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来年からの贈与で改正 かけこみ贈与の是非を考える

2023/11/16
来年からの贈与で改正 かけこみ贈与の是非を考える

令和5年度の税制改正により、令和6年から相続税の持ち戻しルールが変更となり、暦年贈与を使った節税メリットが少なくなることから、かけこみ贈与が増える可能性があります。今回は相続税対策でかけこみ贈与を検討している人向けに、暦年贈与の仕組みや是非について紹介していきます。

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令和4年12月、令和5年度の税制改正大綱が発表されました。

年末が近づくと、贈与税の非課税限度額110万円を年末までに使い切ろうという意識が働くため、かけこみ贈与が増える傾向があります。令和5年度の税制改正により、令和6年以降の贈与から暦年贈与を使った節税メリットが少なくなるため、今年はさらにかけこみ贈与が増えるかもしれません。

しかしあまり深く考えずにかけこみ贈与をすると、かえって損をする可能性もあります。どのように贈与したらメリットが最大になるのか?かけこみ贈与をする前に、まず贈与税の仕組みを理解することが大切です。

ここでは現行の贈与の仕組みと、令和6年以降の改正点について解説します。

暦年贈与を活用した節税方法

暦年贈与を活用した節税方法とは、1月1日~12月31日の間の贈与額が基礎控除110万円以下であれば税金がかからない仕組みを利用して節税をする方法です。

例えば1億円の資産があり、子ども3人に10年にわたって110万円ずつ贈与を継続すると、相続する資産を6,700万円に減らせます。この場合の相続税額は約189万円で、暦年贈与を活用した節税をしない場合の相続税額約628.5万円に比べて、相続税を約439.5万円減らせることになります。

ただし「相続税の持ち戻し」に注意が必要です。また令和6年からは、この相続税の持ち戻しルールも変更になります。

相続税の持ち戻しとは?

相続開始前3年以内の推定相続人に対する贈与分は、相続税の対象となるルールのことを、相続税の持ち戻しと言います。

例えば毎年10年にわたって110万円贈与をしていて、10年目に被相続人が死亡した場合、相続開始前3年以内に贈与された330万円は、相続財産として加算されてしまいます。

さらに令和6年以降は、加算期間が7年に延長されます。つまり先の例で言えば、相続開始前7年以内に贈与された110万円×7万円=770万円は相続財産として加算されます。

ただし4~7年前の贈与は総額100万円まで控除されるルールも設けたため、このケースで相続財産に加算される金額は670万円です。

いずれにしても相続時に財産として加算される金額が増えるため、実質増税となり、令和5年はかけこみ贈与が増えると予想されています。

かけこみ贈与はあくまでも選択肢の1つ

生前贈与を活用した節税方法にも、多くの選択肢があります。例えば、孫や子どもの配偶者など、相続税の申告が不要な人(相続人以外)への贈与であれば、贈与した財産が相続時に加算されることはありません。

教育資金の一括贈与を活用する方法もあります。これは、親や祖父母といった扶養義務者から「通常必要と認められる」教育費や生活費で、一定の要件を満たした贈与であれば、1,500万円まで非課税になる制度です。教育資金の一括贈与は今回の改正で2026年3月まで延長されました。また結婚・子育て資金贈与の非課税措置もあります。こちらは最大1,000万円まで、2025年3月31日まで延長されています。

ただし贈与は、贈与する側と贈与を受ける(受贈者)双方の合意が必要です。例えば、節税対策で親が一方的に子ども名義の口座に贈与していたような場合、贈与した人の相続財産と判断されて相続税の課税対象になる可能性があるため注意が必要です。

相続税や贈与税は、被相続人や相続人の数や年齢、資産状況によってとるべき対策が全く異なります。暦年贈与としていたつもりでも、定期贈与とみなされれば贈与税が課される可能性もあります。「スタートが遅れると選択肢も少なくなるため、早めに専門家に相談して対策に着手しましょう。

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