年金制度改正法で何が変わる?その特徴を徹底解説

2021/10/14

2020年5月29日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金制度改正法)」が成立し、同年6月5日に公布されました。
年金制度改正法は、2022年4月に施行される予定です。

そこで今回は、年金制度改正法で変更された主な内容について解説します。

厚生年金保険等の適用の拡大

日本の公的年期制度には、会社員など団体に所属している人が加入する「厚生年金」とそれ以外の人が加入する「国民年金」があります。厚生年金の受給額は、平均的な収入の場合、月額約22万円になりますが、国民年金は、月額約6万5千円です。
【参照1】日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について

 

高齢化が進む中、国民年金だけで生活することは厳しいのが現状です。そのため、政府としては、年金額が大きい厚生年金にできるだけ多くの人に加入してもらいたいと考えています。
そこで、厚生年金に加入できる対象を増やすべく改正がなされました。

具体的には、パートやアルバイトなどの短時間労働者についても厚生年金に加入することができるようにするため、企業規模の要件を現行の「500人超」から、2022年10月から「100人超」に、2024年10月から「50人超」に、段階的に引き下げられます。

在職中の年金受給について

年金と賃金の受取額が一定額を超える場合には、年金の支給が停止されます。この一定額の水準が「28万円」から「47万円」に引き上げられます。
これまで「働くと年金を受け取れなくなるから」という理由で就労していなかった人も働きやすくなります。

また、65歳以上で厚生年金保険料を納付している人は、保険料を払った分の年金額が上乗せされますが、現在は、退職または70歳にならないと年金の増額はなされません。
改正後は、毎年1回、年金納付額を基に再計算され年金額が増額されるようになります。

年金受給開始年齢の柔軟化

公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、申請することによって、60歳まで前倒しで受給することができます。
また、受給年齢を70歳まで遅らせることもできます。
今回の改正では、年金受給を遅らせる年齢を「70歳」から「75歳」まで引き上げられました。

なお、前倒しで受給した場合には年金額は一生減額された年金額となります。
他方、受給を遅らせた場合には、一生増額された年金が支払われます。
今回の改正で75歳から年金を受給する場合、最大で84%の増額になります。
【参照2】厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました

確定拠出年金の加入要件の緩和

公的年金を補完するものとして「確定拠出年金(DC)」があります。
DCは、従業員が掛金を支払うものと企業が掛金を支払うものとがあります。
今回の改正では、加入できる要件が緩和されました。

具体的には次の通りです。

① 企業型DCの加入年齢が「65歳未満」から「70歳未満」に引上げ
② 個人型DC(iDeCo)の加入年齢が「60歳未満」から「65歳未満」に引上げ
③ DCの受給開始年齢が「60歳〜70歳」から「60歳〜75歳」に範囲を拡大
④ DB(確定給付年金)の支給開始時期が「60歳〜65歳」から「60歳〜70歳」に範囲を拡大
⑤ 中小企業向け制度(簡易型DC、iDeCoプラス)への加入が「従業員100人以下」から「従業員300人以下」に加入要件を緩和

まとめ

今回は、年金制度改正法の主な変更点について解説してきました。
今回の改正は高齢化に向けた対応で、労働者にとって不利なものではありません。適用年齢の範囲が広がるなど、より選択肢が増えたといってよいでしょう。

一方で、選択を誤ると損をする場合もあるので、選択は慎重にするようにしてください。

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