なぜ12月のIPO(新規上場)が多いのか その理由を徹底解説
IPO銘柄は成長性の高い企業が多く、購入すれば初値が高騰して大きな利益を得られる可能性があるため、好んで購入している投資家もいるでしょう。
特に12月はIPO社数が多いと言われており、IPO狙いの投資家はチェックしておきたいところですが、注意点もあります。
この記事では、12月のIPOがなぜ多いのかその理由を解説するとともに、IPO銘柄への投資で成功するポイントについて解説しています。
12月は本当にIPO(新規上場)が多い
1年間のIPO社数に対する、12月単月のIPO社数の割合は、2022年が27.5%、2021年が25.6%、2020年が27.9%となっています。
このことから、12月は年間でもIPO社数が多い傾向にあることが分かります。
なぜ12月のIPO社数が多いのか?
企業が新規上場する際、直近四半期の決算を締めてからおおよそ1ヶ月程度で決算を確定。
その後、株主総会を開催、上場申請、証券取引所の審査を経て、ようやく新規上場となり、このプロセスにはおおよそ3ヶ月程度の期間を要します。
四半期決算は3の倍数の月(3月、6月、9月、12月)になるため、そこから新規上場まで3ヶ月程度かかるとなると、結果的に新規上場も3の倍数の月になるのです。
中でも12月上場が多いのは、節目として年内に上場したいという企業の思惑が働くためと考えられます。
12月のIPO銘柄に投資をするメリット
12月はIPO社数が多いことを知っていれば、12月に備えて資金を準備しておくことができるでしょう。
またIPO狙いの投資家も増えていることから、当選確率は低下傾向にありますが、IPO社数が多い12月であれば、各投資家の需要も分散し、当選確率が高まることが期待できます。
12月のIPO銘柄に投資をする注意点
IPOは成長が見込める企業であるという期待値が高いため、公募価格よりも初値が大きく上回る傾向があります。
しかし12月はIPO社数が多いことから、投資家の注目や資金が分散してしまい、他の月のIPOよりも初値が大きくならない、あるいは公募価格割れをする確率が若干高い傾向があります。
またIPOの中には創業者利得を得る目的で上場する企業もあり、上場後、株価が下落する可能性があることも考慮しておく必要があるでしょう。
12月のIPO銘柄で成功するポイント
12月のIPO銘柄で成功するために、IPO銘柄の以下の3点をチェックしましょう。
・事業内容や業績
単純にIPO銘柄だからという理由で購入するのではなく、成長が期待できる事業を行っているか?売上高は伸びているかはチェックしておきましょう。また赤字上場となったときのIPO銘柄も、厳しい結果になる傾向にあるため注意が必要です。
・公開株数
公開株数が多い銘柄は、初値が上がりにくい傾向があります。またIPO社数が多い12月は、同日にその他のIPOもあることも多いことから投資家の資金が分散し、さらに初値が上がりにくくなる可能性があります。
一方、公開株数が少なすぎるIPOも流動性が少なく、人気が集まらないことがあります。IPO銘柄を選ぶときは、公開株数が100万株程度の銘柄がおすすめです。
・再上場案件に注意
再上場案件は、話題性はあるものの公開価格が割高になり、公募割れリスクが高い傾向があります。
まとめ
12月は決算月の関係で、IPO社数が年間で最も多い傾向があることから、知っておけばIPO社数の多い12月に備えて資金を準備しておくことができます。またIPO社数が多ければ投資家の需要も分散するため、当選確率が高くなる可能性があります。
一方、12月はIPO社数が多いことから投資家の注目や資金が分散してしまい、初値が高くならない、あるいは公募価格割をする確率が若干高い傾向があります。
IPO銘柄だからと言って、必ず大きな利益が期待できるわけではありません。
12月に向けてIPO銘柄を狙いたい方は、今回紹介した「12月のIPO銘柄で成功するポイント」を銘柄選びの際に役立ててください。