将来のユニコーン企業? 世界の金融教育関連の会社を調査した
アメリカのフィンテック企業でGreenlight社は、子ども向けのデビッドカードとアプリをつかったユニークな金融教育サービスが人気となり、2020年9月にユニコーン企業となりました。実はアメリカに限らず、今世界ではこうした金融教育サービスの需要が増加し、金融教育関連の市場は急拡大しています。
世界で増加している金融教育サービスとは一体どのようなものなのでしょうか?金融教育サービスを提供している代表的なスタートアップも併せて紹介します。
アメリカで注目を集める金融教育関連銘柄「Greenlight」
アメリカ2020年9月に12億の企業価値評価を付けてユニコーン企業となったGreenlight(グリーンライト)社のサービスが急成長しています。
Greenlightは子ども向けのデビットカードを主なサービスとしている企業です。Greenlightのデビッドカードは、親が管理できる点が最大の特徴。親はGreenlightアプリを通じて子どものデビッドカードに即座に入金が可能で、毎月入金などを自動化する設定もできます。
また、子どもがデビッドカードで決済をすると、即時に親に通知が行くだけではなく、買い物ができるお店を設定することもできます。
Greenlightは金融教育にも利用できる
そして、Greenlightのデビッドカード最大の特徴は、子どもの金融教育に役立てられる点です。
ここでは主な内容を2つ紹介します。
・子どもにお金を稼ぐ大切さを教えられる
Greenlightアプリを通じて家事などをアプリ経由で依頼。作業完了後には子どもに報酬を支払うことで、お金を稼ぐ大切さを教えられます。
・親が子どもに利息を渡せる
Greenlightは親が金利を設定し、親の口座から子どもに利息を支払うことができます。この機能を利用すれば子どもは節約することを覚え、金利の仕組みも理解できるようになります。
アメリカではキャッシュレス化は進んでいるもののクレジットカードによる自己破産も問題になっており、子どもの頃からの金融教育の必要性が求められています。
こうしたニーズもあってGreenlightのデビッドカードを含めた金融教育サービスは急速に普及していったと考えられます。
その他の世界の金融教育関連の会社
アメリカではGreenlightのような金融教育ができるサービスが続々と登場しています。
中でも代表的な会社を3社紹介します。
Goalsetter
Goalsetterはアメリカの金融教育関連スタートアップです。
金融サービスはGreenlight同様、子ども向けのお小遣い管理アプリを通じた金融教育を提供しています。
Greenlightに機能は類似していますが、Goalsetterは金融リテラシークイズを用意していて、親はクイズの質問ごとに子どもにお金を払うこともできるユニークな機能が追加されています。
RoosterMoney
RoosterMoneyは2015年に設立されたイギリスのスタートアップです。
収入と支出の管理ができる子ども向けのお小遣い管理アプリを主なサービスとしています。
Greenlightのようなカードを発行することもできますが、年間19.99ポンドまたは、月1.99ポンドかかります。
Nude
NudeはZ世代向けのマイホーム購入をサポートするイギリスのフィンテック企業です。
アプリで購入したい不動産を選び、希望のマイホームがあと何年で購入できるかを表示。節約状況などに応じて、なるべく早くマイホームを購入するためのプランを提供します。
まとめ
日本では、学習指導要領の改訂にともない、ようやく2022年度から高校でも本格的に金融教育が始まりました。また、4月から成人年齢が18歳に引き下げられたことで、詐欺などのトラブルが懸念されることから、新成人や若年層の金融教育が急務となっています。
しかし、金融教育が欧米よりはるかに進んでいる欧米では、子どもの金融教育に利用できるユニークなデビッドカードやアプリが登場しており、小さいうちから親子でお金について学べる環境が整っています。
アメリカ以外の国でもGreenlightに類似したサービスが続々登場しており、同じ分野でまたユニコーン企業が登場するのも時間の問題かも知れません。こうした世界のトレンドも知っておくと良いでしょう。