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ビジョンファンド3本目の日本案件「AIメディカル」とは

2022/07/14

内視鏡検査を支援する医療スタートアップ「AIメディカル」は、ソフトバンクグループのビジョンファンドから総額80億円の資金調達を実施したと発表しました。
同ファンドの日本案件への投資は今回で3本目。一方、これまで中心としていた投資先だった中国、アメリカへの投資は縮小傾向にあるようです。

今回は、ビジョンファンドから資金調達を受けたAIメディカルとはどのような会社なのか?そして、ビジョンファンドが日本企業への投資に力を入れている背景について解説します。

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AIメディカルとは?

AIメディカルとは、AI技術を駆使して内視鏡検査を支援する医療スタートアップです。同社は2022年4月26日、ソフトバンクグループのビジョンファンドをリード投資家とし、シリーズCラウンド※1)で総額80億円を資金調達したと発表しました。

※1)シリーズCラウンドとは?
スタートアップの状況を表す呼称。エンジェルラウンド…まだ創業前後で製品やサービスが形になっていない段階。シリーズA…ビジネス開始直後の段階。などに分類されます。なお、シリーズCは黒字経営が安定した段階にあるスタートアップを表します。
投資ラウンドを分類すると、どのラウンドにいるのかでスタートアップ企業の状況が分かるため、投資家は投資判断をしやすくなります。

AIメディカルの概要

AIメディカルは2017年9月に東京大学卒業後に勤務医や開業医を通じて数多くの内視鏡手術を手掛けた現在の代表取締役CEOである多田智裕氏によって設立されました。

消化管(胃がん・食道がん・大腸がん)を早期発見できる唯一の手段である内視鏡検査は、日本が発祥で、世界で98%のシェアを誇り、内視鏡医の技術もトップレベル。
しかし、消化管のがんで死亡する人の割合は約3割をしめており、より内視鏡の精度を高めてがんの見落としを防ぐことが求められています。

 

そこで同社は内視鏡の精度をより高めるため、膨大な画像をデータベースと深層学習(ディープラーニング)によって消化管のがんを検出する内視鏡AIの開発に着手。すでに内視鏡AIは病変の検出精度を高めており、その判別精度は専門医の平均以上に到達しています。

記者会見において、同社多田智裕・代表取締役CEOは、「調達した資金は、内視鏡AIの世界展開に利用され、世界中の多くの患者の命が救えるだろう」と述べています。

また、ビジョンファンドを運営するソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズの松井健太郎氏は、「内視鏡AIは、内視鏡を利用する医療が抱える課題に対応し、高度化を促進するツール。日本だけではなく世界で活躍できるポテンシャルを持っている」と高く評価をしています。

ビジョンファンド日本企業へ3例目の出資

ビジョンファンドはこれまでアメリカや中国を中心とした、比較的大きなユニコーン企業に投資をしていました。しかし、中国当局の規制などが厳しくなり、同ファンドは地域分散を図っています。

今回のビジョンファンドのAIメディカルへの出資は、2021年10月のバイオベンチャー アキュリスファーマ、2021年12月のスニーカーフリマアプリ、「スニーカーダンク(SNKRDUNK(スニダン))」を運営する株式会社SODAに次いで日本では3例目。

現在ソフトバンクグループはビジョンファンドの日本チームの人員を拡充しており、日本の案件発掘に前向きな姿勢を見せています。

まとめ

ソフトバンクグループは2022年5月22日に、2022年3月期の決算を発表しました。発表によると、グループの最終損益は1兆7,800億円の赤字。ビジョンファンド単体の赤字は2兆6,394億円とさらに大きく、グループの収益を取り崩している状況です。

赤字の原因としては中国IT企業の株価下落が大きな影響を与えており、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏は、今後は改めて中国への投資を慎重に行っていく姿勢を鮮明にしています。

こうした流れから、ビジョンファンドの投資先の地域分散により、今後も同ファンドの日本スタートアップへの投資は加速していくでしょう。

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