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株式所得等における所得税と住民税 異なる課税方式廃止が与える影響とは

2022/04/28

上場株式等の配当所得等については、「所得税」と「住民税」で異なる課税方式を選択することができます。
課税方式の選択によって納税額が変わってくるため、所得税と住民税の課税方式をうまく選択することによって節税することができます。
ところが、令和4年度の税制改正大綱で2024年度以降は、所得税と住民税の課税方式は一致させることになりました。

2024年度以降、どのような影響が出るのでしょうか。

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上場株式等の配当所得等の課税方式

上場株式等から配当が支払われる場合、所得税(15.315%)と住民税(5%)が源泉徴収されます。
確定申告をしなければ、この税率で納税が完了します。これが最も簡単な方法です。
確定申告をする場合、所得税について「申告分離課税」か「総合課税」を選択することができます。

申告分離課税とは、他の所得と合算せずに納税するというものです。
税率は源泉徴収と同じですが、株式の譲渡損失と配当金の所得を損益通算することができるので、株式で譲渡損失が発生している場合には、納税額を減らすことができます。

総合課税とは、給与所得や事業所得などの他の所得と合算して課税するというものです。
総合課税の税率は、課税所得に応じて5%から45%の範囲で税率が段階的に上がる超過累進課税となっています。
したがって、源泉徴収の所得税の税率よりも総合課税の税率が低い場合には、総合課税を選択した方が納税額を減らすことができます。
また、総合課税を選択した場合、配当控除が受けられるのでその点でも有利になります。

住民税については、「申告不要」と「申告分離課税」は源泉徴収と同じ5%の税率となりますが、「総合課税」を選択すると10%の税率になります。

どの組み合わせが有利なのか?

どの組み合わせが有利なのかは、配当以外にどれだけ所得があるか、株式の譲渡損失があるかなどで変わってきます。

所得税については、課税所得が900万円以下であれば、「税率23%−配当控除10%」=13%になり、復興特別所得税2.1%を考慮しても、13.273%になるので、源泉所得税の15.315%より少なくなるため、総合課税が有利になります。

したがって、課税所得が900万円以下で株式の譲渡損失がないのであれば、所得税については、総合課税を選択し、住民税については申告不要を選択するのがよいと言えます。

住民税については、総合課税が10%で、申告不要か申告分離課税が5%なので、2.8%の配当控除を考慮したとしても総合課税を選択するメリットはありません。

改正による影響

以上のとおり、現行法では所得税と住民税の課税方式を別々に選択できるため、最も有利な課税方式を選択することができます。

しかし、2024年度分以降は、所得税と住民税は同じ課税方式にしなければならないため、所得税で総合課税を選択すると住民税も税率上不利である総合課税になってしまいます。

したがって、2024年度以降は、所得税と住民税を合わせた税率でどの課税方式が有利かを判断する必要があります。
所得税単体で考えれば課税所得が900万円以下であれば総合課税を選択するメリットがありましたが、住民税も考慮すると、課税所得が695万円以下でないとメリットがなくなります。

 

課税所得が695万円以下の場合、「税率20%−配当控除10%」=10%になり、復興特別所得税2.1%を考慮すると10.21%になります。
それに住民税の税率10%−配当控除2.8%=7.2%になるので、合算すると17.41%になります。源泉所得税と源泉住民税の合計は20.315%なので、この場合、総合課税を選択すると納税額が少なくなります。

まとめ

今回は、上場株式等の配当所得等の課税方法について解説してきました。
2024年度以降は、所得税と住民税で同じ課税方式を選択しなければならなくなるため、所得税と住民税の両方を合算した上で、どの課税方式を選択するのが有利かを判断しなければなりません。
多額の配当を受け取っている人にとっては大きな影響がありますので注意してください。

一方、手続の煩わしさから、申告不要制度を利用している人も多いと思いますが、それらの人については、今回の改正による不利益は特にありません。

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