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債券投資家が注目する「CDS」を改めて理解する

2023/06/22

SVB(シリコンバレー銀行)が破綻し、FRBの金融引き締めの影響から金融不安の拡大を懸念する人もいるのではないでしょうか?
今回の金融不安はリーマン・ショック級の金融危機とよく比較されますが、今回の金融不安はさらなる危機に拡大していくのでしょうか?
それらを知る上で、再度リーマン・ショックと、リーマン・ショックを引き起こすきっかけとなった「CDS(クレジットデフォルトスワップ)」についておさらいしていきます。

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今なぜリーマン・ショックがまた話題になっているのか?

2023年3月10日SVB(シリコンバレー銀行)の破綻をきっかけに、急速なFRBの金融引き締め政策がついに金融危機を招いたか?そのような懸念が一時的に広がりました。
金融不安は欧米のクレディスイスにまで飛び火しましたが、UBSによる買収が決まり、大規模な破綻や、破綻の連鎖は一旦収束しているかに思われます。

果たして今回の金融不安は、「リーマン・ショック級」に匹敵するのでしょうか?それを知る上で、「リーマン・ショックとは何か?」リーマン・ショック引き金となった「CDSとは何か?」について解説します。

リーマン・ショックのきっかけとなったサブプライムローン

サブプライムローンとは、低所得者向けローンのことを言います。

当時アメリカ好景気で住宅ブームに沸いており、住宅価格は将来も上昇し続けると思われていました。
こうした中、本来は住宅を購入するのが難しい低所得者でさえも、将来住宅の担保価値が上昇することでサブプライムローンから優遇金利(プライムローン)に借り換えができることを売り文句に、住宅を購入することができていたのです。

しかし住宅ブームが終焉を迎え、住宅価格が下落。サブプライムローンからプライムローンに借り換えができなくなり、返済が困難になる低所得者が急増していきました。

事態を悪化させた「CDS(クレジットデフォルトスワップ)」とは?

クレジットデフォルトスワップ(以降、CDS)とは、企業の債務不履行に伴うリスクを対象とした金融派生商品のことです。例えば金融機関Aが、企業Bに融資をしていたとします。

金融機関Aは、企業Bが倒産して融資した金額が回収不能になるリスクを避けるため、金融機関Cから企業Bが破綻したらAの債権は全額補償されるという内容のCDSを購入。このCDSを購入していれば実際企業Bが破綻した場合でも、金融機関Aは金融機関Cから融資した金額が支払われるという流れです。

サブプライムローンを貸し出していた金融機関は、ローンの債権を証券会社に売却。さらに証券会社は債権を細分化して他の債権や社債などと組み合わせ、CDSとして多くのヘッジファンドや投資銀行などに販売していきました。

しかしサブプライムローンの返済が困難になる人が続出し、CDSを積極的に販売していたリーマン・ブラザーズは経営が悪化。
さらに債権がデフォルトとなれば、CDSの売り手は買い手に対して補償金を支払わなければなりません。

最終的にリーマン・ブラザーズはCDSの補償金を支払うことができず、約負債総額6,000億ドルという過去にない規模の経営破綻となりました。さらにCDSの補償金が支払われないという疑心暗鬼が市場に広まり、市場の安定を大きく損ねてしまいました。

SVBに端を発した金融不安はリーマン・ショックの再来となるか?

今後FRBの急速な引き締めにより、企業の資金需要が減少し、2023年から2024年にかけて欧米からゆっくりと景気が減速していくでしょう。
そのため金融機関の経営悪化や破綻は今後も起こりうると考えます。

またSVBの破綻はSNSの拡散で瞬時に銀行の資金流出を招いたという怖さもあります。まだ大規模な金融危機に発展はしていませんが、依然リーマン・ショック級の危機に発展する可能性はあり、警戒すべきと言えるでしょう。

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