確定申告を間違えた「修正申告」の注意点を徹底解説
確定申告のシーズンは、通帳やレシート、請求書、領収書、通知書類などを集めながら頭を抱えている方も多いです。
前年の所得を確定させ、所得税や住民税の納税額の根拠となる確定申告は、正しい情報を申告することが大前提ですが、申告後に内容に間違いがあることに気づいた際には「修正申告」をすることも可能です。
思いがけず修正申告をしなければならない事態になった方のために、注意するべき点を徹底的に解説します。
修正申告は「過少申告」をしてしまったときに行う
まず、修正申告という言葉の定義について確認すると、税額を少なく申告してしまった場合にのみ「修正申告」を行います。過少に申告したときに行うのが修正申告です。
一方、実際の納めるべき金額よりも大きな税額となる申告をしてしまった場合にも、その申告の内容を修正することに違いはありませんが、呼び名としては「更正の請求」となります。
誤った確定申告のうち、税額が少なかった場合は「修正申告」、税額が多かった場合には「更正の請求」です。
この用語の違いについて把握していないと、専門家や税務署などで混乱が生じることがありますので注意してください。
確定申告の間違いに気付いたら自ら修正申告
すでに申告済みの内容について間違いがあることに気づいたものの、修正申告をすると税額が増えてしまう場合に、「バレなければ大丈夫」という悪魔のささやきが聞こえてきます。
修正申告を行う場合、修正申告を提出する日までに不足分の税金を支払わなければならず、さらに納税が遅れていたことによる延滞税が発生してしまいます。不足していた税金に加えて、ペナルティとしての延滞税がかかるために、修正申告をしない方が良いのではないかと考えてしまう方がいます。
しかし、もしも税務当局が申告内容の間違いに気付いたり、疑いをもって調査を開始して過少申告が発覚した場合には、さらに大きなペナルティが発生します。
当局の指摘で修正申告を行う場合のペナルティ
自ら修正申告をしなかったために発生してしまうペナルティには、過少申告加算税と重加算税があります。
過少申告加算税は、不足していた税額に対して10%もしくは15%が課されます。また、税務当局が悪質な申告の誤りであると認定した場合には、同じく不足していた税額に対して35%あるいは40%の重加算税が課されます。
また、納付期限からの日数については納税の遅延として扱われますので、年利14.6%を基本とした利子税が課されることになり、さらに納税額が多くなってしまいます。
修正申告の注意点まとめ
確定申告は、会社の年度末と重なる多忙な時期に行われるため、重要な内容を忘れてしまっていたり、計算ミスをしてしまっているケースは珍しくありません。
間違いに気づいたときに自ら直ちに修正申告を行えば、税務当局からも厳しい目は向けられず、不足分の税額と延滞金の支払いだけで済みます。
しかし、自ら修正申告を行わずに放置していることが税務当局からの調査などで発覚してしまった場合には、過少申告加算税や重加算税が発生するため、大きな税負担となってしまいますので注意が必要です。
確定申告の際には、経費や控除などの税額を減らすための方策にばかり気が向いてしまいがちですが、やはり収入や所得の面について漏れのないように記載することを重視するようにしてください。
無償譲渡された土地にかかる贈与税や、仮想通貨の売買による所得、コロナ対策の助成金の受け取りなどの収入が漏れてしまうケースが多いかもしれませんので、しっかりと確認した上で確定申告を済ませるようにしましょう。