私立小学校と公立小学校との違いとは? 本当にコストパフォーマンスは見合っているのか?
幼稚園や保育園に通う子供がいると、私立小学校と公立小学校のどちらに進学させようか一度は悩むかもしれません。
問題は私立小学校の学費の高さ。高額な授業料を支払っても通わせる価値はあるのでしょうか。
私立小学校と公立小学校のコストパフォーマンスについて比較検討してみました。
私立小学校にかかるお金は、公立小学校の4.7倍
私立・公立小学校にかかる学費はどの程度違いがあるのでしょうか。
文部科学省調べ「子供の学習費調査」(平成28年度)によると、公立小学校にかかる一年当たりの学費が322,310円だったのに対し、私立小学校の学費は1,528,237円でした。私立小学校は公立小学校の約4.7倍のお金がかかることになりますね。この金額差はなかなか大きいでしょう。
公立小学校にはない私立小学校のメリット
私立小学校には4.7倍のお金を払うだけの価値があるのでしょうか。私立小学校ならではのメリットは主に2つあります。
ひとつは、受験や進学に強いこと。
私立小学校は中学高校や大学までのエスカレーター式になっている学校や、進学校への受験が必要な学校などありますが、進学や受験に力を入れている学校が一般的です。
授業時間を工夫して、受験対策の時間を作る学校もあるそうです。受験仲間ができるのも、子供にとっては嬉しいですよね。今後も立派な学校に子供を入学させたい方には、私立にお金を払う価値はありそうです。
もうひとつは、学校の理念が明確であること。
私立小学校には教育に対するスタンスや学校の理念が明確に打ち出されています。その方針に共感する教師が集まって授業をするので、授業内容がそこから大きくそれることは基本的にないはずです。
万が一学校でトラブルがあった場合の説明責任は重く捉え、しっかりとフォローをする学校も多いです。安心して子供を通わせることができるでしょう。この安心感はお金に換えられるものではないですよね。
私立小学校のコストパフォーマンスは適正か?
私立小学校のコストパフォーマンスの検証方法は一概にはいえませんが、ここでは生涯年収を比較して検討してみましょう。学歴別の生涯年収について、以下のようなデータが出ています。(参照:「ユースフル労働統計 2018 労働統計加工指標集」表 21-2)
学歴別の生涯年収・男性(60歳までの収入合計)
高校卒:2億900万円
高専・短大卒:2億1,340万円
大学・大学院卒:2億6,980万円
もし仮に公立小学校を卒業した人が高校や高専・短大卒で就職し、私立小学校を卒業した人が大学・大学院卒で就職したと仮定したとき、その生涯年収は約5,500〜6,000万円の差が出ます。私立小学校と公立小学校の学費差は約720万円(年間120万円×6年間)。子供の生涯年収の差から考えると、小さく見えてしまいますね。
まとめ
私立小学校と公立小学校の学費差は年間で約120万円、約4.7倍の差があります。ただ、私立小学校にしかないメリットや子供の将来の生涯年収を考えると、お金をかける価値はあるかもしれません。子供の将来を想像しながら、相談して決めるとよいでしょう。
==参照==
結果の概要-平成28年度子供の学習費調査