ファイナンシャルスタンダードが運営する金融・投資信託・相続・不動産など
「資産運用」にまつわる最新情報・ノウハウ満載のコラムメディアサイト

ファイナンシャルスタンダードが運営する
「資産運用」にまつわる最新情報・ノウハウ満載のコラムメディアサイト

ウクライナ問題で注目される「SWIFT」を徹底解説

2022/05/12

ロシアのウクライナ侵攻により、欧米諸国はロシアに対してさまざまな経済制裁を課し、ついに2月26日には、金融の核爆弾ともいわれる、ロシアのSWIFT排除を決定しました。

しかし、なぜSWIFT排除が金融の核爆弾ともいわれる影響があるのでしょうか?SWIFTの仕組みと排除となった場合の影響について解説します。

「資産運用」にご興味がある方は
お気軽にお問い合わせください

SWIFT(スイフト)とは?

SWIFTとはSociety for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略で日本での呼称は「国際銀行間通信協会」。
ベルギーに本部をもつ非営利組織で、世界で1万1,000行の金融機関が利用しています。

日本のスイフトユーザーグループの事務局である一般社団法人 全国銀行協会では、SWIFTを以下のように定義しています。

“スイフト(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication SC)は、銀行間の国際金融取引に係る事務処理の機械化、合理化および自動処理化を推進するため、参加銀行間の国際金融取引に関するメッセージをコンピュータと通信回線を利用して伝送するネットワークシステムです。”

 

SWIFTは、決済機能というイメージを持つ方も多いかも知れませんが、SWIFTは送金に関するメッセージを送る仕組みのことで、実際のお金のやり取りは銀行が担っているという点がポイントです。

SWIFTの仕組み

国内間の銀行でお金をやり取りする場合、各国には中央銀行の口座を保有しているためそこから資金を振り替えて決済をします。
しかし海外送金の場合、中央銀行のような仕組みはありません。

したがって、例えば日本のA銀行から、ロシアのD銀行にお金を送金する場合の流れは以下のようになります。
ただし、日本のA銀行とロシアのDの銀行は直接お金のやり取りができないため、各国の中で外国送金を中心に行っている「コルレス銀行」を中継することが必要です。以下の表ならコルレス銀行はB銀行とC銀行が該当します。

 

【SWIFTの仕組み】

A銀行から日本のコルレス銀行であるB銀行に送金され、次にロシアのコルレス銀行であるC銀行に送金。最終的にC銀行からD銀行にお金が移動して送金が完了します。

本来、A銀行からD銀行に送金をするためには、A銀行からD銀行に、「誰が・いつ・いくら・誰の口座に」送金をするのかを伝達しなければなりません。しかし、A銀行とD銀行には繋がりがないため、コルレス銀行同士(B銀行とC銀行)でSWIFTメッセージによって「誰が・いつ・いくら・誰の口座に」送金するかを伝送します。

つまり、SWIFTは送金に関するメッセージを送信する役割のみで、実際のお金のやり取りは金融機関が担っているのです。

SWIFTが使えないとどうなる?

SWIFTが使えないからといって実は国際送金ができないわけではありません。

かつては、電話で送金先から送金元へ「誰が・いつ・いくら・誰の口座に」電話やテレックスなどで連絡をしていました。
ただ、セキュリティの問題や決済スピードの面で、SWIFTの代替は不可能であり、SWIFTから排除されるということは国際的な決済・送金のインフラを失うことになります。

したがって、SWIFTから排除されることで、ロシアは貿易で外国に輸出した際の商品代を受け取ることが難しくなります。さらにロシアが外国にお金を払うこと、また外国がロシアにお金を支払うことも難しくなります。

SWIFTが使えないことによる影響

SWIFTから排除されることで、ロシアの金融は壊滅的な影響を受けますが、SWIFT排除という経済制裁を課した欧米諸国にも大きな悪影響をもたらします。

【ロシア側の影響】
・海外に入出金ができなくなることになるため、貿易が難しくなる
・貿易が難しくなるので経済が停滞する
・ルーブルの支払い・受け取りができず、流通が滞ることによりルーブルの価値が暴落する

【欧米諸国が受ける影響】
・ロシアから天然ガスや原油の輸入ができない(特に欧州は天然ガスの4割をロシアに依存している)
・天然ガスや原油の輸入ができず、エネルギー価格が上昇する
・すでにインフレに苦しんでいる欧米に、さらにインフレ圧力が加わる

まとめ

欧米諸国はロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁として、SWIFTからの排除というカードを切りました。すぐに効果が現れるものではありませんが、長引けばロシア経済に多大な影響を与えます。

しかし、その影響はロシアだけではありません。
特に天然ガスや原油といったエネルギーをロシアからの輸入に依存している欧州は、エネルギー価格の急上昇という「返り血」を浴びることになります。
ロシアのSWIFT排除を含め、経済制裁の影響で欧米諸国とロシアのどちらが先に音を上げるか、我慢比べになっている様相です。

▽ファイナンシャルスタンダードのアドバイザーにお気軽にご相談ください 資産運用をお考えなら 個別無料相談
▽ファイナンシャルスタンダードのセミナーに参加してみませんか
損をする落とし穴をわかりやすく解説 無料 投資信託セミナー
20,000人が参加した投資信託セミナー 受付中

まずは無料個別相談を受けてみませんか?

CLOSE