銘柄をすすめるのでは?」といった憶測を招きます。ロボットであれば、そのような懐疑も必要なく、スムーズな取引が可能になると見込まれます。

逆に大切な退職金の運用を、ロボットを100%信じて任せてしまってもいいのか、という意見もあります。

収益主義の運用で知られるヘッジファンドの1つに、CTAがあります。独自の投資プログラムを駆使した運用は、確実に利益が出ると投資家からの信頼も厚い組織です。CTAの成功により、世界的に投資のロボット化が進むと見られています。

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