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令和6年度税制改正のポイントをわかりやすく解説

2025/02/03
令和6年度税制改正のポイントをわかりやすく解説

令和6年度税制改正では、私たちの生活や企業活動に影響を与えるさまざまな変更が行われました。特に注目すべきは、個人所得税の減税や中小企業の支援策、そしてデジタル化社会に対応した新たな制度の整備です。

この記事では、令和6年度税制改正の基本的な考え方や、改正のポイントについてわかりやすく解説します。

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令和6年度税制改正の基本的な考え方

令和6年度税制改正は、令和5年12月14日に「令和6年度税制改正大綱」が発表され、同月22日に閣議決定されました。その後、この大綱に基づいて作成された「所得税法等の一部を改正する法律案」が令和6年2月2日に国会に提出され、3月28日に成立、同月30日に公布されています。
特段の定めがない限り、改正は原則として4月1日から施行されます。

令和6年度税制改正では、日本経済を活性化させることを目的とした、以下の3つの基本方針が掲げられています。

  • デフレ脱却と産業構造転換の千載一遇のチャンスを活かす
  • 賃金上昇が物価高に追いついていない国民負担を緩和
  • 継続的な賃上げ経済を目指す

日本経済は、長引くデフレを脱却する転換期を迎えています。
しかし、物価高が続くなかで賃金上昇が追いつかず、多くの国民が家計負担の増大を感じているのが現状です。

この課題に対応するため、令和6年度税制改正では国民負担の軽減策が強化されています。
具体的には、賃上げを行う企業への税額控除の拡充や、中小企業の成長を支える投資促進策、低所得層を支援する所得税の減税、子育て世帯を対象とした優遇措置の強化などが挙げられます。

さらに今回の改正では、日本の産業構造を脱炭素化やデジタル化に対応させるための税制措置も進められます。
これにより、持続可能な経済成長の基盤を整え、国民生活の安定と企業活動の活性化を目指す取り組みが期待されています。

個人所得課税の改正ポイント

令和6年度税制改正では、個人所得課税において、家計への負担軽減と働き方の多様化に対応する施策が進められています。
それぞれの改正ポイントを具体的に見ていきましょう。

所得税・個人住民税の定額減税

  • 扶養家族1人につき所得税3万円を減税
  • 扶養家族1人につき住民税1万円を減税

令和6年度税制改正では、扶養家族がいる家庭に対する税負担軽減が図られました。
扶養家族1人あたり所得税3万円、住民税1万円が減額され、子育て世帯や介護を行う家庭の負担軽減が期待されています。
ただし、年収2,000万円を超える高額所得者は対象外です。

ストックオプション税制の拡充

  • 年間権利行使額の限度額を3倍に拡大(3,600万円)

ストックオプション税制の改正は、スタートアップ企業における人材獲得力向上を目的としています。
従来1,200万円だった年間の権利行使額が3,600万円に拡大され、従業員がより大きな経済的メリットを得られるようになりました。
これにより、スタートアップ企業の成長を促進し、日本経済の新たな成長分野を支援する狙いがあります。

住宅ローン控除の拡充

  • 若者夫婦や子育て世帯が令和6年に入居する場合には、一定の上乗せ措置を講ずる
  • 新築住宅の床面積用件を40㎡以上に緩和する(合計所得金額1,000万円以下の年分に限る)

令和6年度税制改正では、住宅ローン控除について、特に若年層や子育て世帯を対象とした支援が拡充されました。
これにより、住宅購入を検討している世帯が減税の恩恵を受けやすくなり、住宅市場の活性化も期待されています。
また、新築住宅の床面積要件が緩和されたことで、都市部の狭小住宅や単身者向けの住宅購入も支援されます。

法人課税の改正ポイント

法人課税についても、企業活動の促進や産業競争力の強化に向けた改正が行われています。
以下は、令和6年度税制改正の具体的なポイントです。

賃上げ促進税制の強化

  • 賃上げ率の要件を5%、7%に引き上げ
  • 教育訓練費を増加させた企業への控除率上乗せ(+5%)
  • 女性活躍推進企業への控除率上乗せ

令和6年度税制改正では、賃上げを行う企業に対する税額控除が強化されました。
特に、教育訓練費の増加や女性活躍推進を行う企業に対して、追加の税制優遇が与えられ、持続的な労働環境改善を目指しています。

戦略分野国内生産促進税制の創設

  • 電気自動車、半導体などの戦略分野に対し、法人税額を控除
  • 当期法人税額の40%(半導体は20%)を上限

令和6年度税制改正では、国内生産を促進するため、電気自動車や半導体など重要分野への投資に税制支援が導入されました。
これにより、海外依存を減らし、経済安全保障の観点からも国内産業の強化が期待されます。

イノベーションボックス税制の創設

  • 国内研究開発で得た知的財産に対し、30%の所得控除

令和6年度税制改正では、イノベーションを促進するため、研究開発に基づく知的財産を保有する企業に所得控除を付与する新制度が導入されました。
これにより、国際競争力の向上を目指しています。

中小企業事業再編投資損失準備金制度の見直し

  • M&Aを行う中小企業の積立率を最大100%に引き上げ
  • 据置期間を5年→10年に延長

令和6年度税制改正では、中小企業のM&Aを促進するため、準備金制度が拡充されました。
これにより、中小企業が経営資源を効率的に活用し、競争力を強化することが期待されています。

 

第三者保有の暗号資産の期末時価評価課税の見直し

  • 暗号資産の期末時価評価課税について、要件を満たす場合は対象外とする
  • 発行者以外の第三者が保有する暗号資産も対象に拡大

令和6年度税制改正では、暗号資産に対する課税方法が柔軟化され、法人が保有する資産において、実態に即した税務処理が可能になりました。
これにより、暗号資産市場のさらなる成長が見込まれます。

 

交際費等から除外される飲食費に係る見直し

  • 飲食費の損金算入基準を1人5,000円→10,000円以下に引き上げ
  • 接待飲食費に係る損金算入特例および中小法人向け特例の適用期限を3年延長

交際費等から除外される飲食費については、飲食費の損金算入基準が1人5,000円から10,000円以下に引き上げられました。
これは、近年の物価上昇を考慮し、企業の負担を軽減する目的があります。

 

消費税の改正ポイント

続いては、令和6年度税制改正における消費税の改正ポイントを解説します。

プラットフォーム課税の導入

  • デジタルサービス市場における国外事業者に課税義務を付与

令和6年度の税制改正では、新たにプラットフォーム課税が導入されました。
日本国内で海外事業者のデジタルサービスを提供する特定のプラットフォーム事業者に課税義務を付与することで、課税の公平性を確保する狙いがあります。

国際課税の改正ポイント

令和6年度税制改正では、国際的な税務透明性を向上させ、暗号資産取引の適正な課税を確保するための新たな制度が導入されます。

暗号資産取引に関する報告制度の整備

  • 非居住者を対象に各国税務当局間で暗号資産取引情報を自動交換する報告制度を整備

令和6年度税制改正では、日本の暗号資産取引所を利用して取引を行う非居住者に対する報告制度が強化されました。
これは、暗号資産取引における税負担逃れを防ぐ目的があります。

この制度により、取引情報がその非居住者の居住国の税務当局に自動的に共有される仕組みが整備されます。
これにより、国際的な税務監査の精度が向上し、不正取引や脱税のリスクが低減されることが期待されています。

納税環境整備の改正ポイント

令和6年度税制改正では、納税手続きの利便性向上を目的としたデジタル化とペナルティ強化が実施されます。

税務手続のデジタル化・キャッシュレス化

  • 法人がGビズIDを用いてe-Taxにログイン可能
  • e-Taxの「ID・パスワード」や「電子署名・電子証明書」の送信を不要化

令和6年度税制改正では、税務手続きの効率化を目的に、法人税申告を行う際のe-Tax利用がより簡易化されました。
GビズIDを活用することで、従来必要だったIDや電子署名の手続きが省略され、特に中小企業や個人事業主にとって利便性が大幅に向上します。

また、デジタル化により、税務処理の効率化やコスト削減が期待されています。

重加算税制度の整備

  • 隠蔽・仮装に基づく「更正請求書」を重加算税の賦課対象に追加
  • 適用開始は令和7年1月1日以後の法定申告期限から

令和6年度税制改正では、税務申告における不正行為に対する罰則が強化されました。
具体的には、更正請求書に隠蔽や仮装が含まれる場合も重加算税の対象となります。これにより、不正申告に対する抑止力が高まり、税務の公平性が確保されることが期待されています。

その他の改正ポイント

令和6年度税制改正では、国際課税や納税環境整備に加え、防衛力強化やスタートアップ支援に関する重要な改正も行われました。

防衛力強化のための税制措置

  • 防衛力強化を目的に令和9年度に向けて段階的に税制を実施
  • 所得税、法人税、たばこ税の見直しを検討

国防費の増額を支える目的で所得税、法人税、たばこ税の見直しなどが検討されており、令和9年度に向けて段階的に改正される予定です。
これらの改正は、国民生活や企業活動に影響を与える可能性があるため、詳細な検討と段階的な導入が計画されています。

スタートアップの支援

  • オープンイノベーション促進税制を2年間延長
  • 株式取得分の所得控除措置を現行のまま継続適用

スタートアップ企業の成長を後押しするため、オープンイノベーション促進税制の適用期限が延長されました。
この税制では、大企業がスタートアップ企業に出資する際に税額控除が適用されるため、スタートアップ企業への資金供給が円滑に進むことが期待されています。

また、株式取得分の所得控除措置も継続され、リスクを伴う投資へのハードルを下げる狙いがあります。

令和6年度税制改正を理解しよう

令和6年度の税制改正においては、国民の税負担の軽減や、企業の賃上げ促進、スタートアップ企業への支援などを目的に、さまざまな変更が実施されました。

令和6年の確定申告・納税については、これらの変更点を理解したうえで、適切に準備を進めていくことが望まれます。

適用できる税制優遇制度が不明な場合には、ぜひ金融の専門家へご相談ください。

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