オリンピックが経済的に大きなイベントであることは疑う余地はありません。
1964年に開催された東京五輪は、日本の高度経済成長時代を推進する原動力となりました。
2020年の東京五輪は日本経済にどのような影響を与えるのでしょうか。
過去の五輪開催国のケースなどを参考に、検証してみましょう。
(当コラムは2016年2月に掲載した記事を加筆し、2017年7月に再掲載しております)


東京五輪の経済効果は3兆円?株はどうなる?
オリンピックといえば、スポーツ施設をはじめ道路や鉄道などのインフラ整備、外国人観光客のための宿泊施設建設などなど、数多くの先行投資を余儀なくされます。企業は設備投資を活発にして、外国からも投資マネーが入ってくることになります。

企業業績は上昇し、株価も上がります。実際に、東京五輪開催が決定した2013年9月8日直後から日経平均株価は上昇基調となり、しばらくは株式市場も大いに沸きました。

そもそも東京五輪の経済効果は、東京オリンピック・パラリンピック委員会が2012年に発表した数字によると2兆9600億円で、15万人の雇用創出効果があると試算しています。

二次的な波及効果として新規雇用者の所得増などを含めると、総額は5兆円に達すると言われていますが、日本のGDPは年間約490兆円(2014年度、名目)ですから、5兆円という経済規模効果が微々たるものであることが分かるはずです。

実際、少なくとも先進国でのオリンピックはその国の経済成長率を大きく上昇させることは少なく、株価も一本調子で上昇するといった現象はほとんど起きていません。


順調だったのはオーストラリアのみ?
実際に、2000年以降のオリンピック開催国の株価の推移を見てみましょう。株価や経済がどう動いたのでしょうか。過去のケースを見れば、東京五輪の今後が分かるかもしれません。

<2000年 シドニー(オーストラリア)>
1993年9月に開催地として決定して以降、オーストラリア(以下、豪)の株価指数は順調に上昇トレンドを描きました。開催決定時2000ポイント前後だった「ASX全普通株指数」も、開催時の2000年9月には3200ポイント前後まで上昇。五輪終了後もしばらくは上昇を続け、豪経済全体の成長に貢献したと言っていいでしょう。
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